練習量が少ない人でもスコアがまとまる究極のセッティングとは?
【ダグ三瓶】
ここ数回に分けてスコアにつながるシャフトのセッティング法をダグ三瓶に教わってきた。そしてついに究極の提案が……。
それでは、先週からの続きで、セット内のシャフトの硬さのお話をさせてください。まずは、このグラフをご覧ください。
クラブセット内の 長さ・ヘッドスピード・シャフト硬さの関係
こちらは横軸に長さ、縦軸に振動数とヘッドスピードを表しています。簡単に言うと、右からドライバー、FW、UT、アイアン、ウェッジと徐々に短くなっていると考えてください。
左の軸は振動数で硬さを表しています。数字が大きいほど硬いと考えていただければ嬉しいです。
右の軸はヘッドスピードを表しています。
青のラインは、長さとヘッドスピードの関係性です。
人によって程度(傾き)は異なりますが、このように長さが長いほどヘッドスピードが速くなりやすいです。
それに対して、オレンジのラインの振動数は長いほど低く出やすい(柔らかくなりやすい)です。もちろん、振動数だけでシャフトの硬さのすべては語れませんが、目安として考えていただけると嬉しいです。
つまり、何が起こっているかというと、長いクラブほどヘッドスピードが速くなりやすいのに対して、シャフトは柔らかいものになっているということを示しています。
ほとんどの方のバッグの中のセッティングがこのようになっていると考えていただけても良いでしょう。
これでは、長いクラブほど速く振りにくく、短いクラブほど力が入りやすい、という傾向があると言っても言い過ぎではないとをご理解いただけると嬉しいです。
ドライバーがいいのにアイアンが…の原因はクラブのせい?
おそらく、ゴルフクラブの歴史を振り返ってみても、このように、長いクラブほどシャフトが柔らかいというセッティングが当たり前になっていて、そこから大きく変わったものはほとんどなかったと考えていますので、みなさんの中では、ゴルフクラブと言うのは、こういうものだ! という感覚で慣れてきた上で、現在に至っているのでは? と考えています。
ですが、現在は、シャフトの種類も多種多様で、かつ、それぞれのクラブの特徴も多様化+性能が特化してきており、例えば、ドライバーなどのシャフトはすごく軽くて柔らかいもの、なども出てきていますので、それぞれを単体での評価のみで組み合わせていくと、上記のグラフよりも、もっと極端になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのために、結果として、ドライバー合わせでスイングを調整していくと、アイアンがイマイチ当たらない、や、逆にアイアンばっかり練習するとドライバーが当たらない日があったり、もっとそれが顕著に出てしまうと、ウェッジ・パターが極端に苦手になりやすかったり、などの現象が出やすくなっていると考えています。
プロや上級者の様に、豊富な練習量でこういった流れのセッティングでも使いこなせることもありますし、そのあたりは、正直に言えば、才能によって出る出ないの差が出ることも可能性としてあるでしょう。
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練習量が少ないアマチュアへの提案
一般のアマチュアの方が、限られた練習量で使いこなすためには、そのつながりを根本的に見直すことも良いのでは?とご提案してみたいと考えています。
例えば、以下のようなセッティングにしてみるのはいかがでしょう?
クラブセット内の 長さとシャフト硬さの関係
上記のグラフは先ほどのグラフの振動数の部分にフォーカスしています。これは長さが変わっても、振動数が同じになるようにセッティングした場合のグラフです。
もしこのようなセットができたとして、フィーリングはどうなるか? というご説明をさせて下さい。
まず、このセットだと長いクラブほど硬く感じやすいです。シャフトが硬く感じることのメリットは球に当てやすくなります。シャフトによるタイミングを取らなくてはいけない感覚が少なくて良くなるということから起こる現象ですね!
なので、ロングアイアンでも、ナイスショットの確率が上がります。しかしながら、デメリットもあります。やはり、球が上がりにくくなります。
上がりにくい番手で上がりにくさが出るのは少し気になります。
そうならないように、その分をロフト角や長さでカバーする必要があるかもしれません。
例えば、アイアンよりも硬く感じやすいシャフト入れた、アイアンよりも長いUTなどを検討するのもありでしょう。そうすることで、スピードに差が出やすく、球の上りも確保できるようになるかもしれません。
続いて、ショートアイアンは、柔らかく感じやすいです。
ただし、もともと、ショートアイアンになるにつれヘッド重量も重くなっていくことで十分に柔らかく感じている方もいらっしゃるので、そういう方には柔らかく感じすぎてしまう可能性もあります。その場合には、ショートアイアンは少し短くするか、今まで通り、ウェッジ用のシャフトを入れていく、などの工夫が必要かもしれません。
番手間の振り感の差が少なくなることによるメリットはありつつも、そのデメリットも踏まえたうえでチャレンジするのは良いでしょう。
長さが変わっても振り心地が一緒になる
実は、このセッティングは実験済みで、かなり使い勝手が変わったことを体感しています。いわゆる、長さが変わっても振り心地がそろう感じがわかります。いうなれば、長さが違うのに、ワンレングスのクラブを振っている感覚に近くなりやすいです。特に長いクラブの振り感は今までにない感触になりやすく、当てやすくなる、という感覚がつかめる方が多いです。
ただ、このセッティングにするためには、かなりシャフトに精通し、シャフトの選択もしなくてはなりませんので、あくまでもご参考までに考えていただけると嬉しいです。
例えば、長いアイアンから短いアイアン、ウェッジにかけて同じシャフト入れる、などをしてみても面白いです。
アイアンの例ですが、このように全番手に8番アイアン用シャフトを入れるというのもやってみると面白いです。こうすることで、振動数が近い値でそろいやすくなります。
じゃあウッド系はどうするの?
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