永井花奈が 絶好調の今、 6Uを6番アイアンにした理由は?
【RMX DD】
未発表でUTに優る性能魅せた「RMX DD-2」の刻印が入ったアイアン。名器の予感!
先週の日本女子ツアー「ゴルフ5レディス」で永井花奈は、優勝した荒木優奈と2打差の3位だった。「15番のボギーが悔やまれます」と言ったものの、67は最終日のベストスコア。ここ3戦は2→4→3位と好調が続く中でこの試合では6番ユーティリティ(UT)を6番アイアンにスイッチしていた。翌週にメジャーを控えるタイミングで、あえてUTよりも「難しい」アイアンをバッグに入れた理由は何なのか。
年間ポイントの半分を直近3試合で稼ぐ
昨シーズンはキャリアワーストのポイントランキング81位に終わった永井は、今シーズンはQTランキング1位の資格で参戦しています。
7月の「明治安田」で今シーズン初のトップ10入りをすると、直近の3試合は2→4→3位と好調をキープ。シーズンのトータル獲得ポイント(522.39点)の半分近い253.6ポイントを3週間で稼ぎました。
その好調の最中での「ゴルフ5」では6Uを6Iにスイッチ。
一般的には同じ「6番」でもUTとアイアンの難易度はかなり違うはず。
あえて難しい、とされるアイアンにしたのは「UTだと捕まりすぎることがある」という理由を説明します。
フェード打ちならではの理由は
フェード打ちの永井にとって、左に打ち出して戻ってこないボールは一番嫌な球筋です。
一般的にUTに求められるのは、しっかり捕まってボールが上がること。
ただし、ロフトが25度ぐらいある6Uになると、プロにとっては捕まる度合いが過ぎてしまうこともあるそうです。
平均飛距離232.91ヤードでランキング74位の永井にとってUTはパー4の2打目で使う機会の多いクラブですが、左に出て戻ってこない球が出ると左サイドのピンを狙うには恐怖が伴ってしまいます。
それでもこれまではアイアンではボールが十分に上がらない、という理由でUTを使っていました。
ヤマハの未発表アイアンで悩みを解消
それが「ゴルフ5」から投入したヤマハの新しいアイアンでは「ボールも上がるし、切っていきやすい(=フェードがしっかり打てる)」、と高さと曲がりの両方の課題がクリアされました。
バックフェースに「RMX DD-2」の刻印が入っているクラブの詳細は発表されていませんが、現行の「RMX VD/X」の後継となるポケットキャビティタイプのアイアンだと思われます。
とはいっても前週までの成績が2位、4位と続き、翌週にはメジャーも控えるタイミングでスイッチするのは勇気のいる決断だと思われます。
これについて永井は来週のメジャー「ソニー日本女子プロ選手権」(茨城・大洗GC)を見据えてのものだと説明しました。
「メジャーでぶっつけ本番で使うよりは今週使ってみて、バーディも取れたしこの順位だったので正解だったのかな、と思います」(永井)。
「もうひとつ上のステージに行きたい」
「ゴルフ5」での3位で来シーズンのシード獲得には目途が立ちました。
「あとは優勝を狙っていくだけ。もうひとつ上のステージに行きたい」とメジャー制覇を見据えての決断。そのためにも好調の時だからこそ新しいアイアンを実戦で使ってみて、メジャーで武器になるという確信を持ちたかったということです。
最もやさしい番手が“危険”なクラブになることも
6Uあたりの番手はバッグの中で最も簡単な番手、といえるでしょう。
ですが、その特性ゆえに裏を返すと「捕まりすぎる」現象は一般のアマチュアにも起こりうることです。
トーナメントの現場でツアープロたちをサポートするレップの方からは「同じメーカーの同じシリーズで揃えていても、番手毎の特性で捕まりすぎるというケースもあります。ですのでUTをあえてアイアンにするという選択肢もありですよね」と一般ゴルファー向けのアドバイスをもらいました。
永井の場合は6Uを6Iにしても、飛距離もそれほど変わらなかったそうです。
「やさしく捕まる」クラブでナイスショットしたはずが想定外に左に飛んでしまい、スコアを崩した経験があるようでしたら、永井のクラブ変更を参考にしてみるのも良さそうですね。
(取材・文/森伊知郎)
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