狭くて距離が長めのパー4のティショットは、ドライバーを振り回さずに「UTで180ヤード」で十分です
石井良介のゴルフ・すべらない話:第95回
ティショットの落とし所が狭い長めのパー4では、ドライバーで攻めるか、コントロールショットや刻みでつなぐかの選択が鍵となる。パーの可能性を消さずないマネジメントを石井良介が解説する。
ティショットの落とし所が狭いと2打目以降は広い場合が多い
ティショットの落とし所がタイトな狭いホールで、しかもある程度距離がある場合には、以下の3つの選択肢があると思います。
1 ドライバーを普通に打つ
2 ドライバーで置きにいく
3 ドライバー以外のクラブで刻む
ドライバーショットが得意で自信のある人は狭いホールでも普通に打てるはずですから1。2はフェアウェイに止めるようにフックやスライス、あるいは低い球を打つなどコントロールショットで置きにいく作戦です。
3つめの刻みについてはちょっと説明が必要です。刻むと言うとドライバーの次に長いクラブ、例えば3番ウッドを使うような発想になりがちですが、ティショットはユーティリティ(以下UT)、2打目はフェアウェイウッド(以下FW)というように、短い距離→長い距離の順に打つ刻み方もあります。
ティショットの落とし所がタイトな場合、2打目以降は広いホールが結構あって、そんなホールではこの攻め方が有効。特に日本に特有の2グリーンのコースではその傾向が強いと思います。グリーンへの入り口が狭いならその手前まで運び、入り口を広めにして2打目でグリーンをめがけて打つわけです。
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ティショットはパーの期待を消さないショットを選択しよう
この間、たまたまTVを観ていたら、白黒画面の中でベン・ホーガンがゴルフをしていました。長いパー4でドライバーでティショットを打っても2打でグリーンに届いていませんでした。それでもアプローチをポーンと打ち、OKにつけてパーだったりしている。2打目がFWで届かないところでも、アプローチ勝負で寄ったらパー、寄らなければパット勝負でパー、それでも入らなければボギーでもしょうがない。そんなゴルフでした。
ティショットではいずれの方法を選んでもいいですが、パーの可能性を消さないことが大事です。グリーンから離れたところで可能性を消してしまうと、そのホールが消化ホールになりかねません。いかにグリーン周りまで「パーが獲れるかもしれない」と期待を抱きながらプレーするかです。もちろんボギー狙いでも同じこと。「ドライバーは不安」と心の声が言っているなら刻めばいいですが、ボギーで上がる刻みなのか、パーを獲る刻みなのかで2打目以降が違ってくるということです。
距離が長いからとドライバーを振り回してOBだったらダボ確定です。だからUTなどで刻んでおく。450ヤードのホールだとして、UTのティショットなら180~200ヤードだと思います。2打目はまだ250ヤード残りますが、そうなったらもう一度UTで打って残り50ヤードでもいいし、FWで残り20~30ヤードにしてもいい。どっちを選びますか? という感じです。
すでにこのコラムでもお伝えしていますが、僕は距離が長いホールほど振りません。曲がったらすぐダボですから、たとえ広くても距離が長いホールは普通に打ってコントロールします。長いパー4は「曲げました→出しました→乗りません=ダボ」。ヘタをすればトリもあります。それならティショットをフェアウェイに打つべく集中力を高めるべき。
逆にサービスミドルのような短いパー4ではヤンチャすることもあります。そういうホールは曲げて出すだけになってもグリーン周りまでいけますから、300ヤード台のホールならOBじゃなければいいや、という感じはありますね。
アマチュアゴルファーにはティショット=ドライバーみたいな暗黙の縛りみたいなのがあります。僕もそんな環境で育ちました。そこで覚えたのが加減して打つ技です。気づかれないようにドライバーをちょっと短く持って弾丸ライナーを打つ。普段の飛距離が250ヤードだとしたら220ヤードでいいから真っすぐ打つ。もし何か言われたら「ミスった!」と言い張る。毎回ナイスショットなんて出ないですからバレません。「ちょっと低かったけどセーフだからまあいいか」と、ちゃんと言い訳まで用意しておきます。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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