シャフト軸線上に芯があるセンターシャフト。扱いが難しい”敏感パター”だけど直感的に打つ人にはピッタリ?
松山英樹がスコッティ・キャメロンの「009M(マスタフル)ツアープロトタイプ」と呼ばれるモデルのセンターシャフトパターを使用し、面白いようにボールをカップに沈めてザ・セントリーで優勝したことでセンターシャフトパターに注目が集まっている。そこで、改めてセンターシャフトの特性についてクラフトマンでクラブフィッターの小倉勇人氏に解説してもらった。
センターシャフトは手のヒラの感覚がそのままフェースに伝わる“敏感パター”
ザ・セントリーでは長い距離も短い距離もボッコボコとカップインさせていた松山英樹。そんな松山のパットを見て「センターシャフトって簡単なのか」と思ったゴルファーも少なからずいるのではないだろうか。だが、実際にはその逆だと小倉勇人氏は言う。
『センターシャフトは、ゴルフクラブの中で唯一シャフト軸線上に芯があるクラブです。だから、順手でグリップした場合、右打ちの人であれば利き手となる右手のヒラの感覚をそのままフェースに伝えやすいのが特徴です。そのため、感覚を活かして打ちたいという人にとっては、狙ったところに出しやすく、芯に当てやすいと言われています』(小倉)
感覚が活かしやすく、芯に当てやすいのであれば、それはやさしいと言えるのではないだろうか?
『いえいえ、逆です。手のヒラの感覚とフェースの動きが強くリンクしているということは、ちょっとした動きもフェースに伝わってしまうということです。センターシャフトはとても敏感なクラブなのです。車で例えるなら、センターシャフトは操作の難しいマニュアル車のスポーツカーです。だから、緻密なタッチで下りのフックラインに乗せたい、そんな時のプレッシャーによる緊張が、センターシャフトのパターには伝わってしまいます』(小倉)
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ということは、ツアープロのようにストロークが安定しているゴルファーにしか使えないパターなのだろうか。
『使えないということはないですが、思った通りに打つのが難しいということですね。ですが、感覚を伝えやすいということは、“ゴミ箱にゴミを放る時にみたいな感じで、直感的にパットできる人”には合うということです。だから、一般的な型にハマったパッティングをする人とは相性悪いです。そもそもセンターシャフトは、テークバックでフェースが開いて、フォロースイングで閉じるという動きをしないパターです。フェースが開いて閉じるゴルフクラブの基本的な動き、を自分でやらないといけないのです。だから、ストローク技術が優れていて、安定してストロークできる人じゃないと扱いが難しいということです』(小倉)
直感的にパットするという人が、センターシャフトをより上手に扱うためにはどんな工夫があるのだろう。
『まず、手の動きが敏感に伝わってしまうのを抑えるために、クロスハンドグリップにするのがオススメですね。リストの動きが抑えられて、ショルダーストロークで打つしかなないですからね。フェースが開いて閉じようとしないセンターシャフトに対して、機械的なストロークになるショルダーストロークは相性が良いですよ。さらに、右足を引いてクローズスタンスにすれば、より安定感が出ます』(小倉)
ヘッドタイプをマレットになどにすれば、多少はやさしくなるのではないだろうか。
『そうですね。マレットであれば、多少のブレには対応してくれます。スコッティ・キャメロンのPHANTOM X 5sだったり、オデッセイなら2-BALLやAi-ONE SQUARE 2 SQUAREなど、けっこうな数がありますよね』(小倉)
芯に当てやすいとはいえ、色々と気をつけるべきこともあるセンターシャフト。ヘッドを選ぶなら大型マレットにして、打ち方もクローズスタンスでクロスハンドグリップにしたら、ミスを抑えて感覚を活かしたパットができるそうだ。
解説:小倉勇人・おぐら はやと
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。
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