選手は「グリーンが硬くて、速くて大変」と口を揃える
この日のプレーを終えた選手たちの口からは「グリーンが硬くて、速くて大変です」との声が多く聞かれました。
データを見ても、この日プレーした102人がパーオンしたホールでの平均パット数が「2」を超えたホールが2つ。初日にも1ホールありました。
ちなみに先週の「NEC軽井沢72」では大会3日間で1ホールもなし。パーオンして2パットだとバーディーは取れないことを意味しますから、ツアープロともなれば平均で「2」は切りたいものです。
グリーンの形状やカップがどこに切られるかという条件の違いがあるとはいえ、この数字には選手たちが苦労していたことが表れています。
ところが、そのグリーンについて大会からは速さを示す「スティンプ」も、硬さを示す「ファームネスメーター」も公表されていません。
(とんでもないスピードや速さにならないように計測はされています)
グリーンの速さも硬さも公表しない その意図は
みなさんがプレーする通常営業のゴルフ場でもマスター室などで表示されているスティンプ(スピード)は何フィートで、コンパクションはいくつだから硬さはこれぐらいだろう、とグリーンのコンディションをイメージしながらラウンドに臨むのではないでしょうか。
それがプロのトーナメントで一切公表されないのはなぜ? と思うかもしれません。
これには大会ゼネラルプロデューサー(GP)を務める戸張捷氏の「ゴルフって、もっとアナログなところがあっていいのではないか」との意向によるものです。
戸張GPは「実は、全米オープンも全英オープンもグリーンのスピードや硬さは公表していないですから」と言います。
自身が解説で現地に足を運んだ世界最高峰のメジャーでも、そうやって選手の感覚や対応力を試している。
最近では一般ゴルファーの練習でも様々な数値を測定するデジタル全盛の時代ですが、自然を相手にするスポーツだからこそ、あえてアナログ的な手法を取ったというわけです。
あえて“アナログ”に
通常、公表されるスピードと硬さは第1組がスタートする前に計測されます。
ですが戸張GPは「朝一番で測った数値と、最終組が18番でプレーする時のスピードは違いますよね? 硬さだって、グリーンのどこにボールが落ちるかによって違ってくるのですから」とも言います。
グリーンのスピードは時間が経つことで乾いて速くなるのか。
逆に芝が伸びて遅くなるのか。
グリーンの形状も平らではないですから、低い所には水が集まって柔らかめになります。
その塩梅は、どれぐらいのものなのか。
こうしたことを選手がどこまで感じ取ってマネジメントしているか。そして結果につなげているか。
あえて情報を少なくして現地観戦。あるいはテレビ放送やインターネット配信を見るとより面白さが増すのではないでしょうか。
(取材・文/森伊知郎)




