アプローチの練習が楽しくなる! 「今のは良い当たり?」“正解が見える”方法とは?
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【23】
多くのゴルファーが避けがちなアプローチの練習。それは「正解が見えにくいからこそ続かないのです」と言う蝶ネクタイを締めたゴルフコーチ・今野一哉は言う。アプローチ練習が疎かになってしまう原因と、上達につながる練習法を聞いた。
正解が分かりにくいことが、アプローチ練習が疎かになってしまう原因
ゴルフサプリ 今回のゴルファーあるあるは、練習場でアプローチの練習をする人が少ない、です。ドライバーはたくさん打つけど、アプローチの練習に時間を割かない。このことはアプローチのレッスン記事の中でもよく言われていることです。まず、どうしてアプローチの練習をしない人が多いのですかね。
今野 まず、練習場に来てアプローチの練習をすると、なんとなくお金がもったいないと思ってしまう、ということがあると思います。
ゴルフサプリ わかります。初心者の頃に、短い距離を打っていると「この1打で〇〇円か」なんて計算してしまったりして、早々にドライバーを持ってしまったりしていました。
今野 フルスイングしないともったいないなって思いますよね。その練習場が大きければなおさらで、弾道がよく見えるような広い練習場に来たら、フルスイングしたくなるのは仕方ありません。
ゴルフサプリ そうですよね。
今野 このことがアプローチの練習時間が少ない理由のひとつとして挙げられます。次に、ある程度ゴルフの経験を積むと、ボールの違いが理由になると思います。
ゴルフサプリ ボールですか? ああ、なるほど。
今野 はい。練習場のレンジボールと、自分が使うコースボールでは飛び方が違う。このことが、練習場でのアプローチ練習に積極的になれない理由になると思います。それから、ドライバーやアイアンだとナイスショットとミスショットがわかりやすいですが、アプローチだとそれがわかりにくい時がないですか?
ゴルフサプリ そう言われると、そうですね。上級者はそんなことないのでしょうけど、打ったボールの高さとか、低すぎたのか高すぎたのか。今のは良かったのか? なんて首を傾げてしまう時、あります。
今野 そうそう。アプローチって意図した当たり方じゃない、飛び方じゃない、でもなんとなく良い結果になっちゃったみたいなことがありますよね。
ゴルフサプリ 結果オーライみたいなことですね。
今野 逆も然りで、めちゃくちゃ良い入り方したのに全然寄らなかったということもある。いまいち正解と不正解が判然としないというか、明確にわかりにくいことがある。だから、はたして今やっていることには意味があるのか? なんて考えが浮かんでしまって、ここでアプローチを打っても仕方ないからフルスイングの練習をしてしまえ、となってしまう。こうしてアプローチの練習をしなくなる、という人もけっこう多いと思うのですよね。
ゴルフサプリ すごいわかります。何球か打つと頭の中に「?」が浮かんで、アプローチはもういいや、と思ってしまったことが何度もあります。
今野 みんな、アプローチの練習が大事なことはわかっているんですよ。上手くなりたいと思っているから練習場に来ているのですからね。
アプローチの練習は狙った当たり方ができているかを確認できれば良い
ゴルフサプリ では、どうしたら練習場で、意味のあるアプローチ練習ができていると思えるようになるのでしょうか。
今野 まず、アプローチの難しさのひとつとして、狙ったキャリーに打てたとしても、グリーンのラインや硬さまで読めているかどうかで、結果が大きく変わるということがあります。例えば、ピンまで30ヤードのアプローチを打つとして、やわらかいグリーンならキャリーがピンに近くなりますし、カチカチの固いグリーンならキャリーはピンから遠くなりますよね。こうしたことを認識せずに打ったら、どんなに良い当たり方、イメージした通りの高さで打てても良い結果にはなりません。
ゴルフサプリ 確かにそうですね。グリーンを読み切れずに寄らなかったということは、よくあります。
今野 いかに良いインパクトをしたとして、良い結果になるとは限らないということがアプローチにはあのですよね。このことを踏まえて、やるべき練習というのはあります。狙ったインパクト、それによって自分が頭の中に描いた弾道が出るかどうか、これを確認しながらある程度イメージ通りに打てるまで打つという練習です。この当たり方がしたい、この高さを出したい、そういった明確なイメージを持って、練習するということですね。
ゴルフサプリ なるほど。
今野 練習場でアプローチを打った先にあるのは、ボサボサの人工芝だったりするわけで、ボールが落ちた後のボールの行方は実際のゴルフ場とは全然違いますよね。だから、ボールが落ちた先のことまでコントロールすることはできません。練習場でゴルファーができるのは、狙ったインパクトができているかどうか、までなのですよ。
ゴルフサプリ 他にもアプローチ練習がしたくなるような方法はありますか?
今野 ウェッジというのは必ずしも芯で打つクラブではありませんよね。フェース全面に溝が入っていたりするようなクラブですから、芯を外して打つことも多いクラブです。ですから、色々な球を打つことができるわけで、弾道の高さを高くしたり、低くしたり、スライス回転やフック回転をかけたりすることもあります。
ゴルフサプリ プロはよく芯を外して打っているなんて話を聞きますね。
今野 そういったクラブだということを理解し、アプローチショットに対する自分の感性を高める練習として、同じ狙い所に対して、高い球や低い球で打ったり、ドローやフェードで狙ってみたり。そうやって打っていると、どんどん球数が消費されていって、どう打ったらどんな球が出るかがわかってくるんですよね。
ゴルフサプリ それに、ゲームをしているみたいで楽しいですね。
今野 そうでしょう? 効果としては、色々な打ち方にチャレンジしていくうちに、感性が磨かれていくというのが大きいですね。
ゴルフサプリ すると、コースで遭遇する色々な状況にも対応できるようになりそうですし、アプローチの練習が楽しく続けられそうです。
今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。
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