好調の要因は左足体重でさらに軸がズレなくなった
軸を左にしたことで安定したフェードに
そもそも松山選手は、すごくスイングの軸が安定している選手。その安定感はPGAツアーでもトップクラスです。、2024年のスイングを見てもバックスイングで軸が右に動いたり、ダウンスイングで左に動いたりする動きは一切ありません。また、過度に地面反力を使うタイプではないので上下に重心が動きすぎることもありません。、上下左右にズレないスイングができるからこそ、10年以上もPGAツアーでトップ選手として活躍できていると思います。
それが2025年の最新スイングを見ると、さらに軸がズレなくなっていました。2024年までは左右の足を5対5くらいのバランスで構えてしていましたが、2025年になると少し左足体重になっていて、左足6対右足4くらいの体重配分のスタンスになっています。スイング中の軸は左足側に寄っていて、左股関節を支点にしながら上半身がスムーズに回っています。アイアンショットのスイングに近いスイングとも言えます。
松山選手は典型的なフェードヒッターということもあり、ダウンスイングの軌道はゆるやかなアウトサイド・インです。左に軸があることでバックスイングで右足体重になりすぎない。本人も右足に体重が残るのは感覚的に嫌だと思います。逆にドローヒッターの場合は右足に少し体重を残して打つ選手もいます。
開幕戦の事前インタビューで松山選手は「(スイングもパッティングも)今年は今までやってこなかったことをやるつもりです」と言っていましたが、このアドレスはその1つかもしれません。
2024年も上下左右に安定していたけれど、2025年は左股関節の上でスムーズに回転!
2024年の松山英樹・ドライバースイング
2025年の松山英樹・ドライバースイング
下半身は左足体重にしつつ上半身は右足前で叩くイメージ! だから胸が開かずにつかまったフェードが打てる
フェードヒッターだけど極端なアウトサイド・インではない
フェードヒッターが最も嫌がるのが、フェースが開いて当たるコスリ球です。松山選手はフェードヒッターですが、常につかまったボールを打てるのも強さの秘密です。ボールをつかまえることができる要因は上半身にあります。
2025年のスイングは下半身がやや左足体重になっていますが、上半身の動きは昨年までと同様に右サイドでボールを叩くカタチになっています。もし上半身まで左サイドで打とうとすると体の開きが早くなってしまうのですが、松山選手は上半身を右に残しているので絶対に体が開きません。連続写真を見るとハーフウェイダウン(写真06)からフォローまでずっと右斜め後ろを見ながらヘッドを返しているので、ボールをつかまえることができます。右足の前にヘッドを落としてボールを打つ感じは全盛期のジャンボ尾崎さんにも似ています。
FWキープ率75%の要因はどこに?
もう一つ良くなったポイントが背中の丸みです。アドレスでは肩甲骨から首にかけてナチュラルに丸くなっています。これは肩甲骨が低いポジションにある証拠です。ダウンスイングでも背中の丸みを残しつつ前傾角度をキープしているので、体が起き上がったりすることはありません。(写真06)
シャフトの軌道を見ると切り返し(写真05)からインパクト(写真07)で綺麗に180度のラインに沿って動いています。開幕戦では4日間のフェアウェイキープ率が75%と安定感抜群でしたが、この軌道で打てれば、再現性の高いスイングになるのは当然でしょう。
昨年よりもアドレスで背中が丸くなった!?
決して猫背になっているわけではなく、肩甲骨が低くなっているので肩周りから首のラインだけが丸くなっている。
右足を蹴っても腰のラインは平行
ダウンスイングでは右足を蹴っても右腰の高さが変わらないので、軸が斜めに傾いたりしない。
右を向いているから体が開かない
顔の向きはボールよりもさらに後ろ(右側)を向いているので絶対に体が開くことはない。体の開きが早いタイプはインパクト前に顔が目標方向を向いている。
解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。


