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飛ぶだけではダメ! クラブに求められることとは? ラウンドを思い浮かべると見えてくる!(その2)

コースで役に立つクラブの考え方【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】

2025/06/08 ゴルフサプリ編集部

スコアアップするにはどういったクラブ選びをするか?カテゴリーごとに考えるとクラブに必要なことがわかってくる。

これまで述べさせていただいた、ゴルフコースで活用するためのゴルフクラブについて、もう少し細かく見ていきましょう。
今回は数値的なお話も入れていきたいと思います。

クラブに求められることとは? ラウンドを思い浮かべると見えてくる!

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ゴルフコースにはいろんなタイプがあり、いわゆる平坦なところにあるコース、林間コース、アップダウンの多い山岳コース、風の強いシーザイドコースなどなどがあります。
平坦な林間コースと言っても、まっすぐなホールばかりではなく、ドッグレッグをしたり、S字のホールがあったりします。

もちろん、決まったコースをたくさん回る方もいらっしゃいますので、そういう方は、そのコースにあった番手構成、球筋の傾向などを考慮していただければ嬉しいです。

ですが、メンバーシップに入られている方でも、いろいろなコースを回る方の方が多いと認識していますので、様々なコースで回る際に、適したクラブの条件を書いてみたいと思います。

ドライバーはどういった条件で一番飛ぶ?

まずは、ティショットで使うクラブから書いてきましょう。
ドライバーの方が圧倒的に多いと思うので、まずは、ドライバーから。
最大の距離が出るもの? という認識で良いのですが、どういった条件で一番飛ぶのが良いのか? ということになっていきます。
そのためには、上記した、さまざまなコースセッティングにおいて考えて行かなくてはなりません。
練習場のような平たんな場所で落ちる場所も平たんなところで飛ぶだけでは、なかなか難しくなります。
そして、それは、実はコースによって打ち分けが必要な場合が多いです。

例えば、アップダウンの多いコースでは、打ち上げのホールではやや高めの球筋が要求されますし、シーサイドコースなど風の強いところでは、高すぎる球筋では攻めにくいでしょう。
そうなると、やや高度なお話になってしまいますが、ある程度は、球の高低がコントロールできる方が良いと考えて欲しいです。
それは、例えば、ティアップの高さを変えて対応するということでも十分です。

ですが、ティアップの高さを変える=入射角度も変わってきますので、クラブをコントロールできるものという考え方は変わりません。

数値目標で言えば、ボールの打ち出し角度が9度くらいから14~15度くらいまで打ち分けられるのが理想かもしれません。

クラブを選ぶ際にも、ナイスショット時の最大距離を出すための最適な条件とは別に、ティの高さなどを変えて、どの位の変化が見込めるのか?ということもやってみてください。

バックスピン量の適正値は、以前、2500rpmと書かせていただきましたが、この数値が最低ライン(最小値)と考えていただけると嬉しいです。

そうすると、これより増えたら飛ばなくなるのでは?と考える方がいらっしゃいますが、最大の距離の条件に対してのお話をさせていただいておりますので、ここからスピンが増えても減っても最大距離よりは落ちることになります。

であれば、コースにて役に立つ条件と言いうことで、増えていくのが良い、と考えて欲しいです。例えば平均で言えば、3000rpmくらいで良いと考えています。

ドライバーのスピン量の考え方

まず、2500rpmより減ってしまうと何が起こるか?を考えてみましょう。

ほぼほとんどの方が、キャリーが減ってしまいます
その分、ランは増えていきますが、これは落ちる場所のコンディションに左右されてしまいます。
どんなコースに行っても、安定的な距離を確保するためには、ある程度キャリーも確保する必要がありますので、バックスピン量は少なすぎない方が良いという考え方になります。

そうすると風に弱いのでは? と考えると思いますが、そこで、打ちだし角度のコントロールができるとよいとなっていくわけです。
数値的なお話をすると以下のような球筋が打てるとよいかもしれません。


打ち出し角 9度の場合の バックスピン量 3000(rpm)
打ち出し角 12度の場合の バックスピン量 2800(rpm)
打ち出し角 15度の場合の バックスピン量 2500(rpm)

