”コースで”どんなクラブが必要なのか? 誰もが納得、スコアをよくするクラブのお話
【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
何のために練習して、クラブを選んで、何のために調整していますか? クラブ選びとスコアを出すことについてダグ三瓶が核心に迫る!
フィッティングに来られるお客様、フィッティングをご検討いただいている方からよく聞くお言葉です。
「まだまだ、スイングの再現性がないから、調子の波もあるし、フィッティングしても変わっちゃうのでは?」というもの。
お客様のご謙遜の部分もあるので、額面通りには受け取りませんが、大半の方がいつも同じスイングができないと上達しないのでは?と考えていらっしゃると、当方は理解しています。
その考え方が間違っているとは思いませんが、プロの様に豊富な練習量がないアマチュアの方々にとって、これを実現するにはかなりの年数がかかってしまうのでは? と思っています。
そこで今回は、フィッティングをしてきた経験上から、スコアに役立つために必要な「再現性」とは何か? をご説明できたらと思っています。
同じクラブを続けて打つことはない…
スイングの再現性というと、ロボットの様に、毎回同じように体を動かすこと、と考えがちですが、果たして、それはゴルフ場ではどのような効果をもたらすでしょうか?
ゴルフ場では、ほぼ同じライコンディションになることはありません。
打たなければならない距離、方向、必要とされる球筋は毎回違いますし、自然の中でのスポーツですから、その時々の、風向き、気温、湿度など、こちらも同じになることはないでしょう~
また、打ち手も、人間ですから、刻一刻と変化しています。体調も違いますよね! 朝一の体の動かない時と、後半の体が動くようになった時で同じ動きをするのは至難の業かと思います。
こう考えて行くと、ゴルフ場で毎回毎回同じ動きをしなければならない理由が乏しくなってしまいますし、また、プレーヤーも刻一刻と変化する状況や体調に対して、全く同じ動きをしようとするためには、かなりの労力が必要と考えても良いのではないでしょうか?
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ゴルフ場で必要とされることは?
では、ここからは逆方向から考えてみましょう!
ゴルフ場で必要とされる結果はなんでしょう? きっと皆さんは安定した結果が欲しいですよね?
例えば、PAR4でパーを取るために、ティショットの安定性、セカンドショットの安定性(願わくば2オンしたい)、その上で、安定したパッティング(2パット以内)というのが求められるのではないでしょうか?
グリーンを外しても、安定したアプローチショット(バンカーを含む)が必要ですよね!
つまり、安定した結果を出す=毎回違うクラブを使って、求められた距離、方向、球筋を様々なコンディション(ライコンディション、風)から打つ、ということになるかと思います。
毎回毎回、平らなライコンディションからのフルショットの様に振れるわけではなく、その時々の条件に合わせた動きが必要になるということをまずはご理解いただけると嬉しいです。
あれ? こうやって考えて行くと、同じクラブで続けて打つことの方がレアケースになることに気づくと思います。
クラブが違うということは、重さも長さも、もしかしたらシャフトの特性も違うものを使っているということになりますから、厳密に言えば、全く同じ動きをすることはほぼないと言っても良いでしょう。
では、そういった状況下において、安定した結果を出すためにはどうしたらよいか?ということになりますね! 毎ショット違う動きをせざるを得ない状況で、結果をそろえるというのは、本当にできるのでしょうか?
それができるのが人間の対応能力となります。人は、目や耳やその他の感覚から入ってくる情報から、それに無意識に反応して適切に動こうとする能力が必ず備わっています。
例えば、あまりよい例ではないかもしれませんが、ゴミ箱(かご)にむかって、紙屑をまるめたもの(ボール)を投げ入れるシーンを思い浮かべてください。
かごまでの距離は何ヤードか?その時の投げ方はどうしたらよいのか?毎回同じ形で投げようとするのか?
ということはやらないですよね?
目から入ってきた目測の距離に対して、自然と紙屑ボールを投げ入れているのではないでしょうか?
その成否は人それぞれですが、それなりの結果にはなるのではないでしょうか?
成功した体験があれば、その時のイメージの時と同じように、紙屑ボールが飛んでいる姿を想像し、投げる方が良いかもしれませんね!
振り幅だけでは距離感は出ない
ゴルフの時も同様に、あそこまでの距離を打ちたい、こんな球筋を打ちたい、とイメージすることによって、人間はそれに対して体を動かそうとします。簡単に言えば、飛ばしたいと思えば、強く振りますし、近くに打とうと思えば、そーっと打つことでしょう。
そのイメージしたものと実際に動かせる範囲は、その人それぞれの能力や、これまでの経験などによって変わってくることでしょう。プロの様に類まれな能力と、豊富な練習量で、1ヤードもしくは0.5ヤード刻みで距離を打ち分けることも可能になるのは、そういったイメージに対して、体が動くことを身に付けているからと考えていただけると嬉しいです。
よく、距離感は振り幅で、ということを教える方も多いですが、振り幅だけでは距離感は出ないです。
イメージした距離に対する人の反応があると、例えば、振り幅が小さすぎると感じた場合には強く入れようと体が反応しますし、逆に大きく振りかぶってしまうと緩めようという反応をします。
逆に、イメージした距離に対して、どのような強さで打っていくのか?ということを優先すると、自然と振り幅が変わってくるというのが、人間の自然な動きとなります。
コースで「能力」を発揮するためには?
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