本当に左手首の掌屈が必要なのはトップではなくインパクト

掌屈とは手首を手のひら側に折る動き、あるいは折れた状態を指します。反対に手首が甲側に折れる動きや折れた状態を背屈と言います。

昨今はトップで左手が掌屈しているかどうかをスイング作りのポイントにしているアマチュアの方が多いようです。トップで左手首が背屈しているのはフェースが開いているあかし。そのままダウンスイングすればインパクトでも開いたままの可能性があります。

その点、掌屈しておけば少なくともトップではフェースが開きません。「トップで左手を掌屈させておけば、切り返し以降でフェースが開いて下りない」と考えて実践している方が多いと思います。でも、それでもうまくヒットできない人がいます。もしあなたがそうなら、そこまでトップの掌屈にこだわる必要はないかもしれません。

そもそも、なぜ左手の掌屈が取り沙汰されるのかといえば、インパクトで左手首が掌屈するからです。例えばスクエアグリップの場合、アドレス時の左手首には通常角度がついていますが、これがインパクトになると掌屈側に20~30度折れます。これがボールを押せる形だからです。右手の背屈が強まるのに伴って左手首が掌屈するわけです。

つまり、本当に大事なのはインパクトで左手首が掌屈すること。極端な言い方をすれば、右手の背屈と左手の掌屈の組み合わせでインパクトできていれば、トップで左手首が掌屈していなくてもいい。切り返しからダウンスイングの後半で掌屈し、その延長でインパクトできればOKなんです。プロもみんながトップで掌屈しているわけではなく、バックスイングで作る人がトップで掌屈しているだけです。

その場合、ハーフウェーダウンでフェースがスクエアになっているかが指標になります。スクエアになっていれば、スイングのどのプロセスでも掌屈は意識しなくて大丈夫です。逆にここでフェースが開いていている人は、バックスイングやトップで意図的に掌屈してみてもいいと思います。

インパクト時の左手の掌屈は右手の背屈との組み合わせで成されますから、ストロンググリップやウィークグリップなど、握り方によっても掌屈の度合いが変わります。アドレスで左手の背屈が大きいストロンググリップなら、プレーヤーによってはインパクトで掌屈しているように見えないかもしれません。また、ウィークに握っているプレーヤーの中には、最初から掌屈しているように見える人もいます。いずれにしても、左手の掌屈を意識した方がいい人は、ハーフウェーダウンでフェースが開いている人と考えればいいでしょう。



勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」

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勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。