アマチュアはマネできる? 藤田寛之のレディスフェアウェイウッド活用術
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第82回
今シーズン、PGAツアー チャンピオンズ(米国シニアツアー)のシード選手として戦う藤田寛之が、レディスモデルのFW2本をバッグに入れたというニュースを覚えているだろうか。しかも、本来の5Wを7Wとして、本来の7Wを9Wとして使うという“番手ずらし”の奇策に出た。カリスマフィッターの鹿又さん、この狙いはなんですか? ボクらもマネしていいですか?
今どきのFWはロースピンで飛ぶ傾向にある!?
プロがレディスモデルを使ったこと自体が稀だから、メディアに取り上げられて注目されましたね。この背景は何があるかといったら、プロがというよりは藤田プロが求める弾道や距離と、いま主流になっているFWの弾道と距離がかけ離れている、ということが起こっているので、そういう“奇策”に出たのだと思います。
シンプルに一つ言えるのが「スピン量」の違いです。FWの中でも、とくに5Wとか7Wに求めることが、飛距離ではなくて、ウェッジ的に球を操れて距離をコントロールできるモノってなると、いま主流のFWではスピン量が少なすぎてコントロールしきれない。その対策として、たまたまレディスモデルのヘッドを使うことになったのでしょう。
球が上がりやすくてスピンが入りやすいレディス用のヘッド
一般的なメンズモデルとレディスモデルの違いを言うと、大前提としてレディスモデルのほうがメンズモデルに比べて、ロフトが寝ていて、ヘッドが軽い。もう一つはヘッド特性として、ヘッドスピードが遅い人が打って球が上がり、ある程度のスピンが入るようにできています。
ただ単純に、アンダースペックでレディスモデルを使うわけではありません。そうすると何が起こるかっていうと、球がスゴく高く上がってスゴくスピンが入るFWになります。
考えなければいけないのは、ヘッド重量が足りないこと。通常のメンズモデルの流れに入れようとすると、クラブ長さを長くするか、ヘッド重量を調整してヘッドを重くして使うか、その二択しかありません。おそらく、藤田プロは後者の方法で、ヘッドの中にジェルとかを入れて重量調整をして使っていると思うんです。
大原則は、イメージした弾道と距離が打ちやすいクラブを探す
決してこのやり方は、一般の男性アマチュアが真似をして同じような結果になるものではありません。レディスモデルをセットの中に入れるというのは、重量フローの問題だったり、重量とシャフトの問題だったり、長さの問題が出てくるので、スゴく難しいこと。それならば、ショートウッドとかユーティリティなどをもっといろいろ探したほうが得策だと思います。
ただ、アマチュアの皆さんが参考にしてほしいのは、グリーンをターゲットにコントロールして狙うというショートウッドを探すときに、ロフトや番手に捉われないことです。あくまでも「自分が打ちたい距離と弾道が打てるクラブ」という目的に絞ればいいので。
ですから、例えば3W→5Wの下には、7Wじゃなくて9Wでもいいでしょうし、もっと言えば11Wでもいいでしょう。というように「○ヤードを打つクラブはどれか」という探し方をしてもらえば、こういう特殊なことをしなくても見つけられますよ。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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