腰痛持ちは腕8割・体2割のスイングで飛ばせ! 手首とヒジを柔らかく使うのがポイント!
オジサンだって、まだまだ飛ばせる! 【人気コーチ・大西翔太のカラダにやさしいドライバーレッスン!】

シニア世代のゴルファーの多くは「カラダが硬くなって回転しづらい」とか「腰や肩が痛い」などの悩みをかかえている。だけど、まだまだカッコよく飛ばしたい! そこで大西翔太コーチがオジサン向けの飛ばしのスイングを親切アドバイス。第1回は腰痛をカバーするコツをお届けしよう。
構成/三代 崇 写真/小林 司 協力/千葉カントリークラブ梅郷コース
目指すはアームローテーション8割のスイング。これなら腕をムチのように振れる!
腰痛持ちの人はカラダの捻転量を抑えて、腕の動きへの依存度を上げるのがオススメ
皆さん、こんにちは。プロコーチの大西翔太です。ボクは青木瀬令奈プロのコーチ兼キャディをつとめていて、その関係でシニア世代のアマチュアゴルファーをコーチする機会もあります。話を訊くと悩みは人それぞれですが、ゴルファーに寄り添ったアドバイスを送るようにしています。
オジサンといわれる世代のゴルファーの多くは腰痛をかかえています。特に多い相談事は「腰痛持ちだけど、ゴルフはできるから、可能な限り飛ばしたい。腰の負担を軽くしつつ、飛ばせる振り方を教えてください」ということです。
ゴルフのスイングは「トランクローテーション=体幹の回転」と「アームローテーション=腕の回旋」があって、この2つをいかに融合させるかが大事なポイントです。そして一番重要なのは両方をバランスよく使うことにあります。
トータルで100とすればプロやアスリートタイプのゴルファーはトランクローテーションの割合が90パーセントで、アームローテーションが10パーセントという人が多いですが、トランクローテーションは腰にかかる負担が結構大きいんです。
飛ばそうとして体幹を捻転させると腰にストレスがかかり、逆に回転が歪んで腰をますます痛めてしまうことになりかねません。



そこでアームローテーションの仕事を80パーセントくらいにしましょう。トランクローテーションは20パーセントです。腰への負担を考慮すれば、腕の動きへの依存度を上げたほうが合理的だと思います。
ただしトータルで100になることが大切で、どっちもキャパオーバーになってはいけません。どっちも使えていないもダメで、インパクトエリアでカラダの回転が止まってフォロースルーで左ヒジが引けてしまうのがその典型です。

両肩と両腕の三角形をなるべく崩さない範囲で手首とヒジを柔軟に使うのがコツ
腕や手への依存度の少ないトランクローテーション型のスイングの場合は、アドレス時の両肩と両腕の三角形をしっかりキープしつつ、背筋や腹筋を絞るイメージでカラダを回転します。
それに対してシニア世代のゴルファー向けのアームローテーション型のスイングは、両肩と両腕の三角形をガッチリとキープする意識はいりません。といってもスイング中に両ワキががら空きになって三角形が完全に崩れてしまうのはNGです。
両ヒジを下に向けて両ワキをほどよく締めた体勢でアドレスし、手首とヒジを柔らかく使ってスイングしましょう。そうすれば両肩と両腕の三角形が大きく崩れてしまうことがなく、しかも腕がしなやかに使えてアームローテーション主体でスイングできるようになります。
腕をムチのように振るというイメージですが、結果的にクラブヘッドの運動量を増やすことができるのです。トランクローテーションの比率は少なくていいので腰を無理に回転せずに、体重移動も少なめに抑えましょう。



飛ばしたい!と思うと右手に力が入って右ヒジや右手首が硬くなり、カラダの軸ブレを起こしやすくなります。そこでクラブを右手だけで持ち、左手で左頬を抑えて右ヒジと右手首を柔らかく使って素振りしましょう。
この素振り練習を繰り返すとカラダの余分な回転を抑制し、右腕をしなやかに振ってクラブヘッドを走らせる感覚がつかめます。
軸ブレをなくすことでアームローテーション主体のスイングのメリットが活きて飛距離アップに直結します。


大西翔太
おにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。

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