「本当にスコアが良くなるんですか?」半信半疑でフィッティング体験スタート
フィッティングに参加したのは、奥村慶秀さんと谷口隆俊さん。ともにボールに対するこだわりはなく、何となく使っているということ。「自分にとって適正なボールに変えたらゴルフが変わる」という主張に食指を動かされてこの企画に応募してくれた。フィッティングは座学、実打によるデータ計測、ラウンドの順に進行。さっそくその様子を覗いてみよう。
アマチュアテスターはこんなゴルファー
奥村慶秀さん(写真左)
ゴルフ歴27年の55歳。年間ラウンド数は20前後で平均スコアは85。飛距離安定性を買ってタイトリスト・プロV1を使っているが定まっているわけではない。
谷口隆俊さん(写真右)
ゴルフ歴6年の38歳。年間ラウンド数は10前後で平均スコアは95。よく使うボールはスリクソンのトライスターでハードな打感がお気に入り。
ボールフィッティングで使われるのはプロV1とプロV1x
プロV1はどんなボール?
スコアアップを目指すすべてのプレーヤーに卓越したトータルパフォーマンスを提供するボール。中弾道でロングゲームではスピン量を抑え、ショートゲームでは優れたスピンコントロール性能を発揮する。ソフトな打感を好むプレーヤーにおすすめ。(写真左)
プロV1xはどんなボール?
飛距離の最大化とグリーンでしっかりボールが止まる性能が共存するトータルパフォーマンスボール。ロングゲームでスピン量を抑え、ショートゲームでは高いスピンコントロール性能を発揮するが、弾道はプロV1より高め。ソフトながらも芯を感じる打感を好むプレーヤーに向く。(写真右)
STEP1 座学
ボールは全クラブでパフォーマンスを発揮できなければいけない
通常のボールフィッティングでは問診シートに必要事項を記入後、フィッティングスペシャリストによるヒアリングが行われるが、今回は特別に座学の場が設けられ、スペシャリストの向井伸吾さんからレクチャーを受けた。そのポイントは以下の3つ。
1 ボールの重要性
2 正しいボールの選び方
3 ボールに対する誤解
1については、ゴルフに熱心な人でも同じボールを使わず、ボールでスコアが変わると考え実践しているのは20%程度、という話を皮切りに、ボール性能の違いがスコアに反映されることを独自のデータをもとに解説。特にグリーンに向かって打つスコアリングショットにおいてそれが顕著に出る、という件に2人とも熱心に耳を傾けた。
2で大事なのは、いかに早くグリーンをとらえるか、さらにピンの近くに止められるか。この2点に着目することがボール選びのキモになるということ。そもそもボールは、全クラブでパフォーマンスを発揮できるように作られていなければならない。これをトータルパフォーマンスと呼ぶが、要は14本のクラブに合ったスピン量になるボールを選ぶべきであると伝授された。
3では、トータルパフォーマンスの高いボールはクラブに合ったスピン量になるという事実をもとに、アマチュアの多くがボール選びの拠り所にしているヘッドスピードに言及。「フィッティングをすると9割の女性がプロV1xになりますが、お客様は決まって“それ、私が使えないボールですよね”と言われます。これはボール選びのイメージが間違っている証拠です」と向井さん。ボール選びにヘッドスピードは関係ないという衝撃の事実が伝えられ2人とも大いに驚いた。
ということで、以下が座学で示唆された結論。
1 ボールは1つに決める
2 トータルパフォーマンスの高いボールを選ぶ
3 ヘッドスピードでボールを選ばない
この3点に基づいてボールフィッティングを進めていくこととなった。
STEP2 実打によるボールフィッティング
ウェッジ、アイアン、ドライバーのデータから適正ボールを絞り込む
実打によるフィッティングは弾道測定器のデータ評価やプレースタイル、嗜好などに基づき、フィッティングスペシャリストが最適なボールを選択していく。使用クラブはウェッジ、7番アイアン、ドライバーの3本。ウェッジからスタートし、数種類のボールに絞り込んだのちアイアンへ。そこでさらに半分程度のモデルに絞り込んでドライバーに移り、最終的に2つをセレクトする。
