パーカーおじさん論争を横目に、パーカーを着てゴルフってあり? なし?
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第119回
先日、「パーカーおじさん論争」なるものが勃発したが、ゴルフ界にも同じような係争案件がある。「パーカーでゴルフしていいの論争」である。それぞれのゴルフ場のドレスコードにひっかからず、TPOを弁えているのであればゴルフウェアとして売られているパーカーがダメ! ということはなさそうだが。
おじさんのパーカー着用問題が大論争になって
発端は、20代のコラムニストが自身のYouTubeで「40歳近くになって、パーカーを着ているおじさんはおかしい」といったような発言をしたことだったようですが、該当するコラムニストが反論したことで大炎上、大論争になっています。
2024年12月。お隣の国は戒厳令を発動して大騒ぎになっている中で、日本はとりあえず平和です。
パーカーと呼んでいる時点で古すぎるという意見もあります。確かに、最近ではゴルフのアパレルでも、頭に被るタイプのフード付きスウェットシャツのことを“フーディー”と呼んでいる例もあります。
調べてみると、英語では「hooded sweatshirt」が名称なので、正式表現に近づいているということなのかもしれません。
この論争について語る資格も気持ちもありませんが、神経を逆なでしているワードは『40歳近くなって』で、自分がオールド扱いされるのはおかしい、と過剰に反応したことに尽きるように思います。
このおじさんの境界線問題は、ゴルフシーンでもあちらこちらでボヤっているようです。
パーカーゴルファー論争はぼんやりと継続中
「ゴルフのときにパーカーって、OKになったの?」
パーカーおじさん論争が大きくなる中で、この質問を複数受けました。
服装は公式なルールではなく、TPOに合わせた現場のローカルルールですから、ケースバイケースです。
例えば、プロの世界でも、欧州ツアーは試合中のパーカー着用はOKですが、米ツアーはNGです。つまり、Aカントリーは禁止だけど、Bゴルフクラブは問題なしだよ、ということなのです。
プレーするコースの決まりに従うのが、唯一無二の正解です。
NGのコースに取材してみると、意外なことにダメなのはフードではなく、スウェット素材のほうだったりするのです。運動するのだから、と、ジャージで来場するような人は当倶楽部の雰囲気にそぐわない、ということで、デニムと同様に素材が禁止というわけです。
普段からパーカーを愛用している中高年ほど、ゴルフコースでもカッコイイと思って、パーカーを着用しようとする傾向があるそうです。実はゴルフコースの関係者と話しをすると、その手のおじさんパーカーはあるあるだったりします。
パーカーはOKか? という質問をして来た人も40代1名、50代3名、60代1名でした。
最終判断は自分自身! ゴルフは自らが審判だから面白い!
自分が好きな服装を着て、気分を上げることを否定する権利は誰にもありません。
ただ、人が集まるところでは、TPOを考慮したり、規則がある場合には守るという義務を全うすることで成り立つ権利であることは、年齢に関係なく理解しなければなりません。
ゴルフコースでも同様です。禁止されていないコースで、パーカーが好きで、気候にも合っているのであれば、パーカーゴルファーとしてプレーを楽しむのは“あり”です。
ある座談会で、雑談として和ませているときに若者の本音を聞けたことがあります。
「若く見られたい、という理由で、若い人の言いなりに服装を変えたりするおじさんとおばさんは、ダサく見られないことにこだわっているのに、言いなりが一番ダサいってわかっていないんです」
好きでもないのに、若い人たちに媚びて若作りなファッションを取り入れても、結局、魂胆はバレていて、滑稽なピエロになっているのは悲劇としか言えません。
パーカーおじさん論争で、ゴルファーが考えるべきなのは、本当に好きなら好きを貫けば良いだけのことで、年齢などを持ち出されて動揺して過剰反応するのは、オールドほど、ちょっとカッコ悪いという自覚、ではないでしょうか。
ゴルフの特別な魅力の一つは、自らが審判である、ということです。審判として自信を持って、ジャッジできるように、余計な情報はカットして、シンプルに考えるように普段から訓練するのもゴルフの内です。
年寄り扱いされてムッとするのではなく、先輩としてリスペクトしてもらえる立ち振る舞いをしようと戒めるきっけにするほうが、ゴルフを楽しめる審判として優秀であることは間違いないのです。
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篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。