下罰型や救済型、ショットに役立つターゲットバンカーもある
前回のコラムでは、バンカーはみんな同じではないとお伝えしましたが、うまく対処するにはやはり練習が必要で、そこは各々で頑張っていただくしか仕方がありません。ただ、バンカーについてはもう一つ、その役割を知り、それを利用する方法を知っておくだけでコースマネジメントに役立ち、スコアアップにつながることがありますので、今回はそれについてお話したいと思います。
ホールにおけるバンカーの役割を知っておくと、必ずいいことがあります。グリーンを取り囲むように配されたガードバンカーはプレーヤーが攻めづらいようグリーンを守る、いわば城のお堀のような役どころ。また、ティショットでドライバーを打った時に入りそうなところにあるバンカーは、ティショットの落とし所を狭くするためにあります。
これらは罰を与えるためのバンカーで、僕は下罰型のバンカーと呼んでいます。それとは反対にOBに行きそうな球を止めてくれる救済型のバンカーや、ショットを打つ際のターゲットになるバンカーもあります。
もちろんバンカーはハザード、入れないに越したことはありません。でも、罰を下すためにあるバンカーと、プレーヤーを救済してくれるバンカーを理解できるとコースの見方が変わります。また、バンカーに入った時に「あ~バンカーだよ」か「入ってくれてよかった」とでは気持ち的にも全然違う。バンカーがなければ間違いなくOBだったのに、バンカーに入ったことでパーがとれるかもしれないんですから雲泥の差です。
ショットを打つ際にはナイスショットしても、距離的に届かないバンカーをターゲットにすることがあると思います。全てがそうではありませんが、その目的で作られているバンカーもある。いずれにしてもバンカーは目立つのでターゲットにはうってつけです。この場合、届かないバンカーを目がけて打つのが一般的ですが、アメリカPGAツアーでは「バンカーからフック」、「バンカーからスライス」といったようにイメージするプロが多いそうです。フェアウェイからハミ出たところにあるバンカーを目標にした方がフェアウェイに収まりやすいという考え方だと思いますが、これもバンカーの有効利用。プロにとってはバンカーがあるゴルフ場より、何もターゲットがないゴルフ場の方がショットをイメージするのが難しいのです。
グリーンの奥にもバンカーがあるホールが多いですが、これらはほぼ救済型で、次のホールにボールが行かないようガードしています。グリーン奥がOBのホールも多いので、救済されたことがある人も多いでしょう。ただし、多くの場合グリーン奥のバンカーは砂が少なく、受けた形状で硬くなっています。バンカーショットは下りのラインに打つことになり、左足下がりのライになることも多いのでアマチュアの方には救済とは言い切れないことがもっぱら。救済型でもあり下罰型でもある、といったところですが、いずれにせよ避けるべきバンカーです。
絶対に入れたくないバンカーとは?
絶対に入れてはいけない下罰型バンカーをわかりやすく言うなら、入れたら出すことしかできないバンカーです。アゴの高いクロスバンカーはその典型で、入れたらグリーンが狙えずパーセーブが難しくなります。プレーヤーの飛距離や使おうとしている番手によっても変わりますが、グリーンに届く番手を使うことが許されなかったり、ダフって飛ばないミスが起きすい深いバンカーは絶対入れてはいけないと考えましょう。
バンカーの大きさに着目するのもポイントです。傾向的にグリーンに近いバンカーは大きく作り、手前側のバンカーを小さくすることで、同じような大きさに見せているケースがよくあります。グリーン近くのバンカーに行ってみたら意外と奥行きがあった、ということはよくあります。それを忘れてグリーンを狙うとまんまと捕まるので注意が必要です。また、2打目以降でバンカー越しにグリーンを見た時に、バンカーのすぐ後ろにグリーンがくっついているように見えることもあります。見たままのケースもありますが、多くはバンカーとグリーンの間に緩衝地帯のようなエリアがあります。これについてはホール図を見ないとわかりませんが、極力足を運んで確認してから打つようにしたいところです。
バンカーはゴルファーにプレッシャーを与えるために、わざわざお金をかけて作っているわけですが、怖がるばかりでは自ら攻め手を狭める一方。ケース・バイ・ケースでうまく利用しながらラウンドできるとマネジメントの幅が広がってスコアアップにつながります。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。




