少し小ぶりな操作性の高いヘッドとも相性良さそう! USTマミヤのドライバーシャフト「LINQ」試打レポート
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。USTマミヤのシャフトといえば「ATTAS」シリーズが有名です。先日新しい「サンライズレッド」というモデルも出ましたしね。しかし昨年発売された「LIN-Q(リンク)」というシャフトも人気があるんです。これはアメリカモデルのシャフトを日本に持ってきているということなのですが、どちらかというと叩けるハードヒッター向けのモデルと言えます。その「LIN-Q」シリーズの新製品「LIN-Q WHITE EX」が発売になりました!いったいどんな性能なのでしょうか?コースに持ち込んで打ってみました!
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
「LIN-Q WHITE EX」は叩ける元調子!
「LIN-Q」シリーズのシャフトはアメリカPGAツアー向けに開発された、比較的ハードヒッターを想定して設計されたブランドです。飛距離性能に加え、方向性を重視した叩けるシャフトとなっているようですが、日本向けにはハードすぎるので、少しスペックの見直しをしているそうです。
「LIN-Q WHITE EX」の特徴としては、ロケットや航空機にも用いられている高強度・高弾性で超低重量の「トレカ®T1100G」をフルレングスに採用。さらに、「トレカ®M40X」を先端に配置し、炭素繊維にナノアロイ®技術適用樹脂システムを配合した「Q・Ply Core」をUST Mamiya独自のノウハウで効率よく組み合わせることで、飛距離性能に加え、方向性を重視した叩けるシャフトを実現しています。
トップから切り返しでは手元側のスムーズで粘りのある切り返しで、飛ばしに必要不可欠な「安定感あるタメ」を作り、ダウンスイングからインパクトまでは横方向のブレをなくし、安定したインパクトを実現しています。また、先端側の剛性を上げることで「押し感」の強いインパクトを可能にし、飛距離アップ性能を高めています。
デザインはシンプルで、スペックはハード目
シャフトには黒ベースにロゴと幾何学模様のようなデザインが白系の色でプリントされています。「WHITE」という名前ですが、白いのは文字や模様だけ。でもシンプルでカッコいいし、少しハードなシャフトっぽさを感じるデザインです。
スペックは一番柔らかくて軽いのが「5S」ということで、やはりある程度ヘッドスピードのあるゴルファー向けのシャフトという感じがします。そして一番ハードなスペックが「7X」となるのですが、一体どのくらいのヘッドスピードがある人なら打てるのでしょうか(笑)。
緩めに手元側がしなるシャフト!
早速打ってみましたが、僕が試したのは「LIN-Q WHITE EX」の「5S」。このスペックで58g、トルク3.4の元調子ということです。ヘッドはタイトリストの「GT-4」ロフト10度です。
ワッグルしてもあまりしなりは感じないのですが、ショットをすると、切り返しの時に手元側のしなりを少し感じます。そのしなりのおかげで、切り返しのタイミングが取りやすくて気持ちがいいです。ただ大きくしなるわけではないし、クイっとしなるわけでもなく、少しだけしなりを感じるくらい。僕は手元側のしなりがあるシャフトが好きなので、これはなかなか好みです。
切り返しからインパクトに向けては、手元のしなりが戻ってくる感じはありますが、大きくしなることはないです。中間から先端に向けてはかなりしっかりしているので、走るという感覚はあまりありません。全体にマイルドなハリ感を感じますね。ピンピンとしたハリ感ではなく、シャフト全体に穏やかなハリ感がある感じ。
押し込み感があり、強い球が打てます。
インパクトでは弾くという感覚ではなく、厚めのインパクトでボールをしっかりと押し込んでくれるような感覚。変なしなり方はしないので、スイング軌道は安定します。先端がしっかりしているので、オフセンターヒットでもヘッドがブレる感じもありません。
弾道は中弾道くらいで、勝手に球が上がるようなシャフトではないです。かなりの強弾道で前に行く球が打てます。スピン量も少なめなので、弾道が低めなのと合わせてランも多く出そうです。勝手に捕まえてくれるシャフトではないのですが、コントロールはしやすいので、ドローヒッターもフェードヒッターも打ちたい弾道が出しやすいんじゃないでしょうか。ただ、やはり少しハード目なシャフトなので、ある程度振れる人の方が良さそうではあります。
飛距離性能は十分。シャフトの挙動が安定しているので、曲がりにくいし、安心して叩いていけます。叩けば叩くほど飛距離が伸びそうなシャフトだと思いました。
どんなヘッドにも合いそうなシャフト
ヘッドは最近の大慣性モーメントヘッドにも合いますし、少し小ぶりな操作性の高いヘッドにも良さそうです。個人的には少しつかまりのいいヘッドに挿すのがいいかな〜と思いました。
やはり少しハードなシャフトなので、一番柔らかい「5S」でもヘッドスピードは最低42m/sくらいはあったほうがいいと思います。ちなみに少し硬めの「5X」というのも室内では試打したのですが、ハリ感が増している感じでした。打てなくはないのですが、やはりかなり頑張らないとダメだし、1ラウンド使うとなると難しいかな〜と思いました。普通のオッサンには「5S」がちょうどいいです。
USTマミヤの「LIN-Q WHITE EX」をコースで試打しましたが、とてもタイミングが取りやすくて振りやすいシャフトでした。少しハード目ながら、中弾道の強い球が打てて、飛距離性能もかなり高め。叩くほど飛距離が出るシャフトに仕上がっていると思いました。シャフトがたくさん仕事をしてくれるというタイプではないですが、しっかり叩きたい人にはおすすめです。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。