なぜこの質問をするのかというと、ゴルフをどのように始めたのか? ということは、実はその後のゴルフに大きな影響を与えることが、だんだんわかってきたからです。

今現在のゴルフの状況が、その始めた時から脈々とつながっており、今の調子の背景になっていることは、ほぼ間違いのないことだと考えています。

極論を言えば、ゴルフを始めた時のクラブだったり、最初に教わった理論だったり、考え方だったりが、ほぼその人のゴルフ人生を決めてしまっている可能性が高いと考えています。

となると、何年もやられている方は、もう取り返しがつかない? となるかもしれませんが、そのこれまでのゴルフ人生を踏まえて、自己分析していくことで、今後どうゴルフに向き合っていったらよいのか? を考えるのはいかがでしょうか?

そうなれば、もしかしたら、さらにゴルフ人生に深みがましたり、楽しみ方が増えたり、もしかしたら今日この場で考え方が改まると、上達への道がさらに開けたりするかもしれないと考えています。
ということで、今回から少し長めになるかもしれませんが、ゴルフ自体のお話を書かせていただけたらと思っています。
もちろん、当方の一番の得意分野である用具の話も随所にちりばめながら。
今しばらく、お付き合いいただけますと嬉しいです。

1.飛ばしから入るゴルフ

ゴルフの最大の魅力の一つと言えるのは、ボールの飛ぶ距離でしょう。他のスポーツとは比較できないほど遠くに飛ばすことができます。野球のホームラン(約100m)より飛ばせる人がほとんどだと思います。
うまく行けば、200m(約220ヤード)以上飛ばすこともできますし、最終的には、400m(約440ヤード)以上先のホールにボールを運ぶことになるわけです。400mといえば、徒歩でも5分くらいかかる距離です。

だからこそ、この飛距離の魅力に取り込まれでゴルフに取り込まれていくのは不思議なことではありません。

ところが、この飛距離は、残念ながら、一つは才能であり、かつ、年齢とともに衰えていくもの。

ゴルフの虜になるきっかけとしては良いですが、ここのこだわりからの卒業ができるかどうかで、ゴルフの楽しみ方は大きく変わってきます

もちろん、だからと言って、全くあきらめなくちゃいけないということではなく、自身のパフォーマンスを出し切ることには徹してほしいです。

それが250ヤードなのか、200ヤードなのかは本当に人それぞれですし、比較するものではないということなんです!

ただ、中肉中背、スポーツ歴の全くない人でも、ドライバーで200ヤードは打てると考えています。
個人差もありますが、通常の生活ができる体があるかぎり、この距離は70歳くらいまでは維持できるものと考えています。そのための努力だったり、準備だったり、考え方まではあきらめないでほしいと考えています。

あきらめて欲しいのは、その先のプラスアルファの飛距離です。
自身が持っている飛距離の能力を把握し、それ以上の結果を求めないことというのが重要になってきます。

この診断はかなり難しいです。
というのも、ゴルフの場合、一発の大飛球というのもあり得るので、どうしても、それを基準にしがちですし、それをどうしても追い求めてしまいます。

簡単な基準がこれ!

簡単な基準としては、自身が心地よく振った時のヘッドスピードを知ることからはじめてみましょう

ここで心地よく振った時!というのがポイントです。

ボールを目の前にすると、どうしても「当てたい!」ということに注力してしまい、出力を落として、合わせようとする動きが入ってしまいスピードは落ちます。
素振りでもいいです。素振りの時のヘッドスピードが、自身の出せる最大のスピードと考えてください。
素振りのように振って、当てることができれば、それが最大の距離ということが認識できます。

この時に、同時に認識してほしいのが、自分が振り切れる「長さ」です。
素振りだけなら、多少長くても!という方もいらっしゃると思うのですが、ここで、上記のヘッドスピードとの兼ね合いが出てきます。
長すぎると振りにくくなって、ヘッドスピードが上がらない方もたくさんいらっしゃいます。
そうなれば、長くするメリットがないですよね!

長さは、比較的「短すぎるな~」と思うくらいがちょうどよいです。

ゴルフクラブの歴史を紐解けば、ドライバーで43インチ以上になったのは、ごくごく最近で、それ以外の時代では、ほぼ43インチ以下が主流でした。
もちろん、シャフトの素材革命によって軽量化に成功し、長くても振り切れるものを作れるようになったことは否めませんが、人間の能力は劇的に変化していません。
そのような考察から、先人の経験則から長く続けられてきた、43インチ限界説には従っても良いのでは?と考えています。

ドライバーを長くするのはデメリット?

