「P8CB」アイアンは打感の良さに注目! 「ボールを潰せている感じが伝わってくる」

伊豆にらやまCCで実施されたシークレット試打ラウンドでは、「P8CB」アイアンのセットと、来週その詳細についてお知らせするニューウェッジ「MG5」ウェッジで9ホールをラウンド。アイアンとウェッジに特化した試打ラウンド後にインプレッションや使用感を語ってもらった。

石井 まず、打感が良いですよね。高い球、低い球、フック、スライスといろんな球も打ってみましたが、フェースの上めで打った時でも打感がボヤけません。さすがにマッスルバックとまでは言いませんが、ちゃんとボールを潰せている感じが手にきて、このサイズのアイアンの中では抜群に良いフィーリングでした。見た目も洗練されていますね。

野村 最初はキャビティバックのアイアンとしては少し大きめかと思ったけれど、ちょっと打ったらすぐに慣れました。振ってみると意外と操作性が良くてボールがつかまる。オートマチックと言えばオートマチックですが、球筋を打ち分けるようなゴルファーも満足する操作性を備えていると思います。フェースにボールが乗ったと感じさせる打感の良さも影響しているのかな。

小倉 構えた印象としては、コンパクトですよね。アイアンはヘッドが大きい方が安心感がありますが、反面、大きいぶんボールがつかまりづらいデメリットも生じやすい。でも、「P8CB」アイアンにはそれがなく、メリットだけを感じました。基本的にボールがつかまる方向に作用してくれるので、楽に打ててなおかつ扱いやすかったです。

Pシリーズアイアンの製品名には「7」「770」「790」などの数字が付けられているが、これはブレード長を示したもの。「P8CB」アイアンはその数字が「8」になった。ということはブレード長が81ミリになったというわけで、テスターがヘッドのサイズに言及したのは、ズバリこのせい。
また、石井が前述した「フェースの上めで打った時でも打感がボヤけません」は、やや厚みをもたせたトップブレードによるだと考えられる。

小倉や野村が口にした扱いやすさの一端を担うのは、5~8番のヘッド中央に内蔵された軽比重のセラミックコア。そしてヘッドの軽量化を図ると同時に、フェース外周に重量を分散させるペリメーター ウェイティング デザインを採用することで、寛容性を高め、とりわけオフセンターヒット時のヘッドのブレを抑制する効果を発揮する。寛容性が高く、とりわけオフセンターヒット時のヘッドのブレを抑制してくれるのはこの効果によるものが大きい。

石井が言及した打感の良さを演出するのは独自の加工技術・コンパクト グレイン フォージング。高純度のS25C軟鉄を、一般的な製造過程の2倍以上という2000トンプレス機で5回丁寧に鍛造し、内部密度の高い精緻構造を形成する技術。ヒッティングエリアの背面を厚くしたことと相まって上質な打感を実現している。

日本の芝に強い! ラフでも抜けのいい“スピードソールデザイン”

野村 ソールもすごく良いと思いました。フェアウェイはもちろん、ラフでもヘッドの抜けが良くて、ボールが沈んでると思ったライからでも「パーン!」と抜けてくれた。夏ラフ全盛時のこの季節でも「噛んで飛ばなかった!」みたいなことがなかったです。使い慣れればラフからでも距離のジャッジがしやすくなるでしょうね。

小倉 確かに抜けが良かった。とはいえ、この抜けの良さは打ってみないことにはわからないでしょうから、是非とも芝の上で打ってみてほしい。打てば、誰でも抜けの良さがすぐわかります。

石井 本当は今回のようにクラブに対する先入観がない状態で、いきなりラウンドできるといいんでしょうけどね。それはさておき、ソールの抜け感もよかったですが、ボールも上がりやすかった。7番でロフト30度だから、ストロングロフトではないのですが、軟鉄鍛造だと普通は難しさが先立って球が上がりづらいですよね。

小倉 特に練習場のボールだと余計に上がりづらいから、打球の高さはなかなか感じづらいと思うんです。でも今回は芝の上でコースボールを打って打球の高さを肌で感じられました。ヘッドが大きくても抜けがいいし、つかまるし、当然大きいから芯も広くて、どこで打ってもペラ球(薄い当たり)になりません。