まずは奥村さんがフィッティング。それぞれのクラブの適正データとして以下が採用された。
ウェッジの測定結果
使用クラブはロフト58度。スピンは7059回転(rpm以下同)で打ち出し角は29度。理想値は前者が5500回転以上、後者が29度前後ということでほぼ問題なし。この段階でプロV1、プロV1x、プロV1xレフトダッシュ、AVXの4種に候補が絞られた。
7番アイアンの測定結果
スピン5231回転、ボールの落下角度50.6度の数値を叩き出したプロV1xがベストフィット。マットから打つとスピン量は減るので、芝なら6000回転前後と推定。理想値は6500~7800回転で、落下角度(理想値は45~55度)ともども適正データが得られた。
ドライバーの測定結果
ベストデータはスピン2258回転、打ち出し角11.3度、落下角度31.4度で、プロV1xで得られたもの。最終候補としてプロV1も試したが弾道がやや低すぎ。プロV1xにしても、もう3度ほど打ち出し角を確保したいところだが、ウェッジ、アイアンによるスコアリングショットとの兼ね合いも考慮するとプロV1xがベストという結論になった。
続いて谷口さんのフィッティング。以下がそれぞれのクラブの適正データとなった。
ウェッジの測定結果
使用クラブのロフトは56度。スピン6493回転、打ち出し角35.1度、落下角度45.7度。スピン量が5500回転以下のボールを排除した結果、奥村さんと同様、プロV1、プロV1x、プロV1xレフトダッシュ、AVXの4種が候補に挙がった。
7番アイアンの測定結果
この段階で絞られたのはプロV1とプロV1x。スピンは前者が6627回転だったのに対し後者は7830回転。芝から打った場合プロV1xは8000回転超えになるということで、打球が上がりすぎるという判断に。落下角度はプロV1でも54.5度とやや大きいが、これは改善の余地あり。
ドライバーの測定結果
アイアン同様プロV1とプロV1xで最終フィッティングした結果、上記のデータが得られたプロV1に決定。打ち出し角、落下角度はプロV1xも僅差だったがスピン量が幾分多めだった。出球がやや高めの谷口さんにはスピンが少なめのプロV1が適正という判断がなされた。
STEP3 ラウンドでボールをテスト
ミスに寛容で打球が止まる! 未体験のボール性能でゴルフが変わることを実感
今回は練習場でフィッティングした後、選んだボールを使ってハーフラウンド。スコアは度外視して使用感、およびショットからパットまで、いかなる効果がもたらされるのかを確かめた。「プロV1は飛び性能に特化したボールではないのに、飛距離アップを意識して使っていたディスタンス系のボールより飛んでいる気がする」とスタートホールのティショットで早くもフィッテイングの効果を実感したのは谷口さん。その後はやや右に曲がるショットもあったが「あの感じで飛び出すといつもならOBですけど残ってくれている」とプロV1の曲がりにくさにも目を見張った。
一方、いろいろな距離からグリーンを狙い、スコアリングショット性能を試していたのは奥村さん。「以前からプロV1は好きで、結構使っているボールでしたが、今回選んでいただいたプロV1xの方が打球が高めですね。そのぶん落下角度がとれるので、ミドルアイアンでも止まってくれます」とのこと。100ヤード強のピッチングウェッジでは、ピン側にピタッと止まるショットまで飛び出して本人も驚き。「プロV1xはスピンが少なめと思っていましたがカン違いでした」と嬉しい誤算に破顔した。
プロV1とプロV1x、違ったモデルを使う2人だが、その性能の高さを共有したのはスコアリングショットの極みとも言えるアプローチ。はじめはおっかなびっくりだったが、打球がピタッと止まるのを見るや思い切って突っ込めるように。百発百中とはいかないまでも、かなりの確率でワンピン以内につくようになった。
