Ai-ONE Square 2 Square はパターも「ハンドファーストに打ちたい人」に試してほしい!
Ai-ONE Square 2 Square パターをロマン派ゴルフ作家が検証する!
オデッセイは『Ai-ONE Square 2 Square パター』を2024年12月6日に発売。『Ai-ONE Square 2 Square パター』をコースに持ち込んで、徹底的にレポートする。
Ai-ONE Square 2 Square はパターが上手く打てない人向け?
『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、『#7』、『DOUBLE WIDE』、『JAILBIRD』の3機種のラインアップだ。今回は、『Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD パター』を試打ラウンドした様子をレポートする。
『Ai-ONE Square 2 Square パター』のコピーは、“フェースをスクエアに保つ新設計 フルオートマチックなストロークを実現”である。
現在、市場にあるパターの多くは、シャフトを机などに置いて端からヘッドを垂らすと、ヘッドのトゥが下を向くものと、フェースが上を向くタイプが主流だ。
『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、トゥが上を向くように設計されているが、パターヘッドのほぼ重心位置にシャフトを装着して、ヒールサイドのウェイトを重くする方法を採用している。
実際に、置いてみるとわかるが、確かにトゥが上を向くのだが、その効きは微かで、ヘッドを回そうとすれば、小さな力でもくるくると回る。
このような考え方で作られたパターは、過去にもオデッセイでも存在するし、現在もいくつかのメーカーから発売されているので、業界初とかいうものではない。
重心位置によって、パターヘッドはフェースを開閉して使いやすいものと、開閉しないほうが使いやすいものに分かれるが、今回の『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、メーカーの説明によればフェースを開閉しないほうが使いやすいものに分類されるようだ。
真っすぐに引いて、真っすぐに打ち出していくパッティングの基本が、わかってはいるけれど難しくてできないという人はたくさんいる。そういう人のために、『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、今までにない感覚で、テークバックでヘッドが回ろうとする抵抗を最小限に出来たことが最大のセールスポイントなのだ。
実際に素振りをしても、確かに、違いはわかる。独特であることは一目瞭然である。
ただヘッドの重心近くにシャフトを挿しただけではなく、シャフトが後退する分、ターゲット方向に3.3度傾けてシャフトを装着している。つまり、ハンドファーストにアドレス、ヒットしなければ機能しない。
ハンドファーストでストロークしたいのにできないと悩んでいる人に、この部分は朗報であろう。強制的に、ハンドファーストで打つことを求められるからだ。
興味深いのは、良い副作用として、ヘッドは、地面と平行に長く引きやすくなる。
『Square 2 Square』というテクノロジーと融合するのが『Ai-ONE』だ。
ミスヒットしても飛距離や方向性に大きく影響しないことで安定性を高めた「AIフェース」のことは書くまでもない。大ヒットパターのテクノロジーは、融合することで更に発揮される可能性を感じる。
こういう癖が強めのパターは、極端に評価が分かれるものだが、『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、どうなのだろうか? 楽しみな試打ラウンドになった。
試打した日は、曇りで、気温は13℃〜20℃、グリーンは9.5フィートというコンディション。
打ち慣れていて、パターの影響だけに集中できる『TOUR B X ボール』を使用した。
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Ai-ONE Square 2 Squareはフルオートマチックのパッティングを教えてくれる!
『Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD パター』(以後、『JAILBIRD』)を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感/音量はちょうど良い。硬質系で高音な音。打ち応えは軽いがしっかり目。手応えは敏感で、クリア。
方向性/思ったより違和感なく構えて狙える。真っ直ぐに引きやすい。打ち出しも狙い通りに転がり、気持ちが良い。
距離性能/転がり良し。「Ai-ONE」に慣れていればタッチは出やすい。打ちづらい距離がなく万能。
『JAILBIRD』は、マレット型の古くからある中尺用のヘッドだが、米ツアーで複数のツアープレーヤーを復活させたパターとして注目された。2024年に復刻版が出たり、新しいブランドのパターのラインアップに入っていたりして、最もホットなヘッドだ。他のブランドのパターで試打をして、すこぶる良い感じだったので、今回は取り上げることにしたが、別に他の2機種も試打ラウンドをした。
『JAILBIRD』は、「Square 2 Square」のために作られたヘッドなのか、と考えてしまうほど、素晴らしい結果を出した。
まず、最初の20ヤードのロングパットから10センチショートというタッチの良さを見せつけて、次のホールでは、4ヤードの少し切れるラインを狙った通りにど真ん中から入れた。
その後も、借り物であるのがウソのように、イメージ通りに打てて、寄るし、入った。
強いハンドファーストに打つのは得意ではないので、不安に感じていたが、想定していたほどの違和感はなく、普段よりやや右サイドにボールをセットして打てば良いだけだった。
真っすぐに引きやすいか? という点については、よくわからなかったが、結果として、かなり精密な狙いにも対応してくれて、きわどいラインでも決められたことは、上手くストロークできている証拠だと感じた。
ただ、テークバックでヘッドが暴れるような感覚は一切なかったことは断言する。
オデッセイが説明するように、今までのパターで自分のパッティングの力を出し切れていなかったゴルファーに『Ai-ONE Square 2 Square パター』はオススメである。
また、貪欲に新しいテクノロジーをテストしたいというゴルファーにもオススメしたい。理由はよくわからないけれど、とにかく入るというパターンがあると感じたからだ。
特に『Ai-ONE』を打ってないゴルファーは、少し邪道ではあるが、『Ai-ONE Square 2 Square パター』を打ってみることをオススメする。「Ai-ONE」の効きはヘッドによって違いがあるが、『Ai-ONE Square 2 Square パター』の3本は、いずれも効きが良いからわかりやすいからである。
『Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD パター』は、自分に合っている、と感じた。3本の中で一番結果が良かったからなのと、ミスらしいミスが1回も出なかったからだ。
結果が出ることが最高の機能なのだと、『Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD パター』は教えているような気がしてならないのである。
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篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。