1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. ヘッドスピードが速いのに飛ばないのはなぜ!? 理由はミート率とのバランスが悪いから

ヘッドスピードが速いのに飛ばないのはなぜ!? 理由はミート率とのバランスが悪いから

吉本巧のゴルフギア教室 第66回

2025/05/10 ゴルフサプリ編集部

インパクト

ヘッドスピードが速いほうが飛ぶ。これは事実だが、ヘッドスピードが速いのに飛ばない人がいる。これには理由があるのです、と吉本巧プロコーチ。一体どんな理由があるのだろう。詳しく解説してもらった。

ヘッドスピード X ミート率 = 飛距離

飛距離アップを図ってヘッドスピードを上げることに余念がないアマチュアの方は多いと思います。確かに飛ばすにはヘッドスピードが必要ですが、それはフェースの芯でボールをとらえる確率(ミート率)がある程度高い場合の話。マン振りしたらプロでもミート率が下がるように、ヘッドスピードを上げるとミート率は下がる傾向にあります。これを理解していただくには、

ヘッドスピード X ミート率 = 飛距離

と考えていただくといいでしょう。ヘッドスピードとミート率、双方の最大値を10とした場合、飛距離は100となります。これがあなたにとってベストな値で、自然条件を除いた状態でのマックスの飛距離になります。

しかし、なかなか100にはなりません。例えば9のヘッドスピードで振ってもミート率が4なら9X4=36。これに対し、ヘッドスピードが7でもミート率が7なら7X7=49となり、ヘッドスピードが遅い後者の方が飛ぶ計算になります。

これは全てのアマチュアゴルファーに言えること。つまり、速く振っても飛ばない人はミート率が低く、ゆっくり振っても飛ぶ人はミート率が高い。今の飛距離に満足していない人は、このバランスがよくないか、クラブが合っていないかのどちらかです。

とはいえ「じゃあクラブを替えよう」というのは早計で、よほどクラブが合っていない人を除けば、ヘッドスピードとミート率のバランスをある程度整えてからでないと、クラブを替えたところで効果がありません。替えたばかりの時は当たるかもしれませんが、すぐ元に戻ってしまいます。

では、どうすればヘッドスピードとミート率のバランスを整えられるのでしょうか? そのヒントを示したのが下のグラフです。

グラフ,ヘッドスピード,ミート率

アマチュアの方、特に中級者レベルのゴルファーの多くはマックスが10割とすると、7〜9割のヘッドスピードでスイングした時に飛距離が最大になる傾向があります。つまり、この範囲にヘッドスピードとミート率が両立するポイントがあるということで、私はこれを「マイピークポイント」と呼んでいます。

マイピークポイントの探し方は簡単です。まず自分にとって10割のヘッドスピードで5〜10球打ち、飛距離と曲がり幅を割り出します。ボールデータを計測できればベストですが、練習場で目測してもいいし、感覚で判断を下しても構いません。

10割のあとは7割のヘッドスピードで同じ球数を打ちます。それができたら8割、9割とヘッドスピードを上げて同じ球数を打ちます。その過程で、それ以上振っても飛距離が伸びなかったり、曲がりが大きくなるところを確認する。そうなる手前がマイピークポイントになります。


繰り返しますが、ヘッドスピードについては自分の感覚で構いませんし、マックスのスイングは10割以上でもOKです。大事なのは、どれくらいの速さで振ったら一番飛ぶのかを把握することです。

10割のスイングはともかく、7〜9割でスイングする場合にどうしたらいいのかわからない人もいると思うので、そのポイントを併記しておきましょう。ポイントは以下の3つです。

1 ダウンスイングでタメを意識しない
2 振り幅を一定にする
3 腰は止めずにゆっくり回す


1についてはヘッドで大きな円弧を描くイメージをもちましょう。アーリーリリースを気にせず、ダウンスイングで左腕とクラブが一直線になるタイミングを早める感じです。

2は言い換えると、純粋にヘッドスピードだけ落とすということ。ヘッドスピードを落とすと振り幅が小さくなってしまう人がいますが、こうなると手打ちになってインパクトが緩みやすくなります。ダウンスイングのスピードを落とすといいでしょう。

3も意味合い的には2と似ていて、ヘッドスピードを落とすのに伴って腰の動きが止まってしまう人がいます。これも手打ちを誘発したり、ダウンスイングで上体が左に倒れたりします。ゆっくり振りますが通常のドライバーショットのように、ボールを右横から押すようなイメージでインパクトすればOKです。

参考までに、この方法を取り入れたアマチュアの方の結果を紹介しておきましょう。いずれも5球打った時のデータです。

スイング=平均飛距離(最大飛距離)
10割=214ヤード(230ヤード)
7割=186ヤード(188ヤード)
8〜9割=227ヤード(238ヤード)

(※端数切り捨て)

この方は8〜9割のスイングがマイピークポイントでしたが、7割の人も、6割の人もいるかもしれません。いずれにして、はじめにマイピークポイントを掴むことが効率よく飛距離アップするカギになります。

吉本巧

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

ヘッドスピード40m/sで25度ユーティリティが170ヤード飛ぶ人のためのUTセッティング

ドライバーのヘッドスピードが40m/sならロフト角25度のユーティリティで170ヤードは飛ばせる。これを基準に前後の番手(ロフ...

あわせて読みたい

「約7割のアマチュアは7番で150ヤード飛びません」データで検証する150ヤードの真実

昔からアマチュアゴルフ界には「7番アイアンで150ヤード」という定説(神話?)がある。しかし、本当に150ヤードも飛んでいる...

あわせて読みたい

ヘッドスピード40m/sならドライバーの最適ロフトは何度!?【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】

クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスをおくるコーナー。ゴルフクラブを買う...

あわせて読みたい

何もしなければヘッドスピードはどんどん落ちていく!? 飛距離を維持するために日常やっておくべきことは?

ヘッドスピードを落とさないようにするためには、ヘッドスピードを定期的に計測すること、ヘッドスピードアップの練習を継続...

あわせて読みたい