アプローチとショットに違いはあるの? 「下手投げでピンに届くイメージ」ならアプローチ【中井学のアプローチ】
残り30ヤードから2つで上がる!ショートゲームのコツを中井学がレッスン(16)
アプローチとショットに違いはあるのかな? そんな素朴な疑問を抱いたことはないだろうか。その違いがわかるとアプローチは上達する、そんな気がするのだが…この疑問を解消するため、中井学にわかりやすく解説してもらおう。
写真/相田克己 協力/こだまゴルフクラブ
コックやローテーションを入れずに打てる距離ならアプローチ
新年あけましておめでとうございます。今年もできる限り、みなさんの役に立つ情報をたくさん発信していきますので、よろしくおねがいします。
さて、今回は読者の方からいだいた質問にお答えしたいと思います。質問の要点は「どこまでがショットで、どこからがアプローチなのか?」です。いただいた方によると、半端な距離になった時にイメージ出しや打ち方が決まらないまま打ってショートやオーバーを繰り返してしまうそうです。
そもそもアプローチとはアプローチショットの略なので、アプローチもショットの部類なのですが、私もアマチュア時代に迷ったことがあるので、ご質問の意味はよくわかります。そこで私がとった方法を紹介したいと思います。
まずは、ボールを飛ばすのがスイング、飛ばさないのがアプローチ、という線引きをしました。次に打ち方を客観的に見て、手首を稼働させずに打つ(=コックやローテーションが入らない)のをアプローチと位置付けました。これはパットと同じ打ち方で、リストは使わず肩を縦に動かして打つイメージです。外見上コックが入っているように見えてもそれは惰性で、あくまで自分の感覚を優先します。
当時私は、ロフト54度のウェッジをメインに使っていましたが、その打ち方、つまり“アプローチ”をした場合に50ヤード打つのが限界でした。54度でそれより飛ばすとなるとコックやローテーションが入ってスイングになる。同じウェッジで70~80ヤード打ったら完全にスイングです。
「アプローチは下手投げでボールを放るようなイメージで打つ」と、よく言われますが、後から考えるとこれはある意味的を射ていました。手でボールを投げてピンに近づけるイメージをもった時に、アンダースローで届くならアプローチ、オーバースローでないと届かなければスイングすることになるからです。前者はコックもローテーションも入らず、後者は両方とも入ってきます。
アプローチで寄せる場合、クラブを替えることで距離をコントロールできます。どれだけ飛ぶかはプレーヤーによって違いますが、3本のウェッジでアプローチの限界まで打てば3通りの距離が打てます。各々の番手で振り幅を狭めれば、さらに多彩な距離を打ち分けることもできます。パターと同じ打ち方ですから大きなミスも出ません。
振り返ると、私はこのやり方でアプローチの距離感を作ってきた気がします。質問に対する答えはアンダースローで届けばアプローチ、オーバースローでないと届かなければスイング、となりますが、このイメージは単に両者を線引きするだけでなく、特にアベレージゴルファーの方が距離感を作るのにとても役立ったので、みなさんもウェッジで“アプローチ”した場合の限界距離を把握しておくといいと思います。
レッスン:中井学
なかい・がく/1972年4月14日生まれ、大阪府出身。2003年からプロコーチとして活動し、数多くのツアープロの初優勝に貢献。40歳を過ぎてからプロテスト合格を果たし、トーナメント出場。アマチュアレッスンにも定評があり、YouTubeの「中井学ゴルフチャンネル」では登録者約25万人の実績を持つ。
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