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コースに張り巡らせたケーブルは30km! 開幕戦「ダイキンオーキッド」で見たJLPGAの本気度
有線で撮影するカメラマンの雄姿を見ただろうか?(写真/森伊知郎)
日本女子ツアーは1週間のオープンウィークを挟み、21日からシーズン2戦目の「Vポイント×SMBCレディス」が開催される。2週前の開幕戦「ダイキンオーキッド」では、長時間のライブ配信で日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の今シーズンにかける並々ならぬ意気込みが見て取れた。
U-NEXTのライブ配信は、4日間合計で26時間!
日本女子ツアーの試合は、ネットでは今年からJLPGAとパートナーシップを結んだU―NEXTが独占で行うことになりました。
その初戦となった「ダイキン」では、予選ラウンドは第1組のスタートから。
決勝ラウンドは最終組のホールアウトまでライブでカバー。4日間トータルの配信時間は約26時間にもなりました。
テレビ中継ではカバーするのは終盤の4~5ホール、ということが多いですが、「ダイキン」の配信では18ホール全てがカバーされました。
使われたカメラは8台。展開によってカートでコース内を動き回るため、機動力や利便性からするとワイヤレスのカメラを使うのが効率的です。
とはいえシーズン初戦の長時間のライブ配信で、万が一にも電波状態の不良で映像が途切れてしまうという「事故」は絶対にあってはならない。
開催コースの琉球ゴルフ倶楽部は海に近く、電波を遮るような“山”のような地形はほぼありません。
それでもティショットとグリーン以外は、選手がどこから打つかは予想し切れないので、電波状態はその場にならないとわからない、ということが多々あり得ます。
勝負が佳境に入ったところで電波が途切れてしまった…とならないためには、やはり有線の放送用ケーブルをカメラに繋ぐのがベストです。
そこでコース内になんと合計で約30キロもの長さになる放送用ケーブルを張り巡らせたのです。
コース内にケーブルを30キロ張り巡らせた!
琉球GCのホームページによればコースの面積は168万平方メートル(51万坪)。東京ドーム約36個分にも相当する広さです。
大会で使わない9ホールと合わせて27ホールあるので、ケーブルを敷く場所はこれよりは少なくなりますが、それでもとんでもない広さです。
さらにプロスポーツを日常的に開催するスタジアムやアリーナと違い、そのためにあらかじめ設けられた設備はないですから、準備に3日。撤収にも2日間かかったほどだそうです。 費用もかさんだことは想像に難くありませんが、これぞ新シーズンに臨むJLPGAの意気込み、本気度の表れといえるでしょう。
若手が飛び出し、実力者が勝った大会をフルカバー
大会は菅楓華、吉田鈴にアマチュアの吉崎マーナといった若い選手が初日から上位争いしました。
最後は岩井千怜が貫禄の勝利を収め、申ジエが生涯獲得賞金の記録を更新という名場面の連続に会場のギャラリーからは沖縄名物の指笛が何度も鳴らされました。
こうしたシーンを配信を通して長時間堪能した人も多いはずです。
その映像を伝えたカメラはワイヤレスも何台かいましたが、基本的にはカメラにアシスタントが付いてケーブルを伸ばしたり、器用に丸めたり。
ひと通りのプレーが終わるとケーブルを切り離して、別のホールのケーブルに接続して映像を撮る、という作業を繰り返していました。
「JLPGA公式配信」の名にかけて、テレビ放送と同じクオリティを提供
「JLPGA公式インターネット配信」の“看板”を掲げるからには、最高レベルのコンテンツを提供する。テレビでそのまま放送できるレベルの質の映像を作ってファンに届けるための手段が、長さ30キロものケーブルを張り巡らせることでした。
そのためにベストの準備をしたからこそ、選手たちが熱いプレーで応えたのかもしれませんね。
(2025年3月21日10時40分 一部記事を修正致しました。)
(文・森伊知郎)

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