遠いバンカー、近いバンカーはどう打てばいい? 藤田寛之はフェースの開きとスイングの大きさで距離を打ち分ける
スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第16回
スコアをよくするには、グリーン周りのバンカーも攻略する必要がある。そこで特別編として、「藤田流バンカーショットの極意」を大公開!
GOLF TODAY本誌 No.638/108~111ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
遠いバンカーと近いバンカー、打ち方の違いは?
極意1 セットアップを変える
ピンが近いバンカーはボールが飛ばない条件を整える
バンカーもアプローチと同様、特殊な状況を除いて、打ち方は極力変えない、というのが私のポリシー。打ち方を一つにしたほうが、体の動きだけでなく思考もシンプルになり、本番に強くなるからです。
距離を打ち分ける場合、砂を厚く取ったり薄く取ったりする方法もありますが、私はセットアップを変えます。ピンが近いバンカーは、サンドウェッジのフェースを大きく開いて、スタンスをオープンに。ボールは左に置き、ヒザを曲げて体の重心を低くします。こうしてボールが飛ばない条件を整えることが大切です。
一方、ピンが遠いバンカーは、フェースを開かずにスクエアにセット。スタンスはスクエアか、ほんの少しオープンに。ボールは距離を出したい時ほどセンター寄りに置きます。いずれも、アプローチの2~3倍の振り幅を目安に、距離に応じてスイングを大きくします。
下が硬いバンカーは要注意!
「砂の量が少なく、下(地面)が硬いバンカーは、フェースを開くほどインパクトでバウンスが弾かれやすい。ピンが近くても、フェースの開き具合を抑えたほうがミスなく脱出できます」(藤田)
【ピンが近いバンカー】フェースとスタンスを大きく開く
【ピンが遠いバンカー】フェースはスクエアにセット
極意2 砂を取る量は常に一定
入射角は鋭角
ピンまで10ヤード(近いバンカー)
肩の高さの振り幅で目標に対してカットに打つ!
エクスプロージョンの限界は30~40ヤード
ピンが近くても遠くても、基本的な打ち方は変わりません。ただ、近いバンカーは、オープンにしたスタンスに沿ってクラブを振ることを重視しましょう。
こうして目標に対してカットに打つ(アウトサイド・インに振る)と、クラブの入射角が鋭角になり、ボールは前でなく、上に高く上がります。私の場合、ピンまで10ヤードなら、肩の高さの振り幅で左右対称にスイング。ランを少なくする時は、よりカットに打つこともあります。
砂を爆発させる、いわゆるエクスプロージョンショットは、30~40ヤードが限界。ピンまで30ヤードなら、ほぼフルスイングで砂とボールを前に大きく飛ばします。ミスを恐れず、思いきり振ることが大切で、番手をピッチングウェッジなどに替えてもOKです。
また、フックボールを打つイメージで、ややインサイド・アウトに振るというテクニックもあります。クラブの入射角が浅くなり、キャリーとランが多くなるので、ピンがグリーンの奥にある時などに有効です。
極意3 番手を替える
ピンまで30ヤード(遠いバンカー)
ミスを恐れずフルスイングで砂とボールを飛ばす!
フィニッシュを取る
インサイド・アウトに振る
藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。
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