1球200円のウレタン3ピースボールの実力はいかに?

高価格帯のボールはダースで7000円前後、1球約600円。できれば、そうしたボールを使いたいが、なかなかそうもいかない。そんなゴルファーにとって、1球200円のコストコボールは、気になる商品であることは間違いないはず。

2023年にリニューアルされる以前から、コストコのボールは3ピースのウレタンカバーボールだ。ディンプルは338個。商品名は「Kirkland Signature 3-piece Golf Ball V2.0」となっている。コストコの公式サイトの説明では、カバーは柔らかく、ドライバーではスピンが減り、番手が下がるごとにスピンが増えると書かれている。また、耐久性の向上によって長く使えるとのこと。
ディスタンス系かスピン系かでいえば、スピン系。ツアーボールをイメージして開発されたボールなのだろうか。

今回の試打検証では、GARMINのハイグレード弾道測定器・ゴルフシミュレーター「Approach R50」を使用し、ドライバー・アイアン(#7)・ウェッジ(40ヤード)でデータを測定。比較対象には、タイトリストのNEW プロ V1を用意した。掲載する測定結果は、性能差がわかりやすいものをピックアップした。
テスターとして、ゴルフサプリや月刊ゴルフトゥデイの試打企画でお馴染みの高橋良明プロに協力してもらった。

【コストコボールの飛距離性能を調査】

ドライバー/コストコボールの測定結果

ドライバー/NEW プロ V1ボールの測定結果

コストコボール
キャリー/249.1ヤード
トータル/268.8ヤード
ボールスピード/65.6m/s
バックスピン/2459rpm
スマッシュファクター/1.47

NEW プロ V1
キャリー/258.1ヤード
トータル/281.8ヤード
ボールスピード/66.6m/s
バックスピン/1848rpm
スマッシュファクター/1.50

主な測定結果をまとめると上記のような結果となった。試打をした高橋プロはどのような印象を受けたのだろう。

『まず、打感が思っていたよりもやわらかくて驚きました。これなら硬いと感じる人は少ないんじゃないですかね。飛距離ですが、この価格帯のボールとしては十分な数字だと思います。スマッシュファクターも1.47となっていますし、良い数字です。ただ、スピンが少し多くなるのかな、という印象です。NEW プロ V1のほうが、僕にとっては理想的なスピン量で、コストコボールよりも600回転くらい少ないですよね。スマッシュファクターも1.5、さすがプロ V1。でも、このスピン量の差はヘッドスピードが45m/s以上くらいから出てくる差のような気がしますね。コストコボールを選んで使うのは、40m/s前後の一般的なゴルファーが多いでしょうから、気にするようなことではないと思います。1球200円のボールの性能としては、その価格以上の飛びを備えていると言っていいでしょうね』(高橋)

【コストコボールの飛距離とスピン量を調査/アイアン編】

アイアン(#7)/コストコボールの測定結果

アイアン(#7)/NEW プロ V1ボールの測定結果

さて、次は7番アイアンで計測してみた結果を紹介する。

コストコボール
キャリー/146.2ヤード
トータル/154.1ヤード
ボールスピード/48.5m/s
バックスピン/6094rpm
打ち出し角度/23.0度
最高到達点/30.7m
スマッシュファクター/1.34

NEW プロ V1
キャリー/153.1ヤード
トータル/162.4ヤード
ボールスピード/49.3m/s
バックスピン/5288rpm
打ち出し角度/22.8度
最高到達点/31.3m
スマッシュファクター/1.36

