パッティングライン上のグリーンの凸凹、直したらペナルティ? ボールマークの処置を解説
ゴルフのルール&マナー
自分のライン上に凹みがある場合、当然、直したくなりますが、ライン上をいじってもいいのかどうか迷う人も多いはず。意を決して直そうとすると、「それってペナルティーじゃなかったけ?」と言われることも。本当は直してもいい? それともいけないの?
ライン上でも凸凹の修復はOK
「ライン上の凸凹って直しても良かったんだっけ?」
「多分、大丈夫だと思うけど……」
「いやいや、自分でつけたボールマークは直すべきだけど、元からあるライン上の凸凹は直しちゃいけないよ」
そんな会話が、いまなおグリーン上のあちこちで繰り返されているようです。
結論からいうと、今はOKです。わざわざ“今”といったのは、以前はルースインペディメントならば取り除けたのですが、それ以外は修復NGだったから。もし直した場合は2罰打が科せられていました。しかし、2019年のルール改正で、例えライン上でも、それまで直せなかった凸凹が大きな顔をして直せるようになりました。
おそらく、「ペナルティーだ!」と叫んだ人は、以前のルールが書き換えられていなかったのでしょうね。
さて、ここで“修復可能なもの”と“修復できないもの”を改めて整理しておきましょう。
【修復可能なもの】
ボールマーク、スパイクマーク、シューズによる損傷、メンテナンス器具や整備車両、旗竿による擦り傷やくぼみ、古いホールの埋め跡、芝の張り替え跡、動物の足跡、張芝の継ぎ目、石・どんぐりなどくい込んでいるもの。また、グリーン上の砂やバラバラの土を取り除くことも可能
【修復可能できないもの】
エアレーションの穴、散水、雨、その他の自然の力による損傷、芝の生育度合いの差などで生じている自然の凸凹、芝生のハゲ
なお、修復に関しては、手、足、他の体の一部、または通常のボールマーク修理器具(グリーンフォーク)、ティー、クラブ、通常の用具の中で類似するものによって修理しなければならないと決められています。ティーで直すのはルール&マナー違反のように見えますが、ルール上は問題ないのです。
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もし、ピッチマークのくぼみにボールが止まっていたら?
ライン上ではなく、ボールそのものがピッチマークのくぼみにハマっている場合はどうすればいいのか? このようなときも無罰でボールを拾い上げ、修復することができます。手順としては、マークをしてボールを拾い上げ、グリーンフォークで修復してボールを再び元の位置に戻せばOK。ボールがグリーンにズボッと埋まってしまった場合も、同じ処置が可能です。
また、トーナメントなどを見ていると、ライン上をパターのソールでトントンと叩いている選手がいますが、「ラインの修復にはクラブを使ってもいい」となっているので、あの行為も何ら問題はありません。あれがルール違反だったら、ほとんどの選手が違反を犯していることになりますからね。
ただし、ホールへの道を作るなどして、パッティンググリーンを改善したとみなされた場合はペナルティーとなります。本人にはそのつもりはなくても、“叩き過ぎ”は控えるようにしましょう。
また、修復にはできるだけ時間をかけないようにすることも大事です。素早く修復できるように、グリーンフォークはすぐに取り出せるようにしておくと同時に、普段から、グリーンフォークの扱い方にも慣れておきましょう。
文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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