知ってる? ラウンドでプロが普通にやっているのにアマチュアがやっていないこと
石井良介のゴルフ・すべらない話:第59回
ティーイングエリアに立ったら、まずティショットをどこに落とすかを考える。これ普通のことだと思うのだが、プロが見るのはまずグリーンだと言う石井良介。一体どういうことなのだろう? スコアが良くなるコースの見方を石井良介が解説。
プロは「グリーンから逆算」して各ホールの攻略をしている
アマチュアの方はティイングエリアからホールを見て打つエリアを決めてティショットを打ちますが、プロはグリーンの方からホールを見ます。例えばピンポジションがグリーンの右サイドで、フェアウェイの右サイドに大きな木がある場合、右に打つとピンを狙いづらくなります。だだっ広いフェアウェイでも右サイドに打たないと攻めづらいこともあるでしょう。見るべきところは多々ありますが、いずれにしてもティショットはカップの位置を知ることから始まります。なおかつプロは、グリーンを遠目に見た感じで「傾斜が強そうだ」とか「平らっぽい」とか、その程度のことも意識しておきます。これだけでも攻め方が変わると思います。
避けたいのは、ボールのところに行ってみて初めて、まずい状況になっていると気づくこと。これはもう打つ前のミスです。もっとも、そうなることがわかっていてそこに打ってしまったのなら仕方ありません。ゴルフはそんなに思い通りにはいきませんからね。その場合には、そこからどう対応するか考えればいいのですが、行ってみては初めて「やっちゃった!」となるのは完全に準備不足、いわば自業自得ですから、打つ前にもっと情報収集が必要です。
欲を言えば「2打目は○番で打つ」くらいまで想定したおきいところ。ラウンドしたことがあるコースになるかもしれませんが、ドライバーだと2打目が左足下りになるからティショットはUTで刻むなど、残す距離ではなくグリーンを狙う場合のライを考えてゴルフができるようになるとレベルが上がってくると思います。
フェアウェイからグリーンが見えるところまでくれば、グリーンのどちらから上りか、あるいは下りかはわかるわけですから、2打目の段階でどこからパットを打つかも想定しておきたい。こう言うと「やってもそこに打てない」と言う人が多いですが、やらないければできるようにはなりません。はじめは誰しも、考えた方に球が飛んでくれればめっけもん。やろうと思ってやっているうちにできるようになるのです。
ちなみに、一般的には上りのラインが残るように打つ、あるいは得意なラインを残すように意識する、などと言いますが、これも絶対ではありません。実際、僕は上りが異様に重いコーライグリーンだった時に、キャディさんに下りの順目になるラインを聞いてひたすらそこに打ち続けました。その方が普段のタッチで打てたんです。
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また、プロはスタート前や前日に天気予報を見て風向きを頭に入れておきます。予報では北東の風3メートルとか教えてくれています。ゴルフ場の中で風がぶつかり、若干向きが変わることはありますが、エリア全体の大きな風向きは、よほど天候の急変でもない限り大きく変わりませんから、ゴルフ場のホールマップがあれば、そこに大きな風向きを書き込んでおきます。
こうしておくとコース内で風の判断を迷った時に、大きな風向きをベースに判断できます。ここにこの木があるから跳ね返っているとか、キャディさんがいれば谷があるせいで風が回っているなど別の情報が手に入るかもしれません。プロはそういうことを普通にやっています。トーナメントならキャディさんがやっているはずで、それで2~3ストロークは変わってくると思います。湿度が高いか低いかも見ておいた方がいいかもしれません。湿度が低ければボールが飛び、高いと飛びません。
さらに、アマチュアの方はピンまで120ヤードだったらPWや9番といったように、距離で番手を選びますが、まずライで番手を選ぶようにしなければいけません。グリーンに届くかどうかは二の次で、どのクラブで打てる状況なのか判断することが先決。例えばラフでもボールが浮いているのか、沈んでいるのか、その中間なのかによって、プロでもグリーンに届かないクラブを使うことがあります。アマチュアの方はこういう場面で無理をしてチョロ、みたいなことが往々にしてあります。これはあくまで状況判断なので、今回のテーマにはそぐわないと思ったのですが、アマチュアの方は意外とできていないということなのであえて紹介しました。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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