プロV1xの奥村さん曰く「出球が幾分高い気がしましたがすぐに慣れましたし、打感も違和感がないので感じがつかみやすかったです」。また、谷口さんは「寄るのも嬉しいですけど、ちょっとトップ目に入った時でもグリーンをオーバーせず、カラーや時にはグリーンに止まってくれていることがあって、それはこれまで使ってきたボールにはなかったことです。アプローチを繰り返すのと、次にパターを持てるのとではスコアが全然変わると思うのでありがたいです」と手応えを感じていた。
打感の影響が一番出るパットについても、ともに問題なし。向井さんによれば「パットはボールのみならず、パターのフェースインサートによる影響も大きく、何より打感の評価は主観的な感覚によるものですから、最終的には好みで選んでいただければいいと思います」とのことだが、打感に影響する打音を聞く限り、プロV1、プロV1xともに硬い感じはゼロ。
プロV1の旧モデルからプロV1xにスイッチした奥村さんも「打感の違いは全くわかりません」ということだった。
ボールがフェースに食いつく感じで適正スピンを実感(奥村さん)
「これまでは感覚だけでボールを選んでいましたが、計測データを出していただいたことで、そのボールを使った方がいい理由が明確になり、納得してボールを使えるようになりました。正直、打っている感じではプロV1とプロV1xの違いはよくわかりませんでしたが、データはわずかに違っていて、ラウンドではその違いも実感することができたと思います」
「特に100~120ヤードのショットや30ヤードくらいからのアプローチでは、ボールがフェースに食いつく感じがあり、これが適正スピンにつながっているのか、打球がしっかり止まってくれました。思い通りの弾道で気持ちよくスピンがかかるところにプロV1xの信頼度の高さを感じましたね。
年齢を考えると、スコア的にあまり上積みはできないかなと思っていましたが、まだまだスコアアップできそう。60歳までの5年間が楽しみになりました。また、向井さんのようなスペシャリストの方から、ボールについての深い話を聞きつつ熱い時間を共有できたことも楽しかったです」
打球の止まり方でボールの違いがよくわかりました(谷口さん)
「フィッティングする前は飛距離やヘッドスピードばかり気にして、それを見てよさそうなボールと判断していましたが、データによって自分の傾向がわかり、それに基づいて適正なボールを教えていただき、おまけに自分がやるべきことまでわかったのは大きな収穫でした。フィッティングしていただいたプロV1はずっといいなと思っていましたが、気のせいじゃないことがわかって成長できそうな気がします」
「ただ、全体的に弾道が高すぎるという結果は、これまで気にしたことがなかったのでちょっと意外でした。ボールでそれが変わるんですから自分に合ったものを使った方がいいですよね。
ラウンドで一番印象に残ったのは、いつもだったら明らかにミスになっているショットやアプローチが、そこまでひどいことにならずに踏みとどまってくれるところ。グリーンを外してもエッジに残ってくれたり、グリーン内に収まってくれることもありました。打球の止まり方を見ると明らかにボールの違いがわかります。僕でもわかるくらいですから誰でも実感できると思います。
プロV1とプロV1xではV1xの方が少し打感が硬いと思いました。これまで使っていたボールとも打感が違いますが、結果がよくなっているので問題ありません。ボールを軸にギアを選べるのはシンプルでいいなと思いました」
タイトリストには「すべてのゴルファーのスコアアップに貢献すること」を目標にした独自の「Green-to-Tee」アプローチと呼ばれるボールフィッティングプログラムがある。これはスコアアップのためにボールができることは何かを重点に置き、正しいゴルフボール選びの手助けをしてくれるというもの。今回の内容とはちょっと違うが、すべてのレベルのゴルファーにフィットするボールをセレクトできるので、ぜひ体験していただきたい。




