3Wは「上がらないクラブ」と割り切って! 低い球で飛ばそうと思えば簡単に打てそうでしょう?
オジサンだって、まだまだ飛ばしたい!【人気コーチ・大西翔太のFW&UTアイアンの飛距離アップレッスン!】
世間的に「オジサン」と呼ばれる年齢を迎えたシニア世代のゴルファーたちの共通の悩みは飛距離低下に尽きるだろう。フェアウェイウッドやUT、アイアンは飛ばすためのクラブでないことは百も承知。だけど若い頃の飛距離を取り戻して、イケてるオジサンゴルファーになりたい! そんな願いを大西翔太コーチが叶えてくれる新シリーズ。第1回は3番ウッドが飛ばせるようになるヒントをお届けしよう。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/船橋カントリークラブ
ボールが上がらない、飛ばないの原因の7~8割は突っ込み打ちにある
フェアウェイウッドはパー5ホールや400ヤード近くある距離の長いパー4の第2打でよく使うクラブ。特に3番ウッドは距離を稼げるだけにスコアメイクに欠かせません。ところが、この3番ウッドが大の苦手というゴルファーはシニア世代だけでなく、若い人にも多くいます。
3番ウッドはロフト角が15度前後と少ない上に、芝の上のボールを打つクラブの中でシャフトが一番長い。9番アイアンと比較するとグリップの長さくらい違うことがよく分かるでしょう。それだけ使いこなしが難しいクラブなのです。
ボールにちゃんと当たらない、上がらない、飛ばない。そんな具合にミスショットが出てしまう原因はいろいろですが、ボクの見た限りではオジサンゴルファーの多くは上から打ち込んでしまっています。すくい打ちよりは、突っ込み打ちが大多数です。
ジャストミートすれば距離を稼げるクラブですから、「えいっ!」とボールを叩きにいってしまうわけです。
突っ込み打ちになるとインパクトでフェース面が立って、ロフト角がさらに減ってしまいます。15度前後のロフト角が0度近くとなり、ボールが最初から地面を這うようなゴロとなり、ボールが全然上がらないのです。
ロフト角の少ない3Wは「低い球で飛ばす」クラブと思えばミスしなくなる
3番ウッドが苦手ならロフト角が多めの5番ウッドや7番ウッドをフル活用するのもいいと思います。でも3番ウッドで会心のショットが打てたときの爽快感は捨てがたいですよね。そこで3番ウッドでナイスショットが打てるようになるコツをお教えしましょう。
それが何かというと、「ヘッド・ビハインド・ボール」、これに尽きます。アドレスの頭の位置をインパクトまでしっかりとキープ。頭がボールよりも前に出ないようにし、ボールをカラダの真正面でとらえて、クラブを振り抜いていく。そうすれば3番ウッドのロフト角なりにボールが上がり、キャリーが伸びる球が打てるようになります。
ヘッド・ビハインド・ボールって当たり前のように思うかもしれませんが、自分の気づかないうちに頭が目標方向に流れてしまっている人がとても多いので、自分のスイングを一度見直してみてください。
ぜひ試してほしい練習ドリルも紹介します。ドリルというよりはイメージトレーニングの感覚です。クラブを右手に持ち、左手で左頬を抑えて素振りを繰り返しましょう。頭をアドレスの位置にキープして振り抜く感覚がつかめます。
そして、もう一つ。3番ウッドのショットの弾道イメージも変えましょう。3番ウッドはボールが上がりにくいと思う人が大半でしょうが、上がりにくいのではなく、上がらないクラブなのです。プロ並みにヘッドスピードが速い人ならスピン量が多くボールの揚力がついて高い弾道で飛んでいきますが、ドライバーのヘッドスピードが40メートル/秒以下の人の場合、ボールが低い弾道で飛んでいくのが普通です。
低いライナーで飛ばして、ランを多く出してトータルの飛距離を稼ごう。そんな具合に考えればナイスショットの回数が増えますし、ドライバーと違った飛ばしの醍醐味をエンジョイできますよ。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。
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