ティショットはやみくもに飛ばすことではない
前回までに、コースでの必要なゴルフクラブや自己分析のし方をご紹介させていただいたと思うのですが、では、実際に、そのゴルフクラブを持ってコースに行ったと仮定して、コース攻略を考えてみましょう。
まずはティショットのお話からしようと思います。
前回書かせていただいたように、シッカリ狙っていく、という観点から、コースを見てみてください。
ティショットの最大の目的は何でしょう?
それは、セカンドショットが打ちやすいところにボールを運ぶことですよね!
そのセカンドショットが打ちやすい場所、というのは、セカンドショットが狙っていきやすい場所という意味になります。例えば、グリーンに狙っていくならば、花道方向から狙っていった方が良いです。ピンポジションによっては、その狙っていきやすいところは大きく変わってきたりします。
つまりは、ティショットの狙いどころといって、ティショットのことだけを考えるのではなく、グリーンから逆算して、どこにボールを置いて行ったらよいのか?をよく考えなくてはいけません。
ティショットとはいえ、ただ、やみくもに飛ばすことではなく、ポジショニングをしっかりと考えなくてはならないことはご理解いただけると思います。
ハザードを避けるためにできなければならないこと
では、ティショットのその狙っていきたい方向をよく見てみましょう。何がありますか?
バンカーだったり、池だったり、ハザードがあったりすることに気づくことでしょう。そうなんです、たいがいはベストルートには障害物があったりします。となると、それを避けつつ、ベストポジションを狙っていかなくてはなりません。
その際に、レベルによって、この狙い方の考え方が変わってきます。
ハザードを回避するためには、避ける? 越す? 刻む?という選択になります。
この“避ける”ためにこそ、方向性をきちんと出せなくてはいけません。
左にバンカーがあるなら、右へ打つ、右に池があるなら、左に打つということが必要ですよね?
もし、この方向性が出せないクラブしかなかったらどうしますか?ハザードを避けるためには、越す、もしくは、手前に刻む ことが必要になりますので、選択氏の幅は小さくなってしまいますよね!
つまりは、まずは、このレベルになっていないと、コースを攻めにいくのは大変。ということになります。
狙っていくための、第1に必要な条件が、打ち出す方向をきちんと意識できているかどうか? と書かせていただいたのは、こういう実践の場面での必要性からになります。
なんでもかんでも越えちゃえばいい! という考え方もありますが、大体の設計家は、平均的に入りやすい距離に避けるべきハザードを配置することが多いので、越えることができる人は限られています。
なかなか、ご自身の飛距離を伸ばすことは難しいですし、毎回、マン振りするというのは、かなり無理があるでしょう。
となると、きちんと狙いを定めて、そこに打ち出していく!ということが重要になるというわけです。
そして、基本的にボールは曲がります。
真っすぐのボールを打つのが一番難しいですから、曲がるボールをコントロールするというのが必要になってきます。
曲がってもいいので、その曲がり幅をなるべく小さくできる方が良いでしょう。
時には、大きく曲がる球も必要になりますが、まずは、シンプルにコースを攻略するためには、曲がり幅が計算できるくらいが良いと思います!
そうすることによって、ティショットにおいて、狙いどころに配置されたバンカーや池などを避けることができるでしょう。
つまりは、まずは、ティショットで打つクラブは、方向性の確率を上げておかないといけないということになりますことをご理解いただけると嬉しいです。
狙う距離の1割減までの距離が安定して打てるアイアン。
つづいて、セカンドショット以降を考えて行きます。
今度は、グリーンを狙っていくショットになるわけですから、ある程度の距離の幅で打てなくてはなりません。グリーンは、たいていの場合、奥行きが30ヤードからそれ以上くらいはありますが、その間に打っていかないと乗りません。
例えば、残り150ヤードを狙っていった場合を考えてみましょう。
前述しましたように、結果が残り距離の1割程度に収まれば上級者です。
つまり、150ヤードということは、135ヤード以上飛べば、上級者ということになります。
そこに至っていない人は、結果が残り距離の2割になりやすいと考えると、120ヤードしか飛ばないことも多い、ということになってしまいます。
これだとグリーン手前にハザードがある場合などには、それを越えない確率が上がってしまうので、グリーン方向に狙っていけなくなります。
バンカーが不得意な人は、是が非でも避ける!ということになれば、バンカーのない方向に打っていくしかなくなり、これもまた、コース攻略の選択肢が減ってしまいます。
となると、ここで求められるのは、方向性ももちろんですが、やはり距離のばらつきを抑えることになってきます。
つまり、セカンドショット以降、グリーンを狙っていくクラブには、その残り距離の90%以上安定して飛ばせること、例えば、150ヤード狙ったら、最低でもキャリーで135ヤードは飛ばせることが求められるということになります。
かつ、グリーン上で止まらなくてはなりませんから、それなりに球が上がるということも重要です。
ですが、それ以上でもそれ以下でもなく、何番だから何ヤード飛ばなくてはいけない、ということではなく、使う番手の距離通りに距離が狙っていける=1割減までの距離が安定的に出やすい、というものを目指してほしいです。
続いて、グリーン周りで求められるものといえば、アプローチショットの精度ですね!
