飛距離1.5番手アップ! やさしく飛ばせるツアーアイアン『スリクソン ZXi4 アイアン』
2024年11月9日発売に発売されたダンロップ『スリクソン ZXi4 アイアン』をロマン派ゴルフ作家がコースに持ち込んで試打! 検証する!
進化したテクノロジーで武装したスリクソン ZXi4 はギャップが魅力!
『スリクソン ZXi4 アイアン』のコピーは“「i-FORGED」により、新素材(ソフトステンレス)をボディに採用した2ピース中空構造で、スリクソン史上最高の打感を実現。シリーズ最大の飛距離性能と寛容性を兼ね備えたZXi4 アイアン。”で、テクノロジーも、アイアンとしての特性もわかりやすいコピーになっている。
最初に注目したのは「i-FORGED」。名称の語源でもある新しいテクノロジーは、圧延材フェースとやわらかい新素材のボディで作られた2ピース中空構造によって、飛距離性能、寛容性能、打感の全てを向上させるという。
ツアーアイアンの条件として、ライ角などの詳細な調整が可能であることを挙げる人も多い。
前モデルでは不可だったが、『スリクソン ZXi4 アイアン』は、やわかい素材でボディを作った結果、ライ角、ロフト角の調整ができるようになった。プラスポイントの進化だといえる。
フェースも進化して、ヒールサイドを薄く、トウサイドを厚くすることと、番手別に溝を最適化させる「スピードグルーブ」を組み合わせて、ミスヒットに強い設計になった。
細かいところだが、中空構造だけではなく、更なる余剰重量の再配分を求めて「ZIPCORE TECHNOLOGY」も採用している。ネックの下部に穴を開けてできた余剰重量とトウにあったウェイトをソールの低い位置に移動することで、低深重心を実現した。
最後に注目したテクノロジーは「TOUR V.T. SOLE」である。ソール形状とバウンス角の最適な設計でインパクト時の抜けの良さを向上させるようだ。
アイアンは見た目も重要で、『スリクソン ZXi4 アイアン』は、マッスルバックに近いセミキャビティに見えるので、レベルが高いと感じた。
打ちやすさとお助け性能に注目しながら、試打ラウンドに突入した。
試打した日は、気温11℃〜19℃で、曇り、微風。
今回試打した『スリクソン ZXi4 アイアン』は、6番〜PWの5本。「Diamana ZXi for IRON カーボンシャフト」のSフレックス。
ボールは打ち慣れていてクラブだけの影響に集中出来る『TOUR B X』を使用した。
やさしく助けるのは当たり前! ZXi4 の本当の顔を見られる資格はあるか?
『スリクソン ZXi4 アイアン』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感/音量は少し控え目、乾いた中高音で少し懐かしい音質。打ち応えは軽くやわらかい、手応えは芯の広さがわかりやすい。
弾道スピン/高弾道。基本ストレート系で、小さい曲げに反応。伸びを抑えた弾道。スピンはやや緩めで、少し前に行く。
飛距離/スタンダードなアイアンより6番〜8番は1.5番手、9番以下は1番手アップ。距離感が作りやすく、使い込むことでもっと良くなる予感。
『スリクソン ZXi4 アイアン』は、オートマチックに打てて、スコアが出やすいアイアンだ。ヘッドスピード40m/sでも、楽勝に使用できた。カーボンシャフトであれば、30台m/sの人も、女性ゴルファーでも十分に使えると感じた。
『スリクソン ZXi4 アイアン』の魅力の一つであるバックビュー(キャディバッグに入っている状態の見栄え)は予想通りで、渋く、難しそうに見えて、とても良い。
実際に打ってみると、ミスヒットを助けてくれる機能は、想定以上だった。そこまでのミスを助けなくとも、というぐらいに寛容性は高く、ミスしても大きく曲がらず、距離のロスも最小限だと感じた。
つまり、見た目は悪魔な雰囲気だが、中身は天使みたいなアイアンが『スリクソン ZXi4 アイアン』なのだ。
シャフトのバリエーションがあるので、その選択によって、色々なタイプのゴルファーに合うスペックになる。お助けアイアンとしての優秀さは間違いないので、そういう意味で賞賛されるべきアイアンである。。
ちょっと見栄を張りたいゴルファーに『スリクソン ZXi4 アイアン』はオススメである。
しかし、『スリクソン ZXi4 アイアン』の本当の魅力は、それだけではないのだ。
いわゆる真芯にキッチリ当てて、ミスをしない腕前の打ち手が使うと、いきなりツアーアイアンとしての本領を発揮する。
スピン性能に緩さはあるものの、距離感の反応の良さは、姉妹アイアンの『スリクソン ZXi5 アイアン』で絶賛したのと同様の性能を感じたし、実際に、試打ラウンドでも何度もその能力を開花させた。
つまり、アイアンが得意な名人を自称するような打ち手が使うと、『スリクソン ZXi4 アイアン』は、スコアが出やすいアイアンとして本当の顔を見せるのである。
ツアーアイアンは、昔と違って、特別なものではなくなってきているのが昨今のトレンドである。『スリクソン ZXi4 アイアン』は、まさに、やさしく誰にでも打てるようなアイアンとしてレベルが高いことを証明した。
そして、裏メニュー的な本当の顔を見せてもくれたのである。
評価は分かれると思うが、個人的には、やさしい天使としてお付き合いしながら腕を磨き、最終的には、本当のバリバリに尖ったツアーアイアンとして使えるようになったという物語を想像できるゴルファーに『スリクソン ZXi4 アイアン』は使って欲しいのである。
竹田麗央、岩井姉妹もこの握り! 右手のフィーリングが活かせる王道グリップ【解説は有村智恵!】
パッティングがどうもしっくりこない。そんな悩みを抱えるあなたのために、パターグリップの握り方を女子プロのグリップ集と...
7番アイアンを3回打ったら何ヤード? 同じ番手を続けて打てばパー5は簡単かも!
パー4やパー5でパーを取るためにはパーオンが必須なのか? いやいやそんなことはない、と言う石井良介。長いホールこそ曲げ...
100切りには、ピッチエンドランをベースにした30ヤードのアプローチが効く!
アプローチでダフリやトップが出ることが多い。シャンクを連発させてグリーン周りを右往左往してしまう。これでは100切りの達...
使い捨てカイロでボールを温めるのって、ルール違反だって知ってた?
冬になるとボールが飛ばなくなりますよね。その原因のひとつに、「ボールが冷えるからだ」と思い込んでいる人もいるようです...
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。