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菅沼菜々が「パナソニックオープン」で優勝! 父が語った“スポ根”とは無縁の指導方針

2025/05/04 ゴルフサプリ編集部

菅沼菜々が昨年シード落ちの悔しさを晴らす大きな勝利を挙げた。(写真は2025年パナソニックオープンレディース 撮影/Getty Images)

日本女子ツアー「パナソニックオープンレディース」最終日(4日、千葉・浜野GC)は首位タイから出た菅沼菜々が69で回り、2位に1打差の通算10アンダーで優勝した。幼少期から現在に至るまで二人三脚で菅沼のゴルフを支える父の真一さんが、仰天ともいえる指導方針を語ってくれた。特にジュニアゴルファーの親御さんはご一読を。

「一緒にできれば」が最初のきっかけ

ベストのハンディキャップは5。70台では回る腕前の持ち主でパブリック選手権や日経カップにも挑戦していた真一さんが「一緒にゴルフができればいいな」と思い練習場に連れて行くようになったのは菅沼が5歳ぐらいの時だったそうです。
その頃からの指導方針を聞いてみた所、特にジュニアゴルファーの親御さんには参考になることが満載でした。

菅沼の父・真一さんがジュニアゴルファーの親御さんにとってためになることを教えてくれた。(撮影/森伊知郎)

1・球数は打たない 

「やたらとたくさんボールを打って体を壊してしまったら意味はない」と考えた真一さん。菅沼が小~中学生の頃は1回の練習が60球ということもあったそうです。
「それだけしか打てないとなると、どの番手を何球、どうやって打つと考えるじゃないですか。考えることが大事です」
何百球と打って満足感を得ても、どれだけ身に付いているかを疑問視」 
それよりも1球の質を高める意識を子供の頃から持たせるようにしていました。
60球、というのはサラリーマンでもある自身の経験から「集中力が持つのは60~90分。その時間でできる量」なのだそうです。
「僕は何百球と打たないと不安になってしまう、という考え方ではないので。菜々がこれまで一度に打った球数は最高で250球ぐらいだと思います」というのだから、驚きです。

2・首位に立っても、練習は10球で終了!

その習慣は今も残っているようで、首位に立った前日(2日目)のラウンド後、レンジで打ったのはウェッジ、アイアンとウッドが2球ずつで計6球。それにバンカーが4球で終了でした。

3・ハードなクラブは使わない

高校生以下のジュニアゴルファーはとかくハードスペックなクラブを使いたがるもの。
成長とともにそれなりにハードにはなっていくものですが、特に仲のいい友達がそうやってクラブを替えた時などは「自分も!」となるのは仕方ない心理でしょう。
これも真一さんの「そんなことして体を壊したら意味がない」との考えで、やさしめのスペックを使うようにしていたそうです。

4・練習は素振りだけのことも

調子が悪い時ほど球数が増えてしまうもの。
菅沼親娘にももちろん不調の時期はありましたが、そんな時は練習場に行って、素振りを50~100回だけ、というのを1週間続けたこともあったそうです。
練習場で球を打たないといっても懲罰の意味ではなく、いい球が打てなくて悩むぐらいなら素振りの方が効果的、という考え方。
これはジュニアだけでなく、大人のゴルファーも真似できますね。

5・大事なのは距離感

これは「親娘の距離感」のこと。
「主体的に練習してもらわないとダメだから『行く?』と聞くことはあっても、練習するかしないかを最終的に決めるのは本人でした」。
思春期ですから、父親がベッタリ、を嫌がることもあります。
そんな時は練習に連れて行っても近づかないようにする、といったことをしていたとか。
首根っこ掴んで連れて行って、泣きながら練習、などというスポ根的なエピソードとは無縁です。

6・好きな1曲の間、パット練習

そんな父娘でもジュニア時代から欠かさず続けているのが寝る前のパット練習です。
といっても1時間、100球といった量ではなく「好きな曲がかかっている間、真剣にやりなさい」というものでした。
好きな曲を聴きながらですから気分は上がります。時間にしたら4~5分。どんなに体調が悪くても続けてきました。
この日は最終ホールで決めれば優勝、のパットの待ち時間がかなり長くなりました。
その間、2勝した一昨年から昨年はポイントランキング79位へ急降下。QTも102位に終わって辛かったことを思い出して「泣き出しそうになってしまいました」(菅沼)。
それでも落ち着いて決めることができたのは、ジュニア時代から積み上げてきたことの成果だったのでしょう。

男子ツアー「前澤杯」参戦で「ゴルフが楽しく」

前週は男子ツアー「前澤杯」に参戦しました。
2打目が4~5番手長くなった、予選落ちのない試合での4日間は通算7オーバー(パー70設定なので287ストローク)の89位でしたが「(2勝した)一昨年のようなショットの感覚に戻ってきた感じです」との手ごたえを話していました。
男子選手に合わせてプレーを早くしたことも迷いを断ち切ることに結びつきました。

昨シーズンは「ゴルフが楽しいと思ったことは一度もなく、ゴルフ場にいきたくない、と思ったこともあった」のが一転して「今週(前澤杯)は本当に久しぶりに楽しくできました」。
さらに「来週(パナソニックオープン)もこのままの感じでいって、しっかり上位で争いできれば」とまるで復活Vを予言するようなコメントもしていました。

すっかり覚醒した感のある菅沼の今後に期待です。

(取材・文/森伊知郎)

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