キャロウェイ「APEX Ti SUPER HYBRID」飛びに操作性が加わった!? 石井良介の試打レポート
「APEX UW」と「APEX Ti SUPER HYBRID」は何が違う? どっちを使えばいいの? 石井良介がまとめて教えます!【PR】
前週は石井良介によるキャロウェイのニューモデル・3代目「APEX UW」の試打リポートをお送りしたが、今回の「APEXシリーズ」には「APEX UW」に加え「APEX Ti SUPER HYBRID」と「APEX UTアイアン」の計3機種がラインナップされている。今回スポットを当てるのは「APEX Ti SUPER HYBRID」。どんなクラブなのかを明確にすべく入念に試打を重ねた石井良介が、「APEX UW」と比較対照しながら「APEX Ti SUPER HYBRID」を解き明かす。
「APEXシリーズ」の流れを汲むアグレッシブ派に訴求しそうな見映え
「キャロウェイのスーパーハイブリッドといえばEPICとPARADYMが思い浮かびます。2機種ともにヘッドが大きめのモデルでしたが今作のAPEX Ti SUPER HYBRIDは、ヘッドが小ぶりでコンパクトサイズになりました。これはまさにAPEXシリーズのハイブリッドという位置付けであることを示しています。
「APEX UW」の3代目はどんなクラブ? 初代、2代目との違いを石井良介が比較試打!
2023年モデルから約2年を経てリニューアルがなされたキャロウェイの「APEX UW」。2022年1月発売の初代から数えると今作は第3...
APEXシリーズはアメリカで一番売れている、飛んでやさしいミッドサイズ系アイアンの代名詞です。その流れを汲んだハイブリッドということで、ヘッドのカラーリングもそれに寄せたイメージ。アグレッシブなゴルファーに訴求しそうな見映えです。顔の感じで言うとウッドっぽいAPEX UWに対して、APEX Ti SUPER HYBRIDは名前の通りハイブリッド顔。日本で言うユーティリティの形状で、そこがAPEX UWとは大きな違いの一つ。APEX UWに惹かれる人はショートウッドっぽい形状が好きで、APEX Ti SUPER HYBRIDはそうでない人、というように好みがシンプルに分かれると思います」
石井の言うように、どちらかといえば大きなヘッドのやさしいモデルというイメージだった「SUPER HYBRID」(2019年発売)、「EPIC SUPER HYBRID」(2021年発売)、「PARADYM SUPER HYBRID」(2023年発売)。それらとは一線を画し、ヘッドの前後長、フェース長とも短くなって操作性にも気を配ったシェイプに生まれ変わっている。「とはいえ寛容性が失われたわけではなく、むしろアップしている」と石井。そのあたりを「APEX UW」との比較対照で語ってもらおう。
直線的にグリーンに近づけるなら断然「APEX Ti SUPER HYBRID」
「正直なところ、今作のAPEX Ti SUPER HYBRIDはすごくよくできていて、みんなこれを使えばいいんじゃないかと思うくらい。
よくできているというのは飛距離性能であり、打ち出しの高さです。ロフト21度の試打データでは打ち出しが15度前後、キャリーで200ヤード前後、落下角度が40度台後半と理想的な数値が得られました。多くのアマチュアゴルファーにとっては、ボールが上がって勝手に飛んでいってくれるハイブリッドの方がやさしいと思えるはずです。
おまけにカチャカチャも付いていますから、つかまり系にもボールを逃がす方向にも微調整できます。打球を意図的に曲げたりせず、直線的にグリーンに近づけるならAPEX UWよりAPEX Ti SUPER HYBRIDが断然いい印象でした」
「ただ、男子プロはAPEX UWの方がやさしいと言うでしょうね。理由はコントローラブルなクラブだから。プロって、真っすぐ飛ぶクラブはほしくないんです。曲がり倒すクラブも困りものですが、コースでカットに打ったり、巻き球で距離を稼いだりしたい。もちろんAPEX Ti SUPER HYBRIDが曲げられないわけではなく、シャフトを合わせたらこちらの方がよくなる可能性も秘めていますが、今回室内で打った感じではAPEX UWに軍配が上がると思いました。カチャカチャのないAPEX UWは1回組んだらそうそう何もできません。ある意味、固定して長く使い続けるタイプのクラブです」
今回の「APEX UTシリーズ」は「APEX UW」、「APEX Ti SUPER HYBRID」、「APEX UTアイアン」の3モデルからなるが、とりわけ飛距離性能を重視して開発されたのが「APEX Ti SUPER HYBRID」。フェースはチタン、ボディはステンレススチール。「PARADYM SUPER HYBRID」でソールとヘッド内部に搭載されていたウェイトをなくし、ソールのスクリューウェイトのみとして重心位置を高め、スピン性能とコントロール性能を向上をさせた。クラブを長くしたのも飛距離アップ対策の一つ。「ELYTEユーティリティ」と比べると、それぞれの番手で0.25インチ長くなっている。
「APEX Ti SUPER HYBRID」と「APEX UW」の共通項として挙げられるのがステップ・ソールデザイン。ソールの中間部分に台形状の段差を設けてソールのテール側が地面から浮くようにしたものだ。これによりヘッドが気持ちよく抜けるのはもちろん、アドレス時のヘッドの座りがよく構えやすくなる。フェースはシリーズ独自の「Ai APEX FACE」。オフセンターヒットを補正してくれる機能が飛距離アップの一翼を担っていることは言うまでもない。
キャロウェイ「APEX UW」の3代目は初代型シェイプとパフォーマンスアップを約束する新機軸が融合!
