PGAツアーでは60グラム台のシャフトが主流になった
ヘッドのMOIにルールの規制(上限値/5900g・㎠)があるくらい、大きなMOIに優位性があるのはR&Aも認めているところでしょう。ドライバーのヘッド体積は460㏄のフルサイズが主流になって、そのフルサイズのヘッドでMOIがどんどん大きくなっています。
VENTUS BLACK 6Sを使用するロリー・マキロイ。
それによってどういう変化が起こっているかというと、PGAツアーの選手たちが使っているドライバーのシャフトの重量帯は、60グラム台が主流になりました。300ヤード以上、飛ばす選手たちのシャフトは60グラム台が主流で、それ以上の重量帯のシャフトを使ってる選手って、おそらく全体の中で2割いかないくらいなんです。
それから、国内で販売されているドライバーの標準モデルは50グラム台が主流で、その次に多いのが40グラム台。60グラム台っていうのは、どちらかというと選択をしてそこにするから少なくなっている、くらいのイメージです。
このように、ドライバーの進化とともにシャフトの軽量化が起こってきました。そういう面を見ると、MOIが大きいヘッドとシャフトの軽量化がセットになってきたと言えるでしょう。
ヘッドスピードの低下を補うための軽量化
ナゼそういう現象が起こってきたかをお話ししましょう。ヘッドのMOIが大きくなると何が起こるかというと、ヘッドスピードが遅くなりやすいんです。
実際に、MOIが上下・左右の合計で1万(g・㎠)を超えるモデルがけっこう出ていますが、それをボクくらいの力のゴルファーが打つと、HSが少し下がることによってボールスピードがだいたい2m/sくらい落ちるんです。MOIが大きくなったぶん球が曲がりづらいので平均飛距離は変わりませんが、最大飛距離はちょっと落ちる傾向に。それを補うために、軽量化したりして速く振れるようにする工夫というのが、純正シャフトでは行われています。
もともとの筋力的なことだったりスイング的なところで、MOIが合計で8000(g・㎠)を超えるような大きさのヘッドを使っても、HSやボールスピードが落ちてない人は良いでしょう。しかし、そこが落ちてしまったと感じる人は、シャフトの軽量化だったり、ヘッド自体の軽量化とかも考えてMOIを下げる工夫をしてもいいんじゃないでしょうか。
MOIを少し抑えたモデルを選んだり、ウェイトを入れ替えたり
各メーカーから出ているドライバーは、大MOIのモデルだけじゃありません。例えば、テーラーメイドには「MAX」もあれば「スタンダードモデル」もあるし、ピンには「10K」もあれば「MAX」もある。軽量モデルをラインナップしているメーカーも少なくありません。そういった“兄弟モデル”の中で、MOIをちょっと抑えたモデルを選ぶという方法もあります。
そもそもMOIが大きいヘッドを買ってしまった人は、ヘッドを軽量化するとMOIは勝手に落ちるもの。別売りのウェイトなどに入れ替えて、ヘッド重量を少し軽くしてもいいんじゃないでしょうか。ヘッド重量が200グラムくらいの重いヘッドを、ウェイトを外すなどして190グラム台後半にするだけでも変わりますよ。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。







