ドライバーの平均飛距離が約10ヤードアップ! 蛭田みな美は『グリップエンドを体から離さない』
教えて下さい! 飛ばしのヒント 進化する女子ツアーの技術!蛭田みな美
JLPGAツアーで活躍する女子プロたちから飛ばしのヒントを教えてもらうシリーズの“トリ”を飾るのは、ドライバーの飛距離が2年で約10ヤードアップしたという蛭田みな美。何をしたら、10ヤードも飛距離が伸びたのか? その秘訣を教えてもらおう。
撮影/相田克己、圓岡紀夫、Getty images
ゴルフトゥデイ本誌No.632より
丹田に力を入れて構え、左ワキを締めたまま振り抜きます!(蛭田)
120%の力を一瞬で発揮するつもりでスイング
22年は236.50ヤードだったドライバーの平均飛距離が24年は246.91ヤードと、ここ2年で約10ヤード伸びた。その結果、パーオン率も22年の69.4084から72.4138と大きくアップしたことで、キャリアハイの賞金ランク20位入りにつながった。飛距離アップの理由はトレーニングにあった。
「瞬発系のトレーニングです。重いものを一気に持ち上げたり、ジャンプ系の動きを行いました」。ジャンプ系なら、どれだけ真上に跳べるのかを計測するわけだが、あくまでも1回勝負にこだわった。「その1回にどれだけ集中できるかが大切なんです」。一瞬に力を集中することで、ボールにパワーを伝えられるというわけだ。
野球のバットを模した素振り用の練習器具も使ったが、そこでも一瞬でパワーを出すことだけを考えて振っていたという。「何回も振るのではなく、1回の素振りで120%の力を出して振ります」。その結果、スイングの出力が上がり、飛距離が伸びたという。
もちろん、トレーニングだけではなく、スイングにも多少のアレンジを加えている。アドレスでは重心位置を低めにして、スタンスを多少広めに。バックスイングでは右足股関節に上体をしっかり乗せ、丹田(ヘソの少し下のあたり)に力を入れてからダウンスイングを行うようにしている。ただ、ヘッドスピードを上げるには、フォロースルーが重要だ。クラブヘッドと一緒にグリップエンドまで目標方向に動いてしまうと、ヘッドスピードは上がらない。
「グリップエンドが体から離れないことを意識していますが、そのために左ワキを閉めたまま振り抜くように心がけています」。体が目標方向に突っ込まなければ、グリップエンドは体から離れずに済む。
インパクトでは最大のパワーをボールに伝えるため一瞬に力を集中するのが蛭田流!
キャリアハイの賞金ランクトップ20入り!
蛭田みな美
(ひるた・みなみ)Minami Hiruta
1997年7月15日生まれ、福島県出身。24年は優勝こそなかったものの、ドライバーの平均飛距離、パーオン率など主要スタッツで自己最高の数字をマーク。賞金ランクも自身初となるトップ20入りを果たしている。ユアサ商事所属。