フェアウェイウッドの打ち出し角とスピン量と、ユーティリティの操作性をジョイントさせたクラブとして登場。2022年に初代、...
ほとんどのアマチュアゴルファーをカバーできるハイブリッド
「Ai APEX FACEをより実感できるのもAPEX Ti SUPER HYBRIDです。そもそもAPEX UWは、大きく芯を外さないゴルファー向けに作られています。また、7番ウッドなどと比べた時にスピン量が少ない設計。女子プロが使わないのは当然でスピン量がほしいからです。逆に男子プロは7番や9番ウッドはスピン過多でうまく使えない。そこを埋めたのがAPEX UWだったわけで、そう考えるとAPEX Ti SUPER HYBRIDは普通に女子プロが使うクラブだと思います。
キャロウェイのSUPER HYBRIDの系譜で言うと、私の場合、PARADYM SUPER HYBRIDは打球に強さが足りませんでした。スピンが入ってフワッと浮く感じだったのですが、今作ではボールがしっかり前に行ってくれます。これは前述したように、APEXシリーズのSUPER HYBRIDということで、対象となるゴルファーが変わったから。積極的にゴルフに取り組み、いいスコアを出すために一生懸命練習をするゴルファーに使ってほしい、というメッセージでしょう。打感も軽くなくしっかりしていい手応えがあります。PARADYM SUPER HYBRIDは、いろいろな意味でお助け要素があってユーザー層も広かったですが冠が変われば目的も変わる。今作はみんなが知っているハイブリッドではなく素材も機能もスーパーです! という意気込みを感じます」
「今回試打したAPEX Ti SUPER HYBRIDのロフトは18、21、24度。とりわけ18度は飛距離を稼ぎたい番手です。10度台のロフトなので2打目以降で使う場合には、ある程度いいライでないと難しいかもしれませんが、力のある方がパー5の2打目でブッ飛ばすのは可能です。ただ、大多数のアマチュアの方は21か24度、はじめは24度から打ってみるのがおすすめです。それで使い勝手がよければ21度も、というのが自然な流れ。カチャカチャでロフトを増減しながらアイアンのような感じで番手ごとの距離を作っていくこともできると思います。シャフトも替えられますしね。
純正シャフトは60グラム台ですが、持った時に手元に重量を感じるので軽くて使いづらいシャフトではありません。グリップも太めで存在感がある。私は手元に重さを感じた方がコントロールしやすいので好印象です」
APEX Ti SUPER HYBRIDには、今回試打したロフトに加え16度もあるが、こちらはカスタムのみで展開。全番手に装備されているアジャスタブルホーゼル(カチャカチャ)は、「ELYTE」シリーズのユーティリティで初採用された「ニューオプティフィット4」と呼ばれる最新式で7つのロフトとライ角のコンビネーションに設定できる。では最後に 「APEX Ti SUPER HYBRID」についてまとめてもらおう。
「APEX Ti SUPER HYBRIDは、ほとんどのアマチュアゴルファーをカバーできると思います。漠然とでもいいですが、いいユーティリティがほしい、と思うならAPEX Ti SUPER HYBRIDをおすすめします。それを聞いて”いや…”と一言目に出る人は、何か他に求めるものがあるはずですからAPEX UWやELYTEユーティリティなども候補に挙がってくるでしょう。
まず拠り所となるのは、ウッドの子分がほしいのか、アイアンの親分がほしいのか。前者ならAPEX UW、後者ならAPEX Ti SUPER HYBRIDです。ただし、前述したようにAPEX UWのユーザー層は決して広くありません。プロが使っているため人気があり、みんなが買うと思いますが、当然合わない人もたくさん出てくることが予測されます。そうならないためにも、まずはAPEX Ti SUPER HYBRIDから試すのがいいと思います。純正シャフトかカスタムかでも変わりますから、使えるクラブが見つかる可能性は高いでしょう。両者をクロスオーバーさせるとすればAPEX UWの19度とそれ以上のロフトのAPEX Ti SUPER HYBRIDの組み合わせはあるかもしれませんが、18度がAPEX Ti SUPER HYBRIDで下がAPEX UWというイメージは湧きづらいですね」
アドレス時の顔つきや打感など個人的な好みはさておき、曲がらない、強い球が打てる、といった部分にクラブ選びの優先順位を置く人におすすめという「APEX Ti SUPER HYBRID」。だが、わかっていてもプロにモテモテの「APEX UW」に惹かれる人も。「そんな人は大いに挑戦してほしい」と石井。それにより「APEX Ti SUPER HYBRID」のよさが浮き彫りになる可能性もありそうだ。
試打解説:石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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