「可能性を感じるラウンド」

この日の石川は5バーディー、3ボギーの内容でした。
2日続けて1オーバーだった(2番ホールが決勝ラウンドからパー5になったため、パーは前日までは70。3日目は71)ことと比べると「可能性を感じるラウンドでした」と話しました。

スタート時点の32位から16位に上がったものの、首位とは6打差。それでも8日の最終日に向けては「まだ(優勝の)チャンスはあると思います」と言います。
このコメント、決してリップサービスではなく、ちゃんと数字の根拠もあるのです。

「飛ばして、乗せる」 強者のゴルフ

石川は今シーズンの部門別ランキングで「ドライビングディスタンス」(平均飛距離)は290.38ヤードで49位となっています。

それが「飛距離は伸びています」と言うように今大会では平均312.38ヤードで、堂々の8位にランクインしているのです。

さらにこの日はパーオン率が77.778%で5位と、まさに「飛ばして、乗せる」強い選手のゴルフをやっています。

“ふるい”にかけられている

3日間でボギーがトータルで10個あり、パーキープ率が上位に比べて劣っているのが順位に反映されています。
それでも自身の現在地を「耐えて、耐えて、“ふるい”にかけられている状態」と、まだ優勝への圏内にいると表現しました。

この日は難易度トップの17番パー4でティショットが左の林へ。
強烈なつま先下がりでグリーンの手前は池、というレイアウトに無理はせずフェアウェイに出して3打目で奥4メートルにオン。パーパットは惜しくも外れましたが「即終了、というミスは出ていない」と、こうした耐えるゴルフの連続で踏みとどまっています。

過去の最大逆転優勝は「5打差」から

今大会での逆転優勝は2004年のS・K・ホと2018年の市原弘大の「5打差から」が最大です。
石川が逆転優勝を達成すれば「大会史上最大」を更新することになります。

ちなみに今大会の18ホールでの最少スコアは2019年最終日にチャン・キムがマークした62となっています。

石川もこれに匹敵するビッグスコアが必要、と思いきや5打差を逆転した二人の最終日のスコアは、ホが68で市原は66でした。

この日プレーした67人の平均スコアは71.9403(パー71)で、トータルのボギー数は220と、バーディーの210を上回りました。
すぐにスコアを落とすことのあるコースだけに、耐えて確実にバーディーチャンスをモノにすれば逆転の可能性は増えてきます。

過去の“伝説”と同じようなスタート時刻

「自分のいいプレーができればギリギリチャンスはあるかもしれないので楽しみです」と話した石川は、最終日は最終組の5組前。時間にして55分前の午前9時49分にスタートします。

当時15歳の高校1年生で優勝し、一躍「ハニカミ王子」となった2007年の「マンシングウェアKSBオープンKSBカップ」。
ギネス記録の58で回った2010年の「中日クラウンズ」の“伝説”ともいえる2大会はいずれも最終組の1時間10分前にスタートしました。

先に出て伸ばして勝った過去と似たようなスタート時刻は、これも新たな伝説へのお膳立て、なのでしょうか。

(取材・文/森伊知郎)