タイプの違う3足を「1足1発勝負」で実験
ゴルフシューズによって、ヘッドスピードやスイングにはどんな違いが出るのか? この疑問を確かめるべく用意したのは、フットジョイのゴルフシューズ3モデル。すべてシューレース(靴紐)タイプで揃えた。
1)ツアーアルファLACED
2)ドライジョイズプレミア
3)プロエスエルエックスカーボンレザーLACED
ツアーアルファとドライジョイズはスパイクシューズ、プロエスエルエックスはスパイクレスだ。この3モデルをドライバーで「1足1発」という条件で打ってみて、スイングや結果(データ)にどんな違いが出るかを確かめた。ボールはツアーボール、計測にはトラックマンを使用。また、結果を客観視してもらうため、高橋良明プロに立ち会ってもらった。
実験の被験者である私こと編集部員Kは、ゴルフ歴20年/平均スコア96/ヘッドスピード40m/s前後/スライスが持ち球のアベレージゴルファー。
素振りをして体を温めてから、「1足1発勝負」でスパイクレスのプロエスエルエックスLACEDから実験。
ヘッドスピード/39.4m/s
ミート率/1.38
トータル飛距離/203.4ヤード
主なデータは上の通り。普段からスパイクレスを愛用しているからだろう。ほぼ普段通りにスイングすることができた。計測データはかなり上出来なほうである。ほど良くグリップ力を感じつつ、スムーズにスイングすることができた。
次に試したのはドライジョイズプレミア(写真上)。
ヘッドスピード/38.0m/s
ミート率/1.46
トータル飛距離/202.9ヤード
ヘッドスピードがプロエスエルエックスよりも1.4m/s落ちたものの、ミート率がアップ。飛距離はほぼ変わらずという結果だった。
スパイクなので足の動きにもっと違いを感じるかと思ったが、思っていた以上にスムーズにスイングすることができた。インソールがとてもソフトで、履き心地が良いところが影響したのだろうか? 履き慣れたらもっと良い結果が出そうな気がする。
さて、ここまでの2足に大きな違いは見られない。ゴルフシューズによる影響はないのか!? という考えが頭をよぎったのだが、最後の3足目で結果が激変した。
グリップ力の違いは確実にスイングに影響する!
下半身がまったく動かない!!(笑) 切り返した途端に伝わってきた強烈なグリップ感によって、体感としては体の回転が止まるのを察知して、咄嗟に腕の力だけで振ってなんとかボールに当てたような形となってしまった。
先に試した2足とは段違いのグリップ力で、それはアドレス時にガッチリと芝を噛んでいる感触からも伝わってきていた。何度か素振りをして打ったのであれば、もう少しマシな結果になっただろう。だが、素振りなしの1足1発で試したからこそ、タイプの違うゴルフシューズの違いを明確に体感することができたのだと思う。
データを見るとヘッドスピードが40m/sと計測されてはいるが、完全なミスショットだった。さて、この結果に対して、実験に立ち会ってくれた高橋良明プロはどう思ったのか聞いてみた。
『スイングタイプとゴルフシューズの特性には相性があるということが、よくわかる実験結果でしたね。編集部員Kさんは、足を積極的に使っていくタイプのスイングではありません。ですから、グリップ力の強いゴルフシューズだと、下半身が使えなくなってしまうんですね。
しかも、今日はやけにツマ先重心のスイングになっていたので(笑)、他の2足とは違ってツマ先部分に鋲が配置されているツアーアルファのグリップ力による影響をモロに受けた形ですね』(高橋プロ)
だが、フットワークが力強い人、それからカカト重心でスイングする人、さらにインパクトで跳ねるような人にとってはツアーアルファの強烈なグリップ力は安定感をもたらすと、高橋良明プロ。
『跳ねても足がズレないから、パフォーマンスを十二分に発揮できるでしょう。編集部員Kさんのように、とにかく回転できないと打てないタイプの場合はスパイクレスや適度なグリップ力のゴルフシューズのほうが合っています』(高橋プロ)
今回は、鋲の配置とグリップ力の違いが結果に大きく影響した。だが、さらに細かく言えば、アッパーの柔軟性やミッドソールの反発力によっても、相性は変わってくると言う高橋プロ。
『ジャスティン・トーマスのヘッドスピードが上がったという話も、スイングとゴルフシューズの相性によるものなのでしょうね。インパクトでジャンプするようなスイングなので、まさにグリップ力とミッドソールが関係しているのかもしれません』(高橋プロ)
さて、今回の実験結果、いかがだっただろう。自身のスイングタイプとゴルフシューズの特性を把握したうえで、ゴルフシューズ選びをするべきだということ。そして、ゴルフシューズによって、結果に大きな違いがあるということを伝えることはできただろうか。ちなみに、今回協力してくれた フットジョイでは、フィッティングイベントを実施したりしているので、興味のあるゴルファーはチェックしてみてほしい。
ハイパーフレックスの2025年モデルをツアーで発見
ジャスティン・トーマスが好感触を得たというニューモデルは、ハイパーフレックスの2025年モデルだ。そして国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」には、このニューモデルをテストまたはすでに使用している選手が大勢いた。
ところで、ジャスティン・トーマスのヘッドスピードが上がった理由は、どこにあるのだろう? ツアー会場にいたフットジョイの担当者によれば、『コンセプトや構造は大きく変えていませんが、パーツごとに進化をしていて、J・トーマスの件に関して言えばミッドソールの反発性能が大きく関係していると思われます。地面反力を使ったスイングに対して、クッション性と反発性が適切に働いていることでヘッドスピードアップに繋がったのではないでしょうか』(フットジョイ)
新しいハイパーフレックスと現行モデルの外見から見て取れる大きな違いは、履き口だ。二重構造になっており、カカト部分のパーツがよりソフトで弾力性の高いものとなっている。この部分だけを見ても、シューズと足との一体感・ホールド感が向上していることは間違いないだろう。
アッパーの素材も変わっているようで、甲の部分を折り曲げると屈曲性が増していることが伝わってきた。スイング時の追従性や、歩行時の歩きやすさに良い影響を与えてくれると予想できる。
発売は2025年春ということなので、また新しい情報が入ればお伝えしようと思う。


