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次にアイアンを買う時は スチールシャフトのRも試してみて!

2025/04/29 ゴルフサプリ編集部

アイアンを買う時にスチールシャフトを選択すると、店頭に並んでいるフレックスはSだけ。ドライバーやFW、UTはフレックスを選んで買うのに、アイアンはSでいいの?

ゴルファーの心理とメーカーの販売戦略で フレックスが混乱してしまった

ドライバーもスチールシャフトが主流だった1980年代後半までは、スチールシャフトが装着されたクラブでも、SとRが販売されていた。レディスクラブもフレックスはLだったけれどスチールが主流だった。90年代に入るとゴルフブームが起こり、チタンヘッドとカーボンシャフトが増加。その後、カーボンシャフトの硬さが表示フレックスに対して徐々に軟らかくなっていった。

1999年発売のN.S.PRO 950GH。日本シャフトのwebページで使用されているメインビジュアルは“Rフレックス”

そして、現在ではドライバーからUTまではカーボンシャフトがメイン。アイアンはスチールとカーボンが選択できるようになっているが、スチールの標準仕様は、ほぼSフレックスだけになってしまった。ここで、問題なのがフレックスの基準だ。今のアイアンは、同じモデルでもスチールのSとカーボンのSでは硬さが違っている。


スチールでSとRが普通に選べた80年代でも「ロフトは9度、フレックスはSがカッコいい」という風潮があって、RよりSの販売数量の方が多かった。この風潮は続いていて、今でもSを買うゴルファーが多い。

クラブメーカーも、そんなゴルファーの心理を分かっているので、アベレージゴルファー向けのモデルに使用するシャフトは軟らかめ、アスリート向けモデルに使用するシャフトは硬めなのに、フレックス表示はどちらもS、SR、Rにして、モデル選びを間違えなければ、Sフレックスを買っても使えるようにしているのだが、これが混乱を招いている。


スチールシャフトは昔から製造・販売されているので、ほとんどのスチールシャフトは、昔からの基準を踏襲してフレックスが決められている。ところが、カーボンシャフトはクラブメーカーがアスリート向け、アベレージ向け、シニア向けとシリーズごとにフレックスの基準を変えてしまったために、純正カーボンはスチールより軟らかくなっている。実はこの格差がかなり大きく、振動数を計測すると同じシリーズであってもカーボンシャフトアイアンとスチールシャフトアイアンでは、フレックスが同じでも振動数の数値は、2から3フレックスくらいの差がある。

シャフトのしなりが少ないと振動数は高くなり、しなりが大きいと振動数は低くなる。振動数の違いは、男性がレディスクラブを振った時のことを想像するとわかりやすい。しなりが大きい=振動数が低いとヘッドがなかなか戻ってこないので、ヘッドが戻ってくるのを待って打たないとインパクトでフェースが開いて打球は右に飛びやすい。だからシャフトのしなりに合わせて、ヘッドが戻るのを待ってやさしく振るようになるはずだ。

反対に硬いと感じると、しならせようとして斧で薪を割るような動きが入ってしまうとか、左に飛びやすいのでインパクトで手元を上げてヘッドのトゥ側を下げてフェース面の右に向けるとか、ヘッドが出過ぎないように手元が左に流れるとかいろいろな動きが出る。

硬すぎと軟らかすぎ、どちらがいいのかと言えば、方向性に対する悪影響は軟らかすぎの方が大きく、スイングに対する悪影響は硬すぎる方が大きいと思っている。「ぐにゃぐにゃシャフトの練習器」はあるけれど「カチカチシャフトの練習器」を見かけないのはこのためだろう。

クラブメーカーは標準仕様でスチールのRを用意していないが、シャフトメーカーはRを製造している。

アイアンを購入する時、同じシリーズでドライバーもアイアンも純正のカーボンシャフトをチョイスするならば、ドライバーとアイアンのフレックスを合わせれば問題ない。ドライハーのシャフトはカーボンで、アイアンはスチールを選択する場合は、スチールのSだけではなくRも同時に試打することをオススメする。ピンやミズノのフィッティングを行っているお店ならは、脱着式のヘッドと数多くの試打用シャフトを揃えていることが多いから、Rフレックスのスチールも試打できるはずだ。実際に打ち比べて、SとRのどちらが振りやすいのかを確認するといいだろう。スチールのRフレックス付きは通常生産はされていないものの、ほとんどのクラブメーカーがアップチャージなしでスチールのRを受注生産しているので、基本的にはSと同じ価格で購入できる。

文/大塚賢二(ゴルフギアライター)
1961年生まれ。大手ゴルフクラブメーカーに20年間勤務。商品企画、宣伝販促、広報、プロ担当を歴任。独立後はギアライターとして数多くのギアに関する記事を執筆。有名シャフトメーカーのシャフトフィッターとしての経験も持つ。パーシモンヘッド時代からギアを見続け、クラブの開発から設計、製造に関する知識をも有するギアのスペシャリスト。

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