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「ビジョン54」を原動力に、5Uで1ヤードを打ち分ける吉崎マーナが「日本ジュニア」優勝

2025/08/23 ゴルフサプリ編集部

「日本ジュニアゴルフ選手権」最終日、女子15~17歳の部(22日、埼玉・霞ヶ関CC西C)は6バーディ、1ボギーの68(パー73)で回った吉崎マーナが通算12アンダーまで伸ばして優勝した。勝利の原動力となったのは同郷のスター宮里藍さんも現役時代に取り入れていた「ビジョン54」と、1ヤード刻みで打ち分けるユーティリティだった。(写真/JGA提供)

目標は沖縄の大先輩、宮里藍さん

最終ホールの奥から5メートルのバーディトライはカップをかすめたものの、1メートル弱のパーパットを決めてフィニッシュ。
これがウイニングパットだったものの、プロのトーナメントのようなスコアボードはないことから「バーディじゃなきゃ勝てないと思っていた」吉崎のアクションは控えめ。

それでも1打差で逃げ切ったことをスコア提出所で知ると「すごく嬉しかったです」と喜びの表情で語りました。

身長151センチの吉崎の「一番の目標」は同じ沖縄の大先輩で、やはり小柄(154センチ)ながらも日本ゴルフ史上で唯一の世界ランキング1位となった宮里藍さんです。

その藍さんの名前が付いたジュニア大会で出場し、昨年は優勝したことで一緒にラウンドする機会も得るなどして知ったのが「ビジョン54」でした。

18ホール全てでバーディが取れれば54のスコアで回ることができる、というメソッドを知った時には「ゴルフに対する考え方が変わりました」と吉崎は言います。

「全米女子アマ」では飛距離で圧倒されるも「私はそこじゃない」

スコアの要となるクラブを見せてくれた吉崎マーナ。(撮影/森伊知郎)

アメリカLPGAツアーで通算9勝した藍さんのように海外で戦うことを夢見る吉崎は先々週、「全米女子アマ」に出場する機会を得ました。ストロークプレーの予選を突破し、決勝トーナメントは1回戦で敗れたものの、貴重な経験。さらに海外の選手に飛距離で置いていかれる経験もしました。
そうなると「飛距離が欲しいな」と思うのは当然のこと。
ですが吉崎のすごいところは「いくら求めても、私はそこじゃない」とすぐさま切り替えることでした。
自身のゴルフの生命線はユーティリティ(UT)とパター、と言います。他の選手がアイアンでグリーンを狙う状況でもUTを使うことが多いとあって「UTにはこだわりがあります」(吉崎)
バッグには4番と5番の2本が入っていますが「高さもスピンもコントロールしたいんです」と言います。例えば、弾道の高さは同じでもスピンをかけて止めにいく。
フォローの状況だと、風に乗せて飛距離を出すのか。スピンをかけて止まりやすい球にするのか、といった多彩な弾道を打ち分けるために、現在のUT を選ぶにあたっては「“顔”と構えやすさにこだわりました」。

UTで1ヤード刻みの精度を求める

ちなみに5Uの飛距離はキャリーで155〜160ヤードとのことですが、練習ではトラックマンでデータを測定しながら、1ヤード刻みの精度を求めてやっているのだそうです。

この精度が試合でも発揮できるようになれば「縦距離を重視していけば、山下美夢有さんもそうでしたけど、自分も勝てると思うんです」と身長150センチで「AIG全英女子オープン」を制した山下のようにメジャー制覇も達成できるはず、ということです。

パターは3年ぶりに変更

藍さんのパッティングはかつて「世界一」と評されました。
ここが重要なのは吉崎も同じ。
「道具はあまり替えない方です」が、今年3月に日本女子ツアーの「ダイキンオーキッド」に出場した後に約3年ぶりにスイッチしました。今のパター は「すごく直進性が良くて、ロングパットのタッチが合う。ショートパットも外さなくなりました」とお気に入りの様子です。

「ダイキン」では初日に6位発進して最終結果は12位タイと上々のもの。
4日間の平均パット数は27.25で7位と立派な成績だった試合で使ったパターを替えるあたりにあくなき向上心が見えます。

それも「LPGAに行ったらここを武器に戦わないと行けないから生命線です」と、すでにアメリカで戦う、いや勝つためには何をストロングポイントにするべきかを理解しています。

優勝でプロテストの2次が免除に

とはいえ、高校3年生ということでまずは今年のプロテストに受かることが目標となります。
「日本ジュニア」に優勝したことで2次が免除になり、次は11月の「最終」となりました。
「調整期間も伸びたので、そこでしっかり上げていきたいです」との言葉通りきっちり合格して、早くプロとして活躍する姿を見たいものです。
(取材・文/森伊知郎)

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