たいていの方はウェッジを使うことが多いと思います。
もちろん、様々な条件があるゴルフ場ですから、ウェッジ以外のクラブも多用するのが良いと思いますが、例えば、何かを越えなくてはいけないという状況では、ウェッジがきちんと使えることが重要になるでしょう。
セカンドショットの時にも述べましたが、越えることができないクラブしかなければ、避けていくしかないわけで、遠回りすることが求められ、その結果、1打以上損してしまうということが起きるでしょう。
そうならないためにも、ウェッジは確実に何かを越えられる、かつ、距離もしっかりとコントロールできるものでなければなりません。
よく、手でボールをなげるようにコントロールしましょう!
というのがありますが、まさに、それが求められるのがウェッジです。
距離をコントロールするためには、ボールをしっかりと上げていくことが必要と考えて欲しいです。
その結果として、障害物を越えやすくなります。
クラブとしては、ロフト角がついており、通常にストロークすれば、他のクラブより簡単にボールが上がる構造になっています。それなのに、上げにくいと感じている方が少なくありません。
それは何が起きているか?というと、自身で上げに行く動作が入ってしまうという場合が多いです。
上記しましたように、ボールが上がるか上がらないかは、ロフトによって決まります。
そして、唯一の条件としては、ボールの下にクラブヘッドが入ることです。
そうなれば、ボールは必ず上がります。ただし、クラブヘッドをボールの下に入れようとすると、クラブが地面に潜ってしまう恐れが出てしまいます。そこで活用されるのが、バウンス、というソールの出っ張りになるわけです。
クラブヘッドをボールの下に滑り込ませるのに、上からグッと打ち込むのか? それとも滑らせるように潜り込ませるのか?で、扱いやすくなるクラブの性質=バウンスが変わってくるという仕組みです。
つまりは、グリーン周りで使うためのウェッジの必要条件は、クラブヘッドがボールの下に潜り込ませやすく、かつ、地面に刺さりにくいものということになっていきます。
距離感はヘッドスピード
最後にパターのお話もしておきましょう。
パッティングで一番重要なことはなんでしょう?もちろん、たくさんありますが、第一に必要なことは距離感だと考えて欲しいです。方向性があっていたとしても、距離感が間違ってしまうと、大きなミスになってしまいます。
では、距離感はどうやって出すのか? それは、ボールの打ち出すスピードで変えていくしかありません。
出球のスピードが速ければ遠くまで転がりますし、遅ければ短い距離しか転がりません。
そして、それを平らなところではなく、傾斜地で行うというのが、パッティングの難しいところでしょう。
距離感を養うためには、出球=ボールスピードのコントロールということは、それをするためには、ヘッドスピードのコントロールが必要となります。
強く打つときは速く振らなくてはなりませんし、弱く打つためにはヘッドスピードもゆっくりにしなくてはなりませんよね!
ということは、パッティングで必要な距離感を養うためには、ヘッドスピードをコントロールできるパターが必要ということになってきます。
これは、グリーンのスピードでも変わってくることでしょう。一般的に、遅いグリーンでは、強く打ちますので、ヘッドスピードを上げる必要があり、遅く打つことが減りますから、軽いパターの方が良いでしょう。
逆に、速いグリーンでは、強く打つことよりも弱く打つ回数の方が多いでしょうから、そうなると、ヘッドスピードの出しにくい重めのパターの方が良い、となります。
いかがでしょうか?
ティショット、グリーンを狙っていく、そしてアプローチショットやパッティングなどなどで求められるスキルと、それを実現するためのクラブ、というのをイメージしていただけたでしょうか?
最近では、これらを数値化することが可能になっていますので、次回以降具体的な数値を出していきたいと考えています。
こういうことを目指して、練習することにより、ゴルフが上達しやすくなります。はじめた時からこれができる人はほぼいません。ですが、具体的な目標を定めて、それに向かっていくための必要なことがらがわかれば、それを逆算していくことで、いま、必要なことがわかると考えています。
是非とも、今一度、自分のゴルフおよびゴルフクラブを再考していただけると嬉しいです。
ヘッドスピードをコントロールできるパターを見つけたい。
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。







