スペックを変えるのはナシ!

“夏対策”としてドライバーのシャフトを硬くするのだとしたら、どうしてドライバーだけそうしたいのでしょうか? そのように変えなければ良い結果が出ないのであれば、全てのクラブのシャフトを変えないと上手く打てないことになりますよね。

ボクがよく話していることの一つですが、フィッティングをしたり、自分に合うクラブを見つけるときは「どの状態のときに合わせるか」ということをご自身で理解することが肝心です。例えて言うなら、自分のパフォーマンスの最高値が10段階中の10として、どの段階に合わせるのかを踏まえて探すということ。

その段階の中で、8の状態に合わせるとしたら、それよりも振れないときは球がつかまりにくくて低くなるし、振れるときは球がちょっと高くなってつかまる。というように、自分のクラブとクセを理解しておくことが大事です。

クラブに不信感を抱きながらゴルフをすることになる?

仮に季節によってスペックを変えるとして、その季節の中でも自分の調子やコンディションは変化していくもの。ということは、その都度、クラブに対して違和感を覚えつつ、常に自分のクラブに不信感を抱きながらゴルフをすることになってしまいます。それで良いわけがありません。

クラブは道具なので「ある程度の前後の振り幅がある」という前提で、そのクラブのクセだったり傾向を理解しておかなければなりません。なので、夏だからシャフトをなんとかしようとするのは、むしろ自分のスイングを崩す原因にしかならないと思います。

例えば、PGAツアーの選手たちが「全英オープン」に行くからシャフトのスペックを変えていく、ということはあまり聞きませんよね。ウェッジを替えるとかユーティリティを入れるといったようにクラブを入れ替えることはあっても、ベースとなるスペックは変えません。

それぞれの条件に対応できるクラブをセットする

もしも夏だから何かをアレンジするとしたら、スペックをいじるのではなく、セッティングを変えるというほうが、賢くて効果的だと思います。

具体的にどう変えるかといえば、シンプルに、夏のラフから長い距離が打てるショートウッドなりユーティリティなりをロングアイアンの代わりに入れるとか。逆に、ティショットが飛ぶようになってティショットで刻むことが多いのであれば、その距離に応じてミニドライバーだったり、ティショットで使いやすいユーティリティを入れるなどです。

アプローチで言えば、夏場はグリーン周りのラフがキツくなるから、ロフトが大きいウェッジを1本追加するのも良いでしょう。逆に、今年みたいに雨が少なくてライが硬いことが多い場合は、バウンスが少ないウェッジを入れる。というように「条件に対応するクラブを入れる」というほうが実戦的ですね。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。