『7番アイアンのスピン量としては、コストコボールは十分な数字が出ます。それから、10球とも同じような測定結果になったので、安定感があります。製造誤差みたいなものは感じませんでしたね。これは好印象です。ただ、初速や飛び方を見るとイマイチ飛ばないような印象がありますね。同じヘッドスピードの測定結果があったので、その結果を見ていただければよくわかると思います。キャリーでは7.1ヤード、トータルでは8.3ヤード、プロ V1のほうが飛んでいます。
バックスピン量はコストコボールのほうが、少し多く入っていました。ドライバーでもそうだったので、スピンが入りやすいボールなのかもしれませんね。
ただ、スピン量が多いから、スピン性能はコストコボールのほうがツアーボールよりも優れている、とはなりません。この数値が物語っているのは、プロ V1は速く低く出て高く上がって、飛んで止まるということ。コストコボールは、スピンがかかって上がって止まる、ということです。当然ながらプロ V1のほうが優れています。ですが、コストコボールもアイアンショットにおいて、不十分と思える点はありません。
最後に打感ですが、コストコボールはドライバーで打った時と同様に、硬い感触はありませんでしたが、つぶれ感が多いほうではないですね。やわらかいとまではいきませんが、悪い打感ではありません』(高橋)

【コストコボールの飛距離とスピン量を調査/ウェッジ編】

ウェッジ/コストコボールの測定結果

ウェッジ/NEW プロ V1ボールの測定結果

では、最後にウェッジで試した結果を紹介する。距離は40ヤード前後を打つ形で試打をしてもらった。

コストコボール
キャリー/32.0ヤード
トータル/38.0ヤード
ボールスピード/18.2m/s
バックスピン/6057rpm
打ち出し角度/32.4度
最高到達点/5.4m
スマッシュファクター/0.92

NEW プロ V1
キャリー/35.0ヤード
トータル/40.8ヤード
ボールスピード/19.2m/s
バックスピン/6697rpm
打ち出し角度/31.7度
最高到達点/5.9m
スマッシュファクター/1.00

『安定して5000台後半〜6000回転のスピン量が測定されました。掲載しているスピン量が、最も数値の多かったものですが、十分なスピン量じゃないでしょうか。もちろんツアーボールレベルとはいきませんが、一般的なグリーンでプレーする分にはイメージ通りに止まってくれるでしょう。ただ、やっぱりイメージした距離よりも、少し飛ばないんですよね。プロ V1は40ヤードで止めるつもりで打つと、その通りに飛んで止まってくれます。コストコボールも安定感はあるのですが、ほんの少しイメージと合致しない距離が出ますね。でも、アイアンショットでもそうでしたが、そういうものだと思って使えば問題はないですよね。コストコボールの距離でマネジメントしていけばいいだけですからね。
打感はアイアンショットで一緒で、硬くもなく軟らかくもなくという感じです。この打感は人によって印象が変わるでしょうね。ソフトフィーリングが好みの人は、少し硬く感じるのかもしれません』(高橋)

コストパフォーマンスは最高。200円とは思えない性能

では、最後に1球200円ということを加味して、コストコボールの総合的な評価はどのようなものだったのか聞いてみよう。

『コストパフォーマンスは最高だと思います。200円のボールとは思えないほど良いボールですよ。例えば、スピンが足りなくてキャリーをロスしている人、スピンが入りやすいボールを使いたい人にオススメしたいです。今回、プロ V1との比較だったので、コストコボールの高性能ぶりが霞んでしまったかもしれませんが(笑)、十分な性能を備えたボールだと思っていただいて良いですよ。打感が硬くないのも良いですし、飛び方のバラツキもありません。お買い得なボールだと思います』(高橋)

では、企画段階から気になっていたことなのだが、同じような価格帯の大人気ボール、HONMAの「D1」と比べるとどうなのだろうか聞いてみよう。

『飛距離で選ぶなら間違いなくD1ですね。10ヤード以上変わってくると思います。でも、グリーン周りのスピン性能はコストコボールがちょっとリードしていると思うので、飛びを選ぶか、スピンを選ぶか、という選び方になると思います』

今回、コストコボールの実力を調査してみたわけだが、いかがだっただろうか。気になっていた部分がクリアになったのだとしたら幸いだ。