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金澤志奈にメジャー制覇をもたらしたのはジャンケンで決めた5W!?【「ソニー日本女子プロ選手権」最終日】
女子ゴルフのメジャー「ソニー日本女子プロ選手権」最終日(14日、茨城・大洗GC)は、金澤志奈が通算10アンダーで並んだ桑木志帆とのプレーオフを制してツアー初優勝をメジャーの大舞台で挙げた。その勝因となったのは、なんとスタート直前にキャディとのジャンケンで使用を決めた5番ウッドにあった。
スタート直前の雨で5Wを「晴れ用」と「雨用」のどちらにするか迷って選んだ手段は…
この日の大洗は午前7〜8時すぎにかけて雨が降りました。
短時間で止む予報も、すでにスタートしている選手は傘をさすほどで、いつ止むのか。フェアウェイなどがどれだけウェットなのか予測がつきにくい状況でした。
金澤志奈は3、5、7番と入れているフェアウェイウッド(FW)は通常使う「晴れ用」と、雨やウェットなコンディションで使う「雨用」の2種類を試合に持ってきています。
8時46分のスタートに向けてドライビングレンジで調整していた時はそこそこの雨。
とはいえ天気予報ではラウンド中には晴れ間も出る見込み。
そんな状況で3本のFWのうち5Wをどちらにするのかを潟手陽介キャディとの相談でも決められず、最後にとった手段はなんと「ジャンケン」だったのです。
5Wをめぐってキャディとジャンケン。二度の「あいこ」の末の勝負は
二度「あいこ」が続き、3回目で金澤が勝った結果使うことになったのが「晴れ用」でした。
ちなみに「晴れ用」と「雨用」の違いは、ヘッドは同じホンマの「T//WORLD GS」 ですが、「晴れ用」はフェース中央に溝がなく「雨用」にはあります。
ここまで悩んだものの、スタートしてみれば前半途中から夏のような日差しになったので「晴れ用」にして大正解。そしてシビアな場面でその5Wを使う機会が巡ってきます。
10アンダーで桑木と並んでいた正規の18番ホールの2打目で金澤が使ったのは5Wでした。
結果はグリーン奥のラフまで行きましたが、もう少しでチップインのアプローチでパーセーブしてプレーオフへ。
この場面を潟手キャディは「雨用の5Wを晴れている時に使ったことはないので、どんな球が出るかわからなかった」と振り返ります。
もし金澤がジャンケンで負けていていたら…
しかも「雨用」は4週前の「NEC軽井沢」後に微調整をしてから試合では未使用。
さらにこれまで使った回数も圧倒的に「晴れ用」の方が多いのでソールの減り具合もかなり違い、全く同じスペックでもアドレスした際の“座り”感が異なるそうです。
「晴れ用」5Wの飛距離の目安はキャリーで190ヤード。
平均飛距離が228.64ヤードで89位の金沢がクラブに求めるのは飛びではなく「曲がらないこと」。
クラブ選びに妥協はせず、FWも2021年モデルを使い続けています。それが、もしジャンケンで金澤が負けて雨用のウッドを入れていたら、結果は違ったものになっていたかもしれませんでした。
史上2番目に長いコースでの戦い
今大会の6840ヤードは、パー72としては昨年の「日本女子オープン」(大利根CC、6845ヤード)に次ぐ史上2番目の長さ。
そのため金澤はパー4の2打目でもFWやユーティリティを多用することになりました。
FWは3日目まで「晴れ用」を使用。最後に迷ってジャンケンに頼った?ものの、やはり「晴れ用」を使うことになった運の強さが、地元・茨城でのメジャーでツアー初優勝という快挙につながったのかもしれません。
(取材・文・写真/森伊知郎)
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