アジア限定モデルということで日本の芝対策も万全。その代表的な例が野村を唸らせたソール。最適化されたバウンス設計のミドルソール、緩やかなカーブであらゆる入射角に適応するリーディングエッジ、接地面積を減らしたトレーリングエッジが三位一体となったスピードソールデザインを採用している。加えて、精密マシンミルドフェースが適正なスピン量に導いてくれるので常に弾道が安定するというわけだ。

球の上がりやすさと操作性が絶妙なバランスで両立されている

小倉 やさしいと言われるアイアンは直進性が高いなどのメリットがありますが、多くのアマチュアゴルファーにとってはボールが上がりやすいところが、やさしく感じる一番の理由じゃないかと思います。

野村 「P8CB」アイアンは、確かに球が上がった。そのぶん飛距離が出たということなんでしょうね。軟鉄鍛造で、ストロングロフトでもないのに、あんなに飛ぶのかと思いました。何で球が上がるんだろう?

小倉 打球が上がるのは重心コントロールの上手さもあると思いますが、それとコントロール性を絶妙なバランスで作ったんでしょう。軟鉄鍛造だとヘッドの後ろ側に別の素材を入れて重くしたり、フェース面を硬くして弾き感を出したりって、ほぼできませんからね。その不自由度の中でのこの性能を出せているのは正直すごいと思います。

石井 ネックはセミグースで、構えた時に安心感を得られるというゴルファーも多そうですね。

小倉 オートマチックにつかまる方向にセットされていることで、やさしさに繋がっていると思います。それから、重心距離は短いですよね。それがつかまりと操作性にも表れています。

野村 そういった点においても、非常によくできたアイアンですよね。

小倉 つかまるアイアンはみんなやさしいと感じると思うので、その意味ではしっかりアマチュアの方を向いて開発されたのだなということがわかります。

石井 まさにその通り。打った瞬間に「つかまえきれない!」と思っても、オートマチックにつかまるくらいのやさしさと安定性があって、打感も良い、完成度の高いアイアンです。

軟鉄鍛造の打感で飛んでくれる。「アイアンは次の段階に来たのかも」

石井 守備範囲も相当広いと思います。上手くなりたい人、前向きなゴルファーなら誰でも使えます。

小倉 上手くなりたい初中級者は、あまりにもスコアが出ないとつまらないじゃないですか。そういう意味からすると、ほぼベストに近いアイアンですね。

石井 自転車の補助輪みたいな作用は感じますが、それが決して邪魔ではない。それに、打感がちゃんとないと、当たったか当たらなかったかがわからなくなりますが、そういうところがないのもいいと思いました。

小倉 ちゃんとつかまらないと一定の距離は打ちづらいので、その意味でもスコアを作りやすいですね。

野村 僕はさっき飛ぶと言いましたが、飛びすぎるところまでいかないのが良いところなんです。7番でロフト30度の感覚がありますが、それよりちょっと飛んでいる。それが嫌ではなくて、むしろありがたい。飛んだり飛ばなかったりじゃ困るけれど、安定して高さも出てくれるのでとてもありがたいです。

小倉 繰り返しになりますが、軟鉄鍛造であそこまで上がるのはすごい。当然グリーンで球も止まりやすいですからね。

石井 この性能ならツアープロの使用にも耐えるし、アマチュアにも使えます。
野村さんが言うようにソールの抜けがよく、小倉さんの言うとおり球のつかまりも良い。それでいてティショットで距離が欲しい時に大きめのフックを打ったり、低いフックを打ったり、パー3で左からフェード系を打とうと思った時なども技術に対応してくれます。
軟鉄で打感の良いアイアンなのに、ミスがミスにならず飛距離も出る。そういうアイアンは5~6年前にもありましたが、上の番手でスピン量が少なくなって球が浮かなかったんです。でも「P8CB」アイアンはちゃんとボールが浮いてくれる。軟鉄で打感がよくてちょっと飛び系。

野村 まさに新世代バージョンのアイアンですね。

小倉 確かに。軟鉄鍛造アイアンが次の段階に来ているなと感じました。

令和の試打職人をはじめとした人気テスターたちを唸らせた「P8CB」アイアン。軟鉄鍛造アイアンに興味があるけど、見た目もやさしさも、さらに打感にもこだわりたいという欲張りなゴルファーは、芝の上で打ってみたくなったのではないだろうか?

さて、テーラーメイド シークレット試打ラウンド取材レポート、次回は【「MG5」ウェッジ編】をお届けするので、楽しみにお待ちいただきたい。