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90切りが目標ならラフの対処も万全に! 春の多種多様なラフは必ず素振りをして芝の抵抗をチェック!

スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第13回

2025/05/01 ゴルフトゥデイ 編集部

ラフといえば夏のイメージだが、新芽が出てくる春のラフにも要注意。それぞれの特性を理解し、ラフからでもピタリと寄せる方法を学ぼう。

GOLF TODAY本誌 No.635/104~107ページより
取材・構成・文/小山俊正  撮影/相田克己  取材協力/葛城ゴルフ倶楽部

春ラフにヤラレないための3つの極意

インパクトの感触やヘッドの抜け具合を素振りでつかむ

一般的な日本芝のラフの場合、夏は芝の密度が増して長く深くなり、より大きなパワーが必要になりますが、春も油断できません。やさしく見えても芝が生え揃っていないため、インパクトでの芝の抵抗やボールのコロがりが読みにくい。距離感を合わせるのは春のラフのほうが難しい、というのが私の経験則です。

ラフは多種多様で、毎回ライが変わるので、私は必ず素振りをして、芝の抵抗をチェックします。ボールの周辺で同じようなライを探して、素振りをすることが大切。こうしてインパクトの感触やヘッドの抜け具合をつかみます。芝の長さだけでなくボールの下に空間があるかなどライを正確に見極めることが大事です。

また、フェアウェイと違い、ラフはボールをクリーンに打つことができません。エネルギーロスによって飛ばなくなるぶん、振り幅を大きくする、スイングスピードを上げる、インパクトを強くする、といった方法でそのロスを補いましょう。

極意1 素振りでライの確認!

素振りはラフの状態がわかる絶好の機会。この簡単な方法を取り入れることで寄る確率が高くなる。芝の密度や長さ、芝目の向きが同じようなライを探して、素振りを行う。ライが大きく異なる所で素振りをしても意味がないので注意しよう。

春ラフは距離感を合わせにくい
野芝や高麗芝といった暖地型の日本芝は、冬は休眠し、春になると新芽とともに穂が生えてくる。その茎の部分は硬く、若葉の葉っぱも硬め。しかも芝が生え揃っていないため、距離感を合わせにくい。一方、夏は芝が育って密度が増し、長くて深いラフになる。芝の抵抗はより大きくなるが、刈って芝の高さが揃っている所はある程度の計算ができるため、ライの見極めが重要なポイントになる。

ラフからは飛距離が出にくく、スピンがかかりにくくなる

ラフ
ラフはインパクトでフェースとボールの間に芝がはさまり、芝の抵抗とエネルギーロスによってボールが飛ばなくなる。バックスピンもかからなくなるため、どのような球筋で寄せるのかを事前にしっかりイメージしよう。

芝の抵抗によるエネルギーロスを補う方法

・振り幅を大きくする
・スイングスピードを上げる
・インパクトを強くする


いずれかの方法を状況に応じて選択する。振り幅を大きくするのが一番簡単でミスをしにくい。深いラフなどは組み合わせてもOK。

低い球は鋭角に、高い球は鈍角にヘッドを落とす

春のラフも夏のラフも、「順目」の時は通常の打ち方で対応できます。深いラフを除けば、ヘッドを多少手前から入れても、人工芝のマットのようにソールが滑ってくれるので、ラン(コロがり)が増える点を考慮しながらピンに寄せていきましょう。

問題なのは「逆目」のケースです。エネルギーロスが大きくなるぶん、スイングにアレンジを加える必要があります。前述の方法でそのロスを補うことが鉄則。グリーンエッジとピンまでのそれぞれの距離や、上りか下りかなど、状況を的確に判断して打つ球筋を決めます。

私の選択肢は大きく二つ。一つは、低い球でコロがします。ボールを右足寄りに置き、ハンドファーストに構えたら、ヘッドをできるだけ上から入れます。より鋭角な入射角を作ることがポイントで、「打って終わり」のつもりでスイングします。

もう一つは、高く上げて寄せます。ボールの位置は真ん中か、やや左に。ウェッジのフェースを開き、オープンスタンスに構えます。そして、手首を柔らかく使いながら大きく振り抜くことがポイント。バンカーショットに近いイメージです。

ラフは、私たちプロでも実際に打ってみないとどうなるかわかりません。狙った距離や方向を100%実現することは困難なので、ターゲットに幅を持たせたりしてリスクマネジメントをすることが大切です。

極意2 低い球はボールを右に置いて打って終わりのイメージ

ラフ

低い球は右足の前にボールを置くことが基本だが、ラフが深い時やより低い球でコロがす時は、右足の外側にボールをセット。フェースは開かずに目標に向ける。

  • ラフ
  • ラフ

バックスイングでコックを使い、ヘッドをできるだけ上から入れて芝の抵抗を減らす。ボールを右に置くほど、クラブの入射角は鋭角になる。アドレス時のシャフトの傾きをインパクトで再現。無理に振り抜かずフォローは惰性でOK。

極意3 フェースを開いてゆったり大きく振り抜く!

ラフ

状況に応じてウェッジのフェースを開き、オープンスタンスに構える。ボールの下に空間があるとだるま落としのミスが出るので、ライをしっかり見極めよう。

  • ラフ
  • ラフ

バンカーショットでボールと砂を一緒に飛ばすように、ボールと芝を打つ。入射角はやや鈍角になるが、意図的に作る必要はない。スイングの最下点を意識しながらヘッドを走らせる。

藤田寛之

藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。

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