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山下美夢有の「全英女子オープン」Vで、国内組の海外志向がさらに高まる?

「海外組」の活躍を見て佐久間朱莉らは何を思う。(写真は2025年AIG全英女子オープン 大会提供)
「AIG全英女子オープン」は山下美夢有がアメリカLPGAツアー初優勝をメジャーの大舞台で飾った。さらにリーダーズボードを見ると、2打差の2位には最終組のひとつ前で回った勝みなみが。4打差の4位には、3日目の最終組を山下と回った竹田麗央が入った。一方で日本ツアーを主戦場とする5人は全員が予選落ちと明暗がくっきり。この結果を受けて、「国内組」の海外志向が強まることになりそうだ。
「海外組」と「国内組」の明暗がくっきり
「全英女子オープン」で上位になったのは優勝した山下美夢有を筆頭に、2位の勝みなみ。4位の竹田麗央とアメリカLPGAツアーを主戦場にしている選手たちとなりました。
一方で日本ツアーを主戦場としてスポット参戦した選手の成績を見ると、初日を67で回って首位発進した岡山絵里。69で4位だった桑木志帆は2日目に揃って81と、まさかの大叩きをしてしまいました。
3勝を挙げてポイントランキングトップの佐久間朱莉は76、74でカットラインに4打届かず。
高橋彩華、神谷そらも予選落ちと明暗が分かれる結果となりました。
これで今シーズンのLPGAツアーはメジャー5戦が全て終わりましたが、日本ツアーから参戦した選手でトップ10入りをした選手はいません。
予選通過も「全米女子オープン」での河本結(36位)、小祝さくら(45位)と桑木(56位)の3人だけでした。
近年優勝した選手を見ても、2019年「全英女子オープン」での渋野日向子と2021年全米女子オープン」の笹生優花はスポット参戦で勝っているものの、以降の古江彩佳(2024エビアン選手権)、西郷(2025シェブロン)、そして今回の山下は全てLPGAツアーの選手。
昨年の「全米女子オープン」で2勝目を挙げた笹生も、2021年の優勝で参戦資格を得て以降はアメリカを主戦場にしています。
アメリカに移ってすぐに結果を出す選手たち
さらに山下は今年がルーキーシーズンで、「全英女子オープン」はLPGAツアーのメンバーとしては16戦目の出場でした。
「シェブロン選手権」を制した西郷は2年目。昨年の「エビアン選手権」で勝った古江は3年目。
笹生は2021年の6月に行われた「全米女子オープン」に勝ったことでLPGAツアーのメンバー資格を得たため、2勝目を挙げた昨年はフル参戦したシーズンとしては3年目でした。
このように、LPGAツアーに主戦場を移した選手たちは早い段階でメジャー制覇を達成しています。
この現状を見ると、アメリカ志向がある。あるいはメジャーで勝ちたい、と思っている選手は、やっぱり向こうに行かないと、という志向が高まるのは必然ではないでしょうか。
主戦場を移すメリットは
LPGAツアーを主戦場にするメリットはやはり普段から日本とは違う厳しいセッティングでやることと充実した練習環境。
さらに「居場所」があるかどうかの違いも大きいのではないでしょうか。
LPGAのメンバーにしてみれば、いつも一緒にやっているメンバーと戦うことで、“外様”の緊張感のようなものは少ないでしょうが、スポットだとそうはいきません。
さらに現在はロシア上空を飛べない影響で東京からロンドンへのフライトは約14時間。前週の日本の試合に出て、月曜日に半日超かけての移動もハンデになるのは間違いありません。
アメリカからイギリスに行くのも遠いですが、LPGAツアーのスケジュールは3週前がフランスでの「エビアン」でした。
1週のオフを挟んで、前週はスコットランドと戦いやすい日程になっています。
「海外志向組」が抜けると日本女子ツアーはどうなる?
今年は竹田、山下、岩井姉妹と昨年のポイントランキング上位が抜けましたが、その流れは変わらないかもしれません。
それでも佐久間が初優勝から3勝を挙げ、その他は毎試合でシーズン初優勝者が出ていて、ニューヒロイン誕生。あるいはベテランの優勝など色々なドラマ、見どころが生まれており、盛況は変わりません。
上位が抜けると、特に若手にはチャンスが増え、新たなスターが生まれるきっかけにもなるでしょう。
本場で結果が出せるスポーツとなれば、次の世代の憧れの対象ともなり、さらに優秀な選手が誕生する可能性も増えることにつながります。
メジャーは全日程が終わりましたが、シーズンは11月まで続きます。
ここでもさらなる日本勢の活躍に期待したいところです。
(文/森伊知郎)

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