アーリーリリースとすくい打ちの原因は少なすぎるロフト!? 10.5度にして即解決!
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.13

これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回はちょっと趣向を変えて「ロフト9度のドライバー」がテーマ。プロや上級者が使っているため、ちょっとうまくなると憧れて手を出すおじさんが多いが、それ、やった方がいいの?
10.5度のクラブでロフトを立てて打つ練習をするのがオススメ
ゴルフがうまくなると、うまい人が使うクラブを使ってみたくなりますよね。向上心からチャレンジしたがる人もいれば、ちょっと見栄を張ってみたくなるなど理由はさまざまですが、結果がよくなれば問題はないと思います。ただし、ドライバーのロフトについては一考の余地ありです。
最近では10度や10.5度のロフトを選ぶプロも増えてきましたが、男女問わずプロのドライバーのロフトは9度や9.5度が主流です。女子プロは一般男性アマチュアゴルファーのお手本と見られていることもあり、ロフトを立ててみたことがある人もいるかもしれません。また、ゴルフショップなどでクラブのフィッティングをした時に「あなたは球が上がりすぎるから9度がいい」と言われた人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、そう言われても9度にしてはいけない人がほとんどです。理由は大半の人がアーリーリリースしてすくい打ちになっているからです。
アーリーリリースになるとインパクト時のロフトが増えるので打ち出しが高くなります。それを見てロフトが立った9度をすすめられるわけですが、これはまるっきり逆効果で、ロフトが立つほどアーリーリリースしたくなります。

なぜなら、ロフトが立っているとハンドファーストからシャフトをしならせて打っても打球は上がりません。実はそれが適正な打ち出しなのですが、自分のイメージよりはるかに上がらない。そのため、すくい打ちを助長させてしまうのです。これでは堂々巡りもいいところ。いつまで経ってもアーリーリリース由来のすくい打ちからサヨナラできません。
ドライバーがある程度当たるようになったのに思ったほど飛距離が伸びない人は、まだすくい打っている可能性があります。以前紹介しましたが、ドライバーでもインパクトでは2度くらいハンドファーストになり、シャフトのしなりでロフトがついて打球が上がります。このようにスイングするには、ロフトがついたクラブでハンドファーストめに打つことを覚えたい。9度ではロフトが少なすぎてこれができないので、すくい打ちが抜けなくなるのです。

おすすめはロフトが10.5度で低い球を打つ練習をすること。ロフトを減らしてインパクトして、ライナー性の強い球を打ちましょう。キャリー、ランがしっかりと出て、ハンドファーストで打てるようになったら9度のヘッドを試してもいいタイミングです。


勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。

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