ロングパットの距離感は“ヘッドスピード”でコントロール。フォローの大きさで距離感は出ません!
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.27
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマはパットの距離感。ロングパットがショートして痛恨の3パット、というパターンのアマチュアが多いが、そんな人ほどフォローを大きく出すストロークにしようとする。「でも、それが間違いのもと」と勝又。“型なし”と言われるパットでも、そうする前に試してほしいことがあるという。
フォローを大きくするほどヘッドアップやヘッドの減速を招く
ロングパットが寄らないと、フォローを大きくとって距離感を出そうとする人が少なからずいます。「もっとヘッドを出さないと」と考えてフォローで距離感を作るようにするわけです。「インパクトで緩んでいるから、フォローでヘッドを出さないと」みたいなことを人に言われて試す人もいるでしょう。
でも、それをやると大事な場面で芯を外したり、逆にインパクトが緩むことが多くなります。というのも、フォローでヘッドを出すようにストロークをすると、どうしてもヘッドアップしやすくなるからです。また、長い距離を転がそうとストロークを速くして、なおかつフォローを大きくしようすれば、大オーバーするのは明らかなので、それを警戒して無意識にインパクトが緩んでしまうのです。
そもそも距離感はヘッドスピードを上げ下げしてコントロールするものです。イメージで言うならトンカチで釘を強く打つ時に、釘をグイグイ押す人はいませんよね。強く打とうとする時には、トンカチを上げて振り下ろす時のスピードを速くしています。手元を前に出そうとはしないのです。
パッティングも同じで、長い距離を転がすにはヘッドを加速させることが重要で、それには切り返しで手元が動くスピードは速くなるものの、インパクトの瞬間は手元が減速した方がヘッドは加速します。つまりフォローを出すのではなく、逆に出さずにしっかり打つみたいなイメージをもった方が緩まずに打てる。青木功プロのパッティングのイメージで、手は前に出ずパターヘッドが前に出る。トンカチの要領でしっかり打つから、カップに届くしブレも出にくいわけです。
この動きを身につけるのにオススメなのが、ボールのスリーブケースを使ったドリル。下の写真のようにフォローサイドにケースを置き、フォローでヘッドがケースに当たらないようにボールを打ちます。長い距離を打つ時ほどヘッドスピードを上げなければいけませんが、フォローを出して手が前に出るとヘッドがケースに当たってしまいます。
プロがロングパットでフォローが大きくなるのは、距離を意識しているからではありません。加速しようとすると、惰性でヘッドが出てしまうからです。当たる瞬間のヘッドスピードを上げようとすれば誰もがそうなります。フォローを大きく出す前に、ヘッドを加速させて打ってみてくださいね。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
ロングパットが寄らない、届かない? 原因はブレブレのテークバックかも!
巷で人気の個性豊かなティーチングプロが、ワンポイントに絞ったレッスンで、アマチュア読者のお悩み解決に挑む! 今回はロ...
10メートル以上のロングパットは3パットして当然? 2パットで収める方法は?
石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」。第22回は、グリーン上でのお話...
ユーティリティはアイアンの仲間! 払い打つよりも打ち込むイメージのほうが合う!
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、...
バックスイングで左ヒジは曲がってもOK!? その理由は、伸ばそうと力んで胸が回らなくなるから!
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」...