「グリーン・マイル」を制しての勝利
最後に世界1位らしい強さを発揮したシェフラーの勝利でした。
前半に3ボギーを叩いたことでジョン・ラームに並ばれたものの、10番パー5でバーディを奪って単独首位になると14、15番でも連続バーディで最後は“ひとり旅”での勝利でした。
今年の会場となったクエイルホロークラブの16~18番は「グリーン・マイル」と呼ばれる難関ホールです。4日間通算のホール別難易度では18番パー4のパーに対する平均スコアが「+0.410」でトップ。以下、17番パー3(+0.394)が2位。16番パー4(+0.327)が3位ときれいにトップ3が並びました。
単純計算では、4ラウンドの平均で約4.5打ここで落とすことになります。
シェフラーはこの3ホールを4日間通算1オーバーで乗り切ったのに対してラームは最終日だけでボギー、ダブルボギー、ダブルボギーで5オーバーだったことが響いて最終成績は7打差の8位でした。
2位タイのひとり、ブライソン・デシャンボーも4日間でトータル3オーバー。この差が結果に表れました(予選落ちした松山英樹は2日で3オーバーでした)。
絶頂期のタイガーと似た勝利パターン
「全米プロ」は、以前は8月にシーズン最後(4戦目)のメジャーとして開催されていました。
それまでシーズンのメジャー2戦目だったのは6月の「全米オープン」。2000年にペブルビーチで顔崔された大会で当時世界ランキング1位だったタイガー・ウッズは2位に15打差をつける圧勝。今回のシェフラーと同じメジャー3勝目を挙げました。
ここから同年の「全英オープン」「全米プロ」とメジャー3連勝すると、翌2001年の「マスターズ」も制してメジャー4連勝。
年をまたいでいるため、現行のメジャー4大会を同一年に制する史上初の「年間グランドスラム」達成とはなりませんでしたが、メジャー4連勝をした快挙は「タイガー・スラム」と呼ばれています。
2000年のウッズはメジャー初戦の「マスターズ」は5位。「全米オープン」前は「メモリアル」で優勝してペブルビーチに乗り込みました。
不動の世界1位、メジャー直近大会もV、ナイキ…
今回のシェフラーも「全米プロ」の前に出た「CJカップ・バイロン・ネルソン」で優勝しているのは同じです。「マスターズ」で4位というのも、25年前のウッズに似た成績です。
またこれは成績に関係しているのかは?ですが、「タイガー・スラム」時のウッズも現在のシェフラーは共にナイキのウェア、シューズを身にまとっています。
ウッズは「タイガー・スラム」の期間は世界ランキング1位をキープ。シェフラーも約2年間に渡って1位の座に君臨し続けています。
ランキングでトップなのですから優勝に最も近いのは当然ともいえますが、実際に結果を出せるとは限りません。
“敵”はLIV勢?
また世界ランキングは過去2年間に出場した試合の成績をポイント化し、トータルの獲得ポイントを40で割った平均で算出します。
LIVゴルフの試合はポイント対象ではないため、10位のデシャンボーは9試合での獲得ポイントを40で割られています。
ラームは20試合での獲得ポイントを同様に40で割られて72位となっており、彼らの実力が正しく反映されているかは微妙なところです。
それでもシェフラーが「タイガー・スラム」級の活躍をすれば「世界ランキング1位は正しい」と堂々主張できます。
4月の「マスターズ」はローリー・マキロイが優勝して生涯グランドスラムを達成。
昨年はメジャー4大会でLIV勢が勝ったのは「全米オープン」のデシャンボーだけでした。
一気に史上6人目の生涯グランドスラム達成となるか
今年のメジャーは「全米オープン」と「全英オープン」の二つ。ここでもシェフラーが勝てば一気に生涯グランドスラムとなります。
ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラウスにウッズとマキロイ。過去に6人しか達成していない快挙が同一年に2度達成されるかもしれない!?と思いながらメジャーの残り2試合を楽しみたいと思います。
今年の残りメジャー2大会
「全米オープン」 6月12~15日(オークモントCC)
「全英オープン」 7月17~20日(ロイヤル・ポートラッシュ)
2024年のメジャー優勝者
「マスターズ」 スコッティ・シェフラー
「全米プロ」 ザンダー・シャウフェレ
「全米オープン」 ブライソン・デシャンボー
「全英オープン」 ザンダー・シャウフェレ
(文/森伊知郎)




