素ダボ、素トリはなぜ出るの? “取らぬスコアの皮算用”をやめて目の前の一打に集中!
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【11】

大きなミスもなくプレーできていたのに、なぜか上がってみたらダブルボギー。どうしてなの?
このゴルフあるあるはなぜ起こるのか? 蝶ネクタイを締めたプロコーチ・今野一哉と一緒に考えてみた。
スコアを気にしてアドレスに入る。それがミスのもと
ゴルフサプリ 今回のテーマは、素ダボ、素トリはなぜ出るの? です。アベレージゴルファーにとっては日常茶飯事とも言える事象ですね。OBを打ったわけでもなく、池に入ったわけでもない。なのに、上がってみたらダブルボギー、という。これは何が原因なんですか? もちろん技術的に身軸な部分があるというのはわかるのですが…。
今野 そういう時って、だいたいティショットも2打目もぼちぼち上手く打てていて、こりゃイケそうだな、なんて浮き足立っていませんか? このホールは大丈夫でしょって、アプローチショットを打つ前から上がった時のスコアを考えていたり。
ゴルフサプリ 覚えがあります。
今野 素ダボの要因がすべてそこにあるとは言いませんが、油断大敵がそのまま当てはまるということは、ひとつあるでしょうね。己の気持ちをどうコントロールして、本来のパフォーマンスに落とすのかっていうのが、ゴルフの精神修業の一番重要なポイントだったりしますし。
ゴルフサプリ はい。ちょっと上手くなった気になっていると、だいたい痛い目を見ますね。油断ですか。
今野 難しいですよね。パーが取れるチャンスが来た時に、ボギーでいい、という謙虚な気持ちを持ち続けたほうがいいのか。それとも、もっと強気に行けばいいのか。
ゴルフサプリ そうなんです。謙虚ではなく、その考え方は消極的すぎるのではないか? という葛藤があります。
今野 原因はそこですね。例えばパー4で2打でグリーン手前まで行って、アプローチが上手く打てて1mのパットが残って、そのパットを入れればパー。でも、ツーパットでボギーでもいいや、なんて考えていたりしませんか?
ゴルフサプリ 考えたりしています。
今野 それはもうスコアを気にして出方を考えるっていう状態ですね。目の前の一打に集中できていない。純粋に状況に対して、ベストなパフォーマンスを出そうということに集中ができてないんです。
ゴルフサプリ それはいけませんね……取らぬスコアの皮算用しちゃってますね。
今野 でしょ? ですが、最終的なスコアを競うスポーツなので、みんな考えてしまうんですけどね。
一打一打が決勝戦だと思ってプレーしてみて
ゴルフサプリ どうすればいいんでしょうか。修行が足りんといえば、それまでなんですけど。
今野 アプローチ練習場があるようなゴルフ場で、スタートの待ち時間やラウンド後にアプローチ合戦をやったことってありますか?
ゴルフサプリ あります。ラフとか傾斜の強いところを選んで、寄せワン勝負したり。
今野 そういう時って、目の前の状況をよく見て、どう打ったらカップに寄せられるかをすごい考えていませんか?
ゴルフサプリ めちゃくちゃ考えます。
今野 目の前の状況に対してどう打つか真剣に考えますよね。コースでも“その感じ”でプレーできたら、どうでしょうか。
ゴルフサプリ とても良さそうですね……。練習場のアプローチ勝負は難しい状況であるほど、楽しくなっちゃったりします。
今野 スコアのことばかり考えてプレーしていると、そういう楽しい気持ちも持てなくなってしまいます。それに、アプローチ勝負の時は目の前の一打に集中しているから、「逆目で左足上がりだな」「落ちたところからスライスだな」と、状況もよく見えます。ですが、スコアを気にし過ぎていると、状況がよく見えてこない、というか見ようとしなくなってしまうんですね。
ゴルフサプリ 寄せワンできたらパーだ! などと思ってしまったら、それしか頭になくなってしまうんですね。よくあります。
今野 だから、目の前の一打がすべて決勝戦だと思ってみてください。学生時代、真剣に運動をやっていた人ならわかると思うのですが、決勝戦とか大事な試合などの時って普段よりも集中しますよね。
ゴルフサプリ はい。予選も大事ですが、決勝戦は特に負けられない戦いなので、より集中しましたね。
今野 そう。勝つためには目の前のプレーに集中できなくてはいけませんよね。目の前の一打を必死に打って、結果的にスコアがついてくるっていう状態が理想だと思います。まあ、それがなかなかできないから、ゴルフは精神修行が大事なのですが。
ゴルフサプリ 次のラウンドでは、目の前の一打に集中します!
今野 はい。これが寄ればパー、これが入れば…などスコアを考えるのではなく、目の前の一打を寄せる、入れることに集中してみてください。ゴルフは一打一打が決勝戦です。
今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。

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