もちろん、ヘッドスピードにもよりますので、ヘッドスピード40m/sくらいの方を対象とさせていただきます。
ヘッドスピードがこれより速くなる方は、打ち出し角をマイナス1~1.5度にしてください。遅い方は逆に、打ち出し角をプラス1~1.5度してください。

ドライバーだとこれがなかなか実現できない、という方も少なくないです。
そのために、ティショットで打つクラブとして、フェアウエイウッドだったり、今はやりのミニドライバー入れていったりするのも、一つの手法です。

それらはコースごとの、ティショットの重要性によって変わってくると思いますが、初見のコースでもいろいろなショットを想定するとなると、そういったティショットで打つクラブの種類を増やしておくのは良いと考えています。

「高低」の次は「左右」を考える

そして、もう一つランクを上げた話をしてみましょう。
まずは、コースに合わせて球の高低がコントロールできればよいという段階から、今度は、左右に曲げると言うお話もしてきましょう。

これができるようになると、コースの攻め方がぐっと広がりますし、コースの見え方も大きく変わってきます。
こうなっていくと、さらにゴルフコースのお話にもつながりやすくなります。

前述しましたように、ゴルフコースには避けるべきハザードがあり、それを避けるためには、まずは、打ちだし方向をコントロールできるようになるといいですよね!
これは、まずは、直線で考えています。
コースを直線的に攻めていく場合には、これが有効でしょう。
ですが、コースには様々な形態があり、直線的に攻めていくよりも曲げて攻めていく方がやりやすい場合があります。
例えば、ドッグレッグホールを考えてみましょう。

一般的に考えれば、ドッグレッグホールはコースなりに曲げていく方が良いと考える方が多いと思いますが、実はそれだとかなりのギャンブルで、もし曲がりすぎてしまったら、林の中に入ってしまったり、木が邪魔でセカンドショットが狙えないところに行ってしまったりすることもあると思います。
また、ドッグレッグホールはたいていの場合、逆サイドにボールがあった方が、セカンドショットが狙いやすかったりします。

右ドッグレッグは左サイドのフェアウエイからの方がグリーンを見やすいし、曲がりすぎてもトラブルにならない(左)右サイドだと木やハザードで狙えないこともある。曲がりすぎるとトラブルに(右)。

確実にセカンドショットが打てて、かつ、攻めて行けるようなシチュエーションを考えて行くと、実はドッグレッグとは逆の球筋を打っていった方が良いとなったりします。
左ドッグレッグなら、フェード、右ドッグレッグならドローということになります。

これは、極端に曲がっているホールの攻め方になるのですが、同様にフェアウエイがティショットを打ち出す方向から曲がっているホールはたくさんあります。
なかにはS字になっているコースもあることでしょう。
これを、ティショットの落とし場所から考えてみて、ドッグレッグホールのように考えてみるのはいかがでしょうか?

つねに狙いはハッキリと

こういう考え方ができるようになってくると、コースの見方ががぜん変わってきます。
今まで平面的に、ティーイングエリアからの見た目で見えた方向のみに打っていくということをやっていったと思うのですが、球筋を加味して考えて行くと、コースを3次元的に、俯瞰して捉えることができるようになることでしょう。

もちろん、技術的な要素も多分に含まれていますが、それを実現するためのゴルフクラブが必要ということになります。

例えば、最近ではトラックマンなどの測定器では、クラブパスやインパクト時のフェースアングルの数値化も可能になっていますよね!
そういったものを用いて、自分がどのようにクラブパスやフェースアングルを変えられるのか?を確認するのが良いでしょう。
そして、ここで間違ってほしくないのは、同じスタンス・同じ構え(アドレス)からそれをしようとしないことです。
スライスを打つには、スライスのアドレス、フックを打つにはフックを打つアドレスが必要で、それがしやすいクラブを選びましょう~ということになってきます。
その結果として、やはりどちらかの球筋が出やすくて、その反対の球筋は出にくいということもあるでしょう。

もちろん、そういったどちらかにしか曲がらないクラブでコースを直線的に攻めるのもありですし、もしかしたらこの方がスコアも良いかもしれません。
両方に曲がるクラブ=両方にトラブルになりやすいクラブと考えがちですが、狙い方をはっきりさせて、打つ前にはっきりと、どちらかに曲げていく、ということをやっていけば、どちらかにしか曲がらないクラブと同様の安定した結果をもたらすことが可能になります。【次回へ続く】

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。