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遠いバンカー、近いバンカーはどう打てばいい? 藤田寛之はフェースの開きとスイングの大きさで距離を打ち分ける

スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第16回

2025/08/21 ゴルフトゥデイ 編集部

スコアをよくするには、グリーン周りのバンカーも攻略する必要がある。そこで特別編として、「藤田流バンカーショットの極意」を大公開!

GOLF TODAY本誌 No.638/108~111ページより
取材・構成・文/小山俊正  撮影/相田克己  取材協力/葛城ゴルフ倶楽部

遠いバンカーと近いバンカー、打ち方の違いは?

極意1 セットアップを変える

アプローチと同様、打つ前に球の高さやスピードをイメージし、アドレスに入る。インパクトが緩まないようにクラブをしっかり振り抜き、フィニッシュを取る。
アプローチと同様、打つ前に球の高さやスピードをイメージし、アドレスに入る。インパクトが緩まないようにクラブをしっかり振り抜き、フィニッシュを取る。

ピンが近いバンカーはボールが飛ばない条件を整える

バンカーもアプローチと同様、特殊な状況を除いて、打ち方は極力変えない、というのが私のポリシー。打ち方を一つにしたほうが、体の動きだけでなく思考もシンプルになり、本番に強くなるからです。

距離を打ち分ける場合、砂を厚く取ったり薄く取ったりする方法もありますが、私はセットアップを変えます。ピンが近いバンカーは、サンドウェッジのフェースを大きく開いて、スタンスをオープンに。ボールは左に置き、ヒザを曲げて体の重心を低くします。こうしてボールが飛ばない条件を整えることが大切です。

一方、ピンが遠いバンカーは、フェースを開かずにスクエアにセット。スタンスはスクエアか、ほんの少しオープンに。ボールは距離を出したい時ほどセンター寄りに置きます。いずれも、アプローチの2~3倍の振り幅を目安に、距離に応じてスイングを大きくします。

下が硬いバンカーは要注意!
「砂の量が少なく、下(地面)が硬いバンカーは、フェースを開くほどインパクトでバウンスが弾かれやすい。ピンが近くても、フェースの開き具合を抑えたほうがミスなく脱出できます」(藤田)

【ピンが近いバンカー】フェースとスタンスを大きく開く

サンドウェッジのフェースを大きく開き、それに応じてスタンスをオープンにする。ボール位置は左。手を体の真ん中に置き、シャフトの傾きをほぼ真っすぐにする。
サンドウェッジのフェースを大きく開き、それに応じてスタンスをオープンにする。ボール位置は左。手を体の真ん中に置き、シャフトの傾きをほぼ真っすぐにする。

【ピンが遠いバンカー】フェースはスクエアにセット

フェースを開かずにスクエアにセット。スタンスはスクエアか、ほんの少しオープンに。ボール位置は、高く上げる時はやや左に、距離を出す時はセンター寄りにする。
フェースを開かずにスクエアにセット。スタンスはスクエアか、ほんの少しオープンに。ボール位置は、高く上げる時はやや左に、距離を出す時はセンター寄りにする。
バンカーが苦手な人は、スイングが小さくなりがち。体をしっかり回して、振り幅を大きくすることが大事。
バンカーが苦手な人は、スイングが小さくなりがち。体をしっかり回して、振り幅を大きくすることが大事。

極意2 砂を取る量は常に一定

入射角は鋭角

目標に対してカットに打つと、軌道はアウトサイド・インになり、クラブの入射角は鋭角になる。これもボールが飛ばない条件の一つ。
目標に対してカットに打つと、軌道はアウトサイド・インになり、クラブの入射角は鋭角になる。これもボールが飛ばない条件の一つ。

ピンまで10ヤード(近いバンカー)

肩の高さの振り幅で目標に対してカットに打つ!

スタンスに沿ってヘッドを走らせればふわりと高く上がって止まる。
スタンスに沿ってヘッドを走らせればふわりと高く上がって止まる。

エクスプロージョンの限界は30~40ヤード

ピンが近くても遠くても、基本的な打ち方は変わりません。ただ、近いバンカーは、オープンにしたスタンスに沿ってクラブを振ることを重視しましょう。

こうして目標に対してカットに打つ(アウトサイド・インに振る)と、クラブの入射角が鋭角になり、ボールは前でなく、上に高く上がります。私の場合、ピンまで10ヤードなら、肩の高さの振り幅で左右対称にスイング。ランを少なくする時は、よりカットに打つこともあります。

砂を爆発させる、いわゆるエクスプロージョンショットは、30~40ヤードが限界。ピンまで30ヤードなら、ほぼフルスイングで砂とボールを前に大きく飛ばします。ミスを恐れず、思いきり振ることが大切で、番手をピッチングウェッジなどに替えてもOKです。

また、フックボールを打つイメージで、ややインサイド・アウトに振るというテクニックもあります。クラブの入射角が浅くなり、キャリーとランが多くなるので、ピンがグリーンの奥にある時などに有効です。

どんな距離でも、ボールの2~3センチ手前にヘッドを入れて、砂を取る量を常に一定にする。
どんな距離でも、ボールの2~3センチ手前にヘッドを入れて、砂を取る量を常に一定にする。

極意3 番手を替える

ピンまで30ヤード(遠いバンカー)

ミスを恐れずフルスイングで砂とボールを飛ばす!

砂を飛ばす方向が重要。上ではなく前に大きく飛ばせばキャリーが出る。
砂を飛ばす方向が重要。上ではなく前に大きく飛ばせばキャリーが出る。
遠いバンカーは、サンドウェッジでなく、ピッチングウェッジやアプローチウェッジといった番手に替えるのも有効な作戦。ロフトが立っている番手なら、同じエクスプロージョンでも飛距離が出る。
遠いバンカーは、サンドウェッジでなく、ピッチングウェッジやアプローチウェッジといった番手に替えるのも有効な作戦。ロフトが立っている番手なら、同じエクスプロージョンでも飛距離が出る。

フィニッシュを取る

振り幅を大きくして、フィニッシュをしっかり取る。砂を薄く取ろうとすると、ホームランのミスが出やすくなるので注意しよう。
振り幅を大きくして、フィニッシュをしっかり取る。砂を薄く取ろうとすると、ホームランのミスが出やすくなるので注意しよう。

インサイド・アウトに振る

フックボールを打つイメージで、リストターンを積極的に使いながら、ややインサイド・アウトに振ると、キャリーとランが多くなる。上級者向けのテクニック。
フックボールを打つイメージで、リストターンを積極的に使いながら、ややインサイド・アウトに振ると、キャリーとランが多くなる。上級者向けのテクニック。
藤田寛之

藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。

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