岩井千玲は完全な1軸でアイアンに近いダウンスイングだから飛んで曲がらない!!

アイアンに近い軌道だから「直ドラ」が打てる

一番の特徴はスイングの軸を横にも斜めにもしないで、完全な1軸で打っていることです。女子ツアーの選手だとあえて軸を横に動かしたり、少し斜めにしてアッパー軌道で打つことによって飛距離を稼ぐ選手もいます。しかし、岩井千怜はずっと背骨が真っすぐになっています。左右に体重や軸を移動させるのではなく、体の回転で打つ効率が良いスイングです。

ダウンスイングの軌道はドライバーというよりもアイアンに近いです。下半身の余計な動きを抑えて、クラブが静かに下りてきています。余計なタメを作っていません。どちらかと言えば飛距離よりも方向性を重視するためにあえてアイアンタイプのスイングをしているのでしょう。このスイングだからこそ、試合で「直ドラ」が打てるのです。

アマチュアの人に参考にしてほしいのは腰のラインです。ハーフウェイダウン付近からフォローまで(写真04、05、06)、腰のラインが地面と平行になっていて全く傾いていません。右腰が下がるとダフり、左腰が上がりすぎると伸び上がったスイングになってしまいます。岩井千怜のように腰をレベルにして、体を回すスイングができれば飛んで・曲がらないドライバーに近づきます。

背中の軸が傾かない

腰のラインが平行のまま

回転スピードで飛ばす

一度、手元を下げることでインパクトとアドレスで手元が同じところに!!

インパクトの方がプロでも手元が高くなる

昔から「インパクトはアドレスの再現」といいますが、プロゴルファーでもほとんどの選手はインパクトのほうが手元が高くなり、ハンドアップしています。タテ方向の蹴り上げを使うタイプのプレーヤーが多いので自然と手元は高くなるのです。しかし岩井選手のように回転で打つタイプは手元の高さがアドレスとほとんど変わらず、アドレスに近い形でボールを打っています。この姿勢で打てれば再現性が高くなるでしょう。

岩井選手のスイングを見ると、バックスイング(写真02、03)では一度、アドレスよりも手元を低くします。手元を低くすることでヘッドが高くなるので、自然とコッキングができます。どちらかと言えばアーリーコック系のスイングです。早めにコッキングを完成させることによってスイングプレーンから外れないコンパクトな軌道になります。

そしてダウンスイングでは手元の形を変えないまま体の動きに合わせて自然にリリースしています。手だけでリリースしたり、体だけ先に動くことなく、腕と体が連動しています。腕と体が連動していることによってインパクトではアドレスと同じ位置に手元が戻ってくるのです。

アーリーコックでコンパクトな軌道

ヒザはほとんど曲げず高重心なアドレス


岩井千玲(いわい・ちさと)/2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。2022年に2週連続優勝を飾り、2023年も年間2勝、2024年は年間3勝、そして2025年も国内ツアー開幕戦で優勝。今季から双子の姉・明愛とともに米国ツアーに参戦。Honda所属。

解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。