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タイトリスト「T250」を試してわかった! 「飛んで止まるアイアン」の新基準

野村タケオのゴルフ実験室

2025/08/27 ゴルフサプリ編集部 野村タケオ

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。タイトリストから2025年モデルの新しい「Tシリーズ」アイアンが発売になります。その中から僕が一番気になっている「T250」アイアンをコースに持ち込んで試打してみました。デザイン的には前作よりも少しシャープになっているような気がするのですが、機能的にはいったいどこが進化しているのでしょうか。

〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉

「T200」に「50」足したら、進化アイアン「T250」になった!?

今回タイトリストから発売になった「Tシリーズ」アイアンは「T100」と「T150」、「T250」、「T350」の4種類。基本的には前作と同じようなラインナップなのですが、「T250」だけ前作の「T200」から名前が変わっています。おそらくそれだけ進化の度合いが大きいということなのではないでしょうか。その「T250」アイアンを今回はコースに持ち込んで試打しました。

今回の「T250」アイアンは高強度スチールをフェースとボディに一体成形した中空構造。ヘッド内部には高比重タングステンをトウとヒールに分割配置することで、理想的な重心設計と高い安定性を実現しています。また前作でも採用されていたマックスインパクトテクノロジーも進化しており、高密度ポリマーを配することで振動を抑えつつ、エネルギー伝達を効率化。ミドル~ショートアイアンに採用されたシャープな溝との組み合わせにより、キャリー距離と方向性の安定を実現し、フェース全体で高い許容性を発揮するとともに、あらゆるライからのスピンコントロールを強化しています。

フェースには新開発の「Forged L-Face with V-Taper」デザインを採用。フェースをL字型に鍛造することでフェース下部でヒット時でも高弾道を生み出し、安定したキャリーを実現しています。フェース裏にはV字のテーパー構造を加えることで、フェース全体でボールスピードを向上しています。

デザインは前作よりもシャープな感じになりました。バックフェースも前作ではバッジが装着してあったのですが、今作はヘッド全体がスチールになったこととマット調の仕上げになったことで、シャープさと高級感が増しています。デザインもシンプルながら、マッスルバックっぽいイメージもありとてもカッコよくなったと思います。

T200(2023モデル)と今作のT250アイアン
写真上が「T200(2023モデル)」、写真下が今作の「T250」アイアン。バックフェースデザインもずいぶん変わりました。

構えてみるとトップブレードは少しだけ薄めで適度なシャープ感。オフセットはほとんどなく、目標に対してはとても構えやすいです。ヘッドサイズは大きすぎず、安心感とシャープさのバランスがちょうどいい感じ。

打ってみると打感は少し柔らかめながらソリッド感のあるしっかりとしたもの。中空アイアンにありがちなボヤッとした打感ではないですね。打音も低めのカシュッという音で好感が持てます。

弾道は結構高めで、かなり強めの球が前に行くような感じ。弾き感があるわけではないですが、ボールスピードは速そう。しっかりと高さが出る上に、スピンもかかっているのでグリーンではバッチリ止まってくれました。タイトリストはいかにグリーンでボールが止まるかということを重要視していて、弾道高さも大事ですが、落下角というのも大事にしています。このアイアンはその辺りがよく考えられているので、ボールがしっかりと止まってくれるんですね。

そして飛距離性能の高さにも少し驚きました。7番でロフト30.5度なのですが、ロフト表示以上に飛距離が出ました。以前7番でロフト32度の「T150」アイアン(2023モデル)を使っていたのですが、それよりも1番手以上は飛距離が出ていますね。ヘッドスピード41~42m/sくらいの僕が打って、7番で160ヤードちょっと飛んでくれます。もちろん高さもしっかり出るので、飛んでもグリーンでは止まってくれます。

ミスへの許容もなかなかのもの。打点がズレても曲がりが少なく、大きくグリーンを外すようなことはなかったです。距離の落ち込みは多少ありますが、それも少なめなので、ミスヒットにはかなり強いヘッドになっていると思います。フェース下部に当たったときも飛距離は少しだけ落ちるものの、球の高さはしっかりと出てくれていました。これは鍛造L字フェースの効果なんでしょうね。

ヘッド自体の操作性はある程度ありますが、直進性の高い球が打ちやすくなっているので、球を操るという意味では少し難しくなるかもしれません。
もしいろんな弾道を打ち分けたいというのなら「T100」や「T150」を使った方がやりやすいでしょうね。やはりこの「T250」アイアンは操作性というよりも、優しさや安定感を重視した仕上がりになっているのだと思います。

ちなみに僕は6番からPW、そしてその下の48度までを「T250」にして、5番を「T350」というブレンドセット(コンボセット)にしています。「T350」の5番も前作よりもスマートなヘッドになっているのですが、前作同様しっかりと球が上がってくれるので、僕でも地面からしっかりと打てるんですよね。
また、ヘッドのサイズ感やデザイン的にも「T250」との流れがいいので違和感なく使えます。実はタイトリストアイアンを使うツアープレーヤーの約8割がブレンドセットを使っているということらしいです。Tシリーズのヘッドって、違うモデルを混ぜて使っても違和感がないように考えて作られているんですね。

タイトリストの「T250」アイアンをコースで2ラウンドほど使ったのですが、とにかく完成度の高さに驚かされました。寛容性の高さと飛距離性能が高く、またグリーンでもしっかりと止まる性能が高いのでスコアに直結するアイアンだと思いました。中上級者はもちろんのこと、これから上手くなりたいゴルファーにもぴったり。何よりカッコいいので、バッグに入っているところを見るとニヤニヤしちゃいます。
タイトリストは難しいというイメージを持っている人には、ぜひ一度試してみてほしいアイアンです。

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。

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