そして、これは、この先のクラブのつながりの話にも大いにつながってきます。
やはり、43インチより長いクラブは、どうやっても他のクラブからの流れからは外れやすくなります。
それだけのメリットが得られるので、どうしても長くしがちですが、ゴルフゲームとして考えて行くと、ドライバーの長さを1インチ伸ばすことのデメリットの方が大きい方がほとんどです。

また、もちろん、飛距離が出ることにより、スコアアップにつながるメリットはあります。
ですが、これも、ゴルフ全体を考えて行った際に、アンダーパーを目指す人を除けば、スコアメイクに必要十分な距離は170ヤードくらいです。200ヤード飛べば70台で回ることも可能です。

これは後述しますが、そのくらいまでハードルを下げていただいて大丈夫だと思っています。
ただし、ここで重要なのは、例えば、その200ヤードを目指す際に、効率よく200ヤードが得られているのか?そうではなくて、効率を落として200ヤードになってしまっているのか? になります。

「43インチくらいのドライバーで、効率よくキチンと捉えられていて、その上で200ヤードを維持することを目指す」

これがティショットの飛距離に対して、求められる条件と言えるでしょう。
これは、巷で売っている3Wの条件に近いかもしれませんね。
なので、3Wで飛距離200ヤードが出せない方は、効率が悪いと判断しても良いかもしれません。

それ以上の距離が出る人は、その距離分、ゴルフが有利になると考えてください。
そして、その自信の距離をしっかり把握してください。

麻薬的飛距離はなんで出る?

スライサーがドローを打ってしまうと実力以上に飛んでしまう…

ここで話を戻して、では、それ以上の距離を求めることのデメリットを書かせていただきます。
まず、「飛んでしまった」際の最大距離のお話をしましょう。
これを「飛距離は麻薬的」と呼んだりします。

これまでたくさん見てきたパターンが、スライサーに起こる以下のような現象です。
普段左からのスライスボールが出ている方が、左に球が出て、かつスライス回転せずに、逆にドロー回転がかかっている時に、普段よりかなり飛ぶことがあります。

普段スライスを打っている方は、たいていの場合バックスピン量が多いです。そして、球が曲がるということは、ボールに対して、前進方向への力が減っている状態と考えてください。つまり、一般的なスライスボールというのは、飛距離面だけで言うと、非効率な球筋です。

それが、いわゆる逆球、フック回転になることにより、この際にかなりバックスピンが減ることが起きます。

その上で、普段スライスになっている人がフックになると、そこまで大きく曲がるような球筋にはなりにくく、ほぼストレートのような球になることでしょう。
そうなると、これは前進方向への力が効率よくボールに伝わっているとご理解いただけるでしょう。
その結果、自身が普段行っているところより、可能性として20ヤード以上飛ぶこともあり得ます。

そのショットが左の広いホールで出て、行ってみたら、今まで飛んだことのないところだった!みたいになると、これが忘れられなくなる気持ちもよくわかります。
そして、それが、自身の最大の距離だ!みたいに思い込んでしまう方が多いです。

このショットが起きた後に、たいがいの方が陥る状態が、これよりも飛ばしたくなるという欲求です。

重すぎ、長すぎは使わないほうがいい

フィッティングをやっていても、よくあることなんですが、ナイスショットした次のショットに臨む時、たいていの人が、前よりも良いショットをしようとしてしまうことです。
ドライバーショットで、良い数字が出てしまうと、それを超える数字を目指してしまうんですよね~これをいわゆる麻薬的と表現することがあります。

ドライバーの距離というのは、この欲求との闘いと言えるかもしれませんね。
飛ばしたい!となると、飛んだ時に、もっともっと!となりやすいからなんです。

ですが、ここで冷静に自信を見つめ直してみましょう。
まとめますと、まずは効率の良い状態で打った時の自身の距離を知ることが第一で、この距離を維持できるようにすることが次の目標になります。(一発の距離ではないです)
それ以上を求めることの欲求を抑えられることができるかどうか?が次の段階のスコアにこだわるうえで非常に重要になってきます。

ゴルフはターゲットスポーツ。
飛びすぎてもミスです。
ドライバーはいくら飛んでも良い、と感じる方はいらっしゃるかもしれませんが、この考え方が、「もっともっと」になってしまう危険性をまずは認識していただけると嬉しいです。

では、始める時に、この飛距離に対してどう対処していくのが良いのか?
ですが、ゴルフにはまるきっかけはそれぞれですが、飛ばすことからはじめることに全く問題はありません。

ここは気にせずに心地よく振ることを目指しましょう!
マン振りするのではなく、大勢を崩さずに振り切ることを目指すとよいと思います。
それができるクラブを探すのが一番良いです。
その際に、気を付けて欲しいのは、重すぎ、長すぎなものを使わないことなんですが、軽すぎ、短すぎは許容範囲が広いです。
この辺りは、次回以降もう少し深く書かせていただきます。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。