不調の原因は調子のいいクラブが作っている? クラブのセルフ診断でわかります【ダグ三瓶】
みなさんはクラブをなんのために替えますか? 飛距離アップ? 新しいもの好き? でもやっぱり一番は「いいスコアで回る」ためじゃないですか? そのためのヒントを今日もダグ三瓶が教えてくれます!
フィッティングに来られる方に必ず聞くご質問があります。それは、
「今お使いのクラブの中で、調子のよいクラブと調子のよくないクラブを教えてください」というものです。
基本的には、何かをお悩みで、調子の悪いクラブを何とかしてほしいということで来られるので、調子のよいクラブを聞くのは意味があるのか? と思われると思うのですが、打てるクラブがあるのであれば、それを基に、うまく打てない不調のクラブとのスペックの差などを見ていくと、その要因がつかみやすく、かつ、全体のつながりが見えてきます。
また、逆に、実はその好調なクラブが、そのクラブだけが打てるということ自体にいろいろな要因があって、それが原因で他のクラブが不調になっている可能性があります。これがいわゆる、当方がこちらで何度も申しあげている、「つながり」、からくる不調の要因です。
つながりの悪いクラブがあることで、それに引っ張られてしまい、好調だったクラブまで不調になるということがあるでしょう。
そうならないためにも、好調のクラブにこそ、不調の要因があると考えて、不調のクラブが整うように考えて行くことも必要だと考えています。
今回はそのあたりのことをクラブ別に書いてみたいと思います。
1.ドライバー
ドライバーが好調で、他のクラブが不調という方は、あまり多くないかもしれませんが、一番長いクラブのみ調子が良いということには、それなりの要因があると考えても良いでしょう。
以前、ドライバーの選び方を書かせていただきましたが、距離を求めたり、振りやすさを求めたりしていくと、ドライバーのシャフトは軽くなりがちです。そのため、他のクラブと比べて、ドライバーだけが極端に軽くなることがあります。
そうなるとドライバーを打った後に他のクラブを持った時に「あ、重いな~」と感じやすくなることで、ダフったり、重いことからおこる振り遅れが起ったりします。
アマチュアあるあるの代表である、今日イチのドライバーを打った後の、ウェッジ大ダフリショット、というのはこれが原因と考えていただいても良いでしょう
。
では、こういった時にはどうしたらよいか? 調子のよいクラブに合わせるためには、ドライバーの振り感にそろえる、と言いたいところですが、そこは少し待ってください。
というのも、ドライバーというのは、コースでは決まった回数しか使いませんので、状況的に言うと、クラブ全体の中での優先順位を上げるべきではないでしょう。
クラブセットの中で、最も重要視してほしいのが、アイアン以下のクラブです。アイアンはセットで使うクラブではありますが、使う頻度はドライバーより多くなる方がほとんどだと思います。もちろん、ウェッジやパターも頻度が高く、その上重要ですから、アイアン以下のクラブを中心にセッティングすべきだとご理解頂けると嬉しいです。
そのウェッジ・パター、そしてアイアンは、軽すぎてしまうことによる弊害が大きいです。ドライバーに合わせてアイアンのシャフトを軽くしすぎてしまったがために、ショットのタイミングを崩してしまって、ゴルフが壊れてしまった人をたくさん見てきました。
そうならないためにも、ドライバーの調子が良いからと言って、ドライバーに全体のクラブを寄せるのではなく、その好調のフィーリンを維持したまま、アイアンにスペックを寄せることを目指しましょう。
簡単な方法としては、その調子のよいドライバーのシャフトの重量を上げてください。例えば、現在50gのシャフトで好調!ということあれば、同じシャフトの60gをお試しいただければと思います。
不思議なことに、これをやるだけで、逆にアイアンの調子が上がることがあります!
2.FW&UT
FWやUTの調子が良いけど、他のクラブが調子悪い、こういう方も時々いらっしゃいます。もう少し極端に言うと、ゴルフの調子は全体的に悪いけど、唯一信頼できるのが、FWやUTという場合が多いでしょうか。最近、そういった方がかなり増えていると感じています。
なぜ、この辺りのクラブのみ調子が良くなりやすいのか? をいろいろと考えてみた結果、その使う場面が影響しているように思っています。FWやUTはどちらかというと、ターゲットに打つというより、セカンドショット以降でそれなりの結果が出ればよい場面で打つことが多いと思います。
例えば、PAR5のセカンドショットで、FWやUTを使用した場合、フェアウェイの幅の中に、距離は出ればいいけど、そこそこいけばいい、と思って打っている方が多いのではないでしょうか?
つまりは、他のクラブと比較すると、かなり気楽な場面で打っていることがわかります。
逆に言うと、FWやUTをPAR4のセカンドショットや、長いPAR3で多用する方にとっては、このくらいの番手はスコアに直結しますので、結果の出るものを選ぶので、それで合っているかの判断をすることもできますが、気楽な場面のみで多用する方にとっては、多少のミスも許されますし、そこまでシビアにセッティングをしていないとお見受けする場合が多いです。
こういった方が、その調子のよいFWやUTを中心に他のクラブを組み立てようとすると、他のクラブが絞り切れないということが起きます。
FWやUTがセットから浮いているスペックだったり、バラバラだったりするので、同様の振り感で扱いやすいアイアンが見つかりにくかったりします。
その結果、結局セット全体を見直していくことになり、使ってきたFWやUTも変えていった方が良いということが起ります。
実は、FWやUTのみが調子良いという方は要注意かもしれません。
アイアンとウェッジは?
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