ユーティリティのボール位置はスタンス中央からボール1個分左! 飛ばない人はアドレスに問題あり
オジサンだって、まだまだ飛ばしたい!【人気コーチ・大西翔太のFW&UTアイアンの飛距離アップレッスン!】
ドライバーだけでなくフェアウェイウッドやUT、アイアンもしっかり飛ばしたい! そんなシニア世代のゴルファーたちに大西翔太コーチが飛距離アップのコツをアドバイスするシリーズ。第7回からはUTで真っすぐ飛ばすためのポイントを解説してもらおう。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/船橋カントリークラブ
ボールの位置が5時半なら頭は11時半にセットするのがUTの飛ばしのコツ!
アイアンのように上体を真っすぐにして構えるとミスになりやすい
ユーティリティー(以下UT)はフェアウェイウッドとアイアンの中間的なクラブで、「ハイブリッドクラブ」ともいいます。ボクが持っているUTは3番(ロフト角18度)、4番(ロフト角21度)の2本で、基本的にはフェアウェイウッドと4番アイアンの間の距離を埋めるクラブとして使っています。
今では難しいロングアイアンの代わりにUTを駆使するゴルファーが大変増えてきて、すっかり定着した感があります。
UTの長所はフェアウェイウッドよりもヘッド体積が小さく、シャフトが短めでミドルアイアンの感覚でやさしく打てること。しかもソールが滑りやすくて、ボールが上がりやすい。ナイスショットの確率が高くて距離も出せますから、スコアメイクに大いに役立ちます。
ところがやさしく打てるはずのUTが飛ばないし、曲がる。どうしてなの? とボクに訊ねてくるシニア世代のゴルファーが大勢います。スイングを見ると……というよりアドレスに問題があることがとても多いんです。よく見られるのが上体を真っすぐにセットした構えです。
UTの場合、ボールの位置は左カカト内側の延長線上よりもボール1個くらい内側が基本です。5番ウッドや7番ウッドと一緒で、7番アイアンよりもボール1個くらい左側となります。
少し左寄りに置いたボールに対して体を真っすぐセットすると、ボールを真上からのぞき込むような構えになりやすいんです。そして知らず知らずのうちに体重が左足に多く乗ってカラダの軸が左に傾く。結果として上から鋭角に打ち込んでしまい、アウトサイド・インのカット軌道になる。インパクトが詰まってダフリ気味の当たりになったり、スピンがかかりすぎて大きく曲がったりするのです。
ボールに対して胸が真っすぐ正対するような体勢で構えることが大事
ボクはアマチュアの方々に「どんなクラブでもボールに対して真っすぐ向き合うイメージで構えることが大事ですよ」といつもアドバイスしています。
ドライバーの場合はボールを左カカト内側の延長線上を置くのが基本で、7番アイアンくらいになるとボールの位置はほぼスタンスの中心線上となります。
ドライバーはボールの位置が一番左ですから、胸がボールに正対する感じでボールに向き合うように構えるとしたら上体が右に傾くのが理想的なアドレスです。
ボールと頭の位置を大きな時計盤にたとえるとすれば、ドライバーはボールが5時で頭は11時くらい。7番アイアンはボールが6時で、頭は12時と考えてください。
UTはその中間ですからボールの位置は5時と6時の間の5時半といったところで、頭は11時半という感じ。上体はアイアンよりも少し右傾きです。
そしてアドレス時の上体の傾き角度をしっかりキープしてスイングしましょう。インパクトを通過するまで回転軸の位置が変わらないようにすれば、ダウンブローでもなくアッパーブローでもなくボールを横から払うイメージでレベルブローにとらえやすくなります。
パワーがあってヘッドスピードが速い人なら、7番アイアンのようにボールをスタンスの中央付近に置いて上体を真っすぐにセットし、ダウンブローに打つのもいいと思います。でもバックスピンがかかりすぎて逆にキャリーが低下したり、方向が安定しなかったりしやすいのです。
UTは多くのシニアゴルファーや女性ゴルファーのようにあまりパワーがない人たちにとってのお助けマン的なクラブですから、効率よく飛ばせるようなアドレスとスイングを実行するのがベストです。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。
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