アプローチのダフりやトップが止まる! 右手を『ファーム』に使った打ち方教えます【中井学のアプローチ】
残り30ヤードから2つで上がる!ショートゲームのコツを中井学がレッスン(12)
『右手をファームに使って打つと…』というレッスンを読んだことがあるだろうか? 英語のスペルは「firm」なのだが、意味は【硬い・しっかりした・安定した】などだ。アプローチでダフリやトップのミスが多いというゴルファーは、右手をファームに使って打つと良い。どんな打ち方なのだろう? 中井学に詳しく解説してもらおう。
写真/相田克己 協力/こだまゴルフクラブ
右手(右腕)は終始インパクトの形をキープ
スイングやアプローチでは「右手で打つ」という人もいれば「左手で打つ」という人もいます。もちろん見たまま「両手で打つ」人もいるでしょう。どのイメージをもってもいいと思いますが、右手で打つならちょっと注意が必要です。
アベレージゴルファーに多いアプローチのミスは、ダフりやトップだと思いますが、これらの多くは右手(右腕)の誤動作に起因しています。ダフりは上下のミス。ダウンスイングからインパクトで、クラブヘッドが大きく上下動することで起こります。トップはこの逆、インパクトに向かってヘッドがスライドすることで起こります。
右手で打つ意識があると、当然ながら利き手である右手を使って打とうとします。そのぶん右手は動きます。例えばテークバックからインパクトで、右腕を曲げ伸ばして打つ。こうなるとヘッドが上下に動いてダフりやすくなります。ショットもアプローチも、そもそも打つ瞬間に腕が伸びるのはNG。伸びるのは打ってからです。
トップの場合は、右手を伸ばしたままクラブをスライドさせると起こりやすい。アベレージゴルファーの多くはすくい打つ傾向があります。右腕を伸ばしたままパットのように動かせば当たりますが、スライドさせるとボールを上げようとしてすくい打つ動きが入り、ヘッドが浮いてトップになる。あるいは右手でクラブを目標方向に押し出すことでもトップします。
こういった動きを自覚している人、また、自分のアプローチ動画を見てこうなっていたら、右手をファームに使うことをおすすめします。ファームとは「farm」ではなく「firm」。ガチガチではありませんが、適度に固めて使うと考えてください。
インパクトでは右ヒジ適度に曲がり、右手首が手の甲側に折れて角度がついています。この右手(右腕)の形をキープしたまま打つのです。ショットと違って振り幅の小さいアプローチでは「アドレス=インパクト」でOKなので、アドレスでインパクトの形を作っておいてもいいでしょう。
アドレス時にインパクトの形を作り、その時の右腕をキープしたまま始動してインパクトまでいけば、クラブの上下動や、手首を使ってボールをすくう動きがなくなってダフりやトップを防げます。
また、右手をファームに使うと右腕が体と一緒に動くことになるので、結果的にグリップエンドが終始おヘソを向き、体の回転をメインに打てるようになります。安定感もアップします。
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レッスン:中井学
なかい・がく/1972年4月14日生まれ、大阪府出身。2003年からプロコーチとして活動し、数多くのツアープロの初優勝に貢献。40歳を過ぎてからプロテスト合格を果たし、トーナメント出場。アマチュアレッスンにも定評があり、YouTubeの「中井学ゴルフチャンネル」では登録者約25万人の